表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の娘と四天王の息子  作者: アッキ@瓶の蓋。
最終話 そして永久に……後、勇者を

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/60

そして対峙と……

 僕達はドラゴン形態になったウサギに乗って、出来る限り低空を飛びつつ、魔王城へと飛んでいた。『愛金属』は、雷は速いけれども、『愛金属』自体は空中をゆっくりと飛んでいるので僕達は魔王城まで飛ぶ事が出来た。相変わらず、雷は迫ってくるが、



「……修行に比べれば容易」



 と、ウサギが身体を動かして、雷に当たらないように避けていた。そして、魔王城に近付けば近付くほど、『愛金属』からは距離が離れているので雷の正確性は徐々に小さくなっていった。その代り、範囲を広げようとして雷を大きくしているので、一発一発の間が広がって、さらに逃げやすくなった。



「見えてきたのじゃ」



 セドーマ様が前を指差す。そこにお宝があれば良かったけれども、そこは普通に魔王城がそびえ立っていた。あそこまで辿り着ければ、『愛金属』まで飛べるための飛行船に乗って、僕達は乗り込む事が出来る。そう思いつつ、僕達は向かっていたのだが、



「うぉぉぉぉぉぉぉ……」



 目の前に大勢の人、人、人。そんな人々が僕達を防ぐようにして、僕達の前に現れていた。



「あいつらが武器を放ってきたら、大変な事になりそうだな」



 主にウサギの身が危ない。



「な、なんて大勢の人、なのでして!? 急いでいるから、後にするのでして!?」



 そう言って、レインは火炎の剣を振るう。火炎の剣から現れた波が人々を焼き払い、吹っ飛ばす。しかし、倒したといっても死にきれない人々やら当たっていない人々の数で、人数はまだまだ多く、このままだとウサギがこの中を突っ切る事になる。もう彼女も限界だから、後に金になる機会が来るまでその身体は大切にして貰わねばなるまい。と言う事で、もっと数を減らさねばなるまい。



「……う、ウサギちゃんの負担を減らさないと」



 ユメがそう言って、弓矢を放つ。的確に相手の急所を打ち抜いているため、相手は倒れる。しかし、攻撃力が弱い。



「水よ、川となりて、敵を押し流せ、です!」



 パテカニア様が水の魔法によって、敵を押し流す。そして水に浸った人々に、



「冷気の銃弾!」



 生体銃にて、冷気の銃弾を撃って、水に浸った奴らを凍らせる。そして人々は凍って動きを止めた。これで安全だろう。



「ウサギ、これで安全に通れそうか?」



「……否」



 しかし、ウサギの反応は違った。まだ安全ではないらしい。 



 その事について、どう言う事かと思っていると、途端に目の前に1体の人型魔物が落ちてくる。和服を着たドラゴンである。

 背中からは緑の邪竜の翼が生えており、その尻からは9本の緑の尻尾が生えている。竜のような鱗の肌にも関わらずその身体はとても妖艶であり、見る者を虜にしそうな艶やかである。そしてその腰や背中には何本もの刀を差している。そしてその腕は明らかに人間のそれであり、指先には金色のマニキュアが塗られている。そして和服には『人』と言う文字が書かれている。



「『人』……人力発電とでも言いたいんだろうか?」



「その通りなりにけり。『人』のドラゴ・ヒューマン、あなた達を倒すために参上いたしけり」



 そう言って、そのドラゴンが手を振るうと先程まで氷漬けにされていた人々が急に動き出す。急に動き出して、そのままそのドラゴンは動き出した人達と共に迫って来る。



「あの『愛金属』には行かさないなりけり」



 あっ、その名称が正しいんですね……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ