謎が浮かび上がる! 探偵は元魔王様!
この温泉街の謎は多く残ってはいたが、一応時間と言う事で揃って集まって情報交換を進める運びとなっていた。
「……と言う訳で、お兄ちゃんと一緒にこの温泉街発祥のお店であるキャバクラ、『ハーティクル』を調べておきました。結果、蒸気だけしかないと言う事が良く分かりました」
「そうです。僕もそれが意見です」
ユメと僕はそうセドーマ様とパテカニア様に報告しておいた。正直、これでどうにかなると思ってはないんだけれども。
「パテカニア様の方はどうだったのでしょうか?」
「――――――えっと、『地熱』と書かれた羽織を着た変なワーキャットが居ましたです。ここら辺はあの猫娘の縄張り見たいです」
「じゃあ、そのワーキャットが何をしてるのか。今はそれが重要ですね」
このテクシス海岸を発展させたワーキャット。そいつはここで何がしたいんだろう?
「温泉……ワーキャット……地熱……」
セドーマ様は必死になって彼女が何をしたいかを考えていらっしゃる。
今のセドーマ様には昔のような圧倒的な力はなく、その圧倒的な力でワーキャットから情報を聞き出すと言う事は出来ない。さて、どうしますか?
「やっぱりここは一度温泉にでも入って、さっぱりしましょう。幸いなことにここはどこもかしこも温泉ばかりですから」
「そうか! 分かったぞ!」
と、セドーマ様は急に大きな声をあげる。
「び、びっくりしましたです。お父さん、何か分かったです?」
「あぁ、パテカニア。謎は全て解けた」
セドーマ様はそうフフフと笑っていた。僕はそれを写真で撮り、後で高値で売り付けるよう手配していた。




