そして発見を……
ガンマ・デーメオンに確かめた訳ではないけれども、ガンマの目的と言う物はその1週間後に判明していた。それが本当にガンマの目的かどうかは確実な証明は出来ないけれども、近似的に考えればそれが正しいと言えると思った。
「……まぁ、確実にあれはガンマのバカのしでかした行為じゃろうな」
と、セドーマ様が空を見上げながらそう言った。
空。空に人工物が浮かんでいた。
銀色で大きな円状の物体であり、光沢が凄く光っている。物体の上には何本もの塔が建てられており、その塔が相互に電気を発しあっている。そしてこちらから見れる円状の物体の下部には大きな『愛』の文字が刻まれていた。
「『愛』、ガンマさんが好きな言葉だったです」
「う、うん。お母さんの事を褒めてた。『アイって良い名前ですね』って」
パテカニア様とユメの2人が空に浮かぶその物体、仮に『愛金属』とでも名付けて置くが。『愛金属』を見上げながらそう言っている。
「あそこが敵の本拠地なのでして。どうにかして向かわないと行けないのでして」
「……飛行しても届かない距離。どうにかして向かわないと」
レインもウサギもそう言う。あそこには多分、通常の飛行では辿り着けない。飛行船、もしくはワープ機能とかでどうにかしてあの『愛金属』へと向かうべきなのだろう。
「……確かガンマが作っていた飛行機が魔王城にあったはずなのじゃ。それを酷使させれば行けるじゃろうて」
「確かに。高度的には何も問題が無さそうだよ」
問題視すべきなのは、あそこから攻撃された場合は対応策が無いと言う事だろう。魔王城に置いてあるのは、あくまでも高度だけは稼げる飛行船のみ。他の、きちんと攻撃もこなせるような戦闘機は、勇者が破壊してしまったし。
「……まぁ、戦力はこちらでなんとかするしかない。と言う事だろうか?」
「そうですね。ねっ、お父さん」
「あぁ、そうじゃな」
「……と、とにかく戻って状態を確認しませんと」
僕達はそう言いつつ、魔王城に向かって歩き出そうとしたのだが。
「……待ってください、敵です」
と、ウサギが槍を僕の前に出して僕達を動けないようにする。そして目の前に現れたのは、5体のモンスターだった。
「風のため、ウインド・コピーが参上」
「火のため、リュウト・ダミーが参上」
「水のため、フローネ・コピーが参上」
「地熱のため、マネキネコ・ダミーが参上」
「原子のため、スケルトン・フェイクが参上。我ら、魔王城に行かないように貴様らを殺すために送り込まれた刺客なり」
そして、5体のモンスターが現れ出でた。
それは僕達が戦って来たはずの、倒して来たはずの5体のモンスター。そんな5体のモンスターは、全員が背中に『贋作』と言う文字を刻まれていて、僕達の前に武器を持って立ち塞がっていた。
「ご丁寧に量産型、と言う事か。あいつが考えそうな事じゃ」
「……戦いが楽しそうです」
「勇者らしく、戦いましょう」
セドーマ様、パテカニア様、そしてレインが武器を構えて、そして僕とユメも構える。
さぁ、最終決戦としゃれこもうじゃないか。




