海に来たよ! 温泉街を探索だ!
「ここはどこじゃ……」
「ここはどこです?」
「ここは……どこでしょう?」
と、セドーマ様、パテカニア様、ユメの3人はきょとんとしていた。僕は
「いや、ここはテクシス海岸ですよ?」
――――――そこは沢山の温泉旅館と、お土産屋。泳げない海と言うイメージはどこかに消え去った、ただの良い感じの温泉街がそこにはあった。
「やはり何かはあるようじゃな。ここはいくらかに分けて色々と探ろうか」
「そう……ですね。じゃあ、別れましょうか」
と、さっと別の所に行こうとするベータ、それにガシッと掴んで逃がそうとしないユメ。
「―――――さて、こっちで探そうかのう」
「そうですね、早く探しましょうです」
そう言って、セドーマ様とパテカニア様はすぐに逃げていった。
残ったのは、ベータとユメの2人。
「……別に探そうか、ユメ」
「いやー! お兄ちゃんと一緒、一緒が良いの!」
「……別に探そう」
「いやなのー!」
生まれる不穏な空気。
「……一緒に行くか」
「はい」
そう言って2人は2人で温泉街の探索へと向かって行ったのであった。
「やっぱりあの2人、出来ておるじゃな」
「えぇ、そうだと思いますです」
と、逃げて行ったセドーマとパテカニアは遠くで合流してそう言っていた。
「しかし、変、じゃな。ここは地熱がそこまで多い場所じゃなかったはず、なんじゃがな。地熱や地下資源、近くの土地も畑にでも出来ないからこそこのテクシス海岸は放棄する事に決めたのじゃから。
パテカニア、ここに居るはずの猫娘を探すのじゃ。その猫娘はここで何かをしておるはずなんじゃから」
「じゃあ、あれじゃないです?」
と、パテカニアはそう言って指差した先には
「ニャハハハー! 『赤猫亭』新装開店なのニャー!」
そこに居たのは黒を基調とした拘束具のような服、そしてその服の背中には『地熱』の二文字が刻まれている、異様な姿のワーキャットがそこには居た。




