偽者と骨
「ふふふ……敵が増えまくってるな。じゃあ、戦うとするか」
そう言いながら、スケルトンは指示を出す。目の前に居る2人は、スケルトンの指示を受けて攻撃する。
『敵を撃破。魔法にて撃退』
『敵を撃破。魔法にて援護』
2人は魔法を放って、それを魔法障壁で防ぐパテカニア様。
「……これはミト? そしてクロノウス?
2人とも死んだはず……こいつらはロボットなのでして?」
とそう言いながら、レインはそう言いながら剣を構えてその2人へと向かって行く。
「ミトに、クロノウスなのでして! それなのに、どうしてここに居るのでして?」
「そこに居るのはただの偽物だ。このぼくが作り出したミト・アイの偽者と、クロノウス・セレネジェルの贋作。フェイクばかりのただの傀儡だ。本当に、ただの、ね。けれども実力だけは本物級だけれども」
「悪趣味なのでして!」
そう言いながら、スケルトンを攻撃しようとするレインだが、偽ミトと偽クロノウスの2体がそれを邪魔する。
『敵を撃破。魔法にて撃退』
『敵を撃破。魔法にて援護』
そう言いながら、的確に魔法で攻撃する偽ミト。頑張って傷を負わせるけれども、すぐに偽クロノウスが回復術でそれを回復させる。
「偽者ならもう少し弱体化して欲しいのだがでして!」
レインはそう言いながらミトとクロノウスのダブル偽物を相手する。
「さて、じゃあわしらはこのスケルトンの相手でもしようかのう。パテカニアは、レインの援護を頼む。防御魔法があった方が戦いやすかろう」
「了解です」
そう言って、パテカニア様はレインを助けるために魔法を詠唱し始める。
「さて、ウサギ。こいつはわしらで叩くぞ!」
「……理解不能。だが、了承」
「ユメ、僕達も戦わないと報酬の山分けが出来そうにない」
「う、うん? わ、分かりました?」
セドーマ様、僕、ユメ、そしてウサギは目の前のスケルトンと相対するように前に出る。
「……4対1ですか。泣けてくるほどぼくが不利ですね。だが……」
スケルトンは腰から何かの薬の入った瓶を取り出して、その瓶を地面へと放り投げる。すると薬がかかった場所から骨が浮かび上がり、ドラゴンの形を形作って行く。そして巨大な3匹の骨で出来たドラゴンが出て来たのは、まさに一瞬だった。
「4対4。これなら相対として申し分ない」
そう言いながら、スケルトンは3体の骨で出来たドラゴンをこちらに放つ。
「スカルドラゴン……いや、アンデッドドラゴン? 骨だけで売れそうにはないですね」
「戦の証明、至極歓喜!」
どうやらウサギの方はドラゴンと相対する事が出来て嬉しいようだ。この戦闘マニアめ……。
「じゃ、じゃあ、私達3人で叩くので、セドーマ様はあのスケルトンを!」
「ユメの意見に賛同じゃ。スカルドラゴンはお前達に任せたぞ!」
そう言って、スケルトンの方に空中を飛びながら向かって行くセドーマ様。魔法ですかね、あれは。すっかり魔法使いに慣れたご様子で。
「じゃあ、この3体は僕達の担当だね」
銃を構えながら僕はスカルドラゴンのどこが金になりそうか考えつつ、引き金を引いた。




