氷とスカルドラゴン
スカルドラゴン。
骨で出来た身体を魔力によって動かして生きているこのドラゴンは、強靭な肉体と硬い竜の鱗を持つ普通のドラゴンとは違う、それが強靭な肉体も硬い竜の鱗も持たない、ただ骨だけで構成されたドラゴン、それがスカルドラゴンである。
(……まぁ、骨と魔力さえあれば動き続けられると言う事だから、魔力を封じる手段は無いから骨を壊すしかないか)
僕はそう言って、生体銃を構える。
生体銃に僕の氷の魔力を込めて、僕の担当となったスカルドラゴンに狙いを定める。
「凍てつけ、氷の吹雪!」
僕はそう言って、その氷の銃弾を放つ。放たれた銃弾はスカルドラゴンの脚部を凍らせる。凍らせた脚部を僕は魔力を混めずにそのまま放ってスカルドラゴンの脚部を壊しておいた。
「よし、氷は十分に効くようだ」
僕はそう言って、氷の魔力を込め始めた。
セドーマ様は雷の魔力を固め、その雷を槍のような形に変えて、その槍を放つ。その強大な槍はスカルドラゴンの翼を削ぎ落とす。ユメは弓を構えて、その弓を放った。放たれたその弓は真っ直ぐに、スカルドラゴンの尻尾に突き刺さって、尻尾は弓矢によって地面に縫い合わされている。
「ふむ。スカルドラゴンは柔らかいな。やはり骨だけだしのう」
「……弓矢で抑えられるほど……柔らかいですし。では、もう一度!」
ユメは再度、弓矢を構え、その弓矢を放っている。
と言うか、なんともまぁ、ドラゴンにしては弱いドラゴンである。
「槍の、三連鎖突撃!」
あそこで槍を振るいながら、白衣を着たスケルトンを相手にしている正真正銘のドラゴン、ウサギに比べたら余程弱い。
ウサギは背中の翼で宙を舞いながら槍を振るい、白衣を着たスケルトンを相手取る。
「おっと、よっと……」
白衣スケルトンはウサギの攻撃を避けながら、後退していく。あの武闘派のウサギを相手取って、避けながら後退出来るって凄いな……。
「やっぱり科学者如きのぼくでは、戦闘タイプの人間を相手取るのは難しいようだ。偽クロノウスと偽ミトはどうやら本物の勇者とパテカニアに相手取られているようですし、スカルドラゴンもやられているし……。
じゃあ、”科学者”のぼくでは相手にならないようですし、戦闘に特化した”戦争者”のぼくが相手にしよう」
そう言って、白衣スケルトンはガキゴキと、不気味な音を鳴らしながら、身体を変形させていく。




