ウサギと、スケルトン
「……至極不愉快」
と、ウサギはそう言って槍を構えながら敵に向かってそう言う。敵は『原子』の二文字を背中に書いている白衣を着たスケルトン。スケルトンとは骨の魔物のために、そこまで防御力は高くないはずの魔物であるのだが、どうやらそこまで強くはないはずなのに、なかなか倒せない。それも目の前に現れたこの2体が厄介なのだ。
『敵を撃破。魔法にて撃退』
『敵を撃破。魔法にて援護』
目の前に居るのは、魔法使いを思わせる服を着た魔法使いの女性型人形とローブを羽織った賢者の男性型人形の2人。何故、"人形"かと言うと顔に表情が無く、なおかつ顔に『人形』の2文字が描かれているからである。
「……家に帰ってみたら、こうなっているとは」
と、ウサギはそう言って槍を構えつつ、睨み付ける。
「家も何もここら辺は全てが君の家と言う訳でもあるまい。帰ったら隣に隣人が居る、みたいな物ですよ」
「……ここは龍の谷。ドラゴン族の住処。そんな場所にドラゴン以外が居るのが、迷惑」
男性型人形と女性型人形を揃って槍の攻撃を受けて倒れる。そしてそれを見てスケルトンはそうかよと思っていた。
「ドラゴンならば、良いんだね」
フフフ……とそう言う彼はそう言いながら気合を入れるが、後ろを見て面白くなさそうに思っていた。
「ほら、君の仲間のご登場だよ」
「……!」
ウサギはそう言って、後ろを見るとそこにはベータ達4人の姿があった。
「2人ほど知らない相手が居るのだが」
「元魔王様だ!」
「元勇者様なのでして!」
2人の言葉に
「どうして魔王様が女性になって、勇者が仲間に……」
と訳が分からないような声をあげているのであった。




