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魔王の娘と四天王の息子  作者: アッキ@瓶の蓋。
第4話 海だよ! 全員集合!

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海に行くよ! 理由は手紙にある!

 魔界には職業に応じて調教された魔物が数種類ほど居る。

 建設業用に調教されたオーガとゴブリン、遊牧管理用に調教されたフェンリル、植物栽培用に調教されたエリンギリンなど居る。



「ピュー、ピューピュー!」



「あー、はいはい。ありがとう」



 と、そう言ってセドーマ・アイは郵便用に調教されたハーピーが差し出した受取書に印鑑を押す。ハーピーは感謝を申し上げるように、鳴き声をあげて飛んで行った。

 ハーピーは腕が鳥の翼になっている、所謂鳥人間と言えるような魔物。この郵便用に調教されたハーピーは手紙を運んで、受取書に印鑑を押して貰って手紙を渡すように調教されている。ちなみにこのハーピーはパテカニアの物なのだが、調教したのはベータ。ベータはその調教したハーピーで郵送する時に必要経費として少し金額を貰っているらしい。



「……ベータに金を払って手紙を渡した物じゃな。またベータの金が増えた訳か。何だか複雑な気分じゃな。

 まぁ、良いか。これはこれで使いやすいからのう」



 そう言って、セドーマは手紙の裏を見る。裏には『ウサギより』と書かれている。



「……! ウサギ、か。今から探そうと思っていたらいきなり見つかったか」



 ウサギ。

 魔王の四天王、最後の1人、エンシェントの娘。魔界軍最強の武力の結晶であり、圧倒的な剣術と竜状態での圧巻的な身体と、その強さは四天王の中でもずば抜けた力を持つ騎士、エンシェントによって教育されたドラゴン族の槍使い。

 その強さは圧倒的であり、『英雄騎士(ヒーロー)』の名を持つほど圧倒的な強さを誇る。



 が、しかしだとしても



「面倒な奴には違いないんじゃな、これが」



 まぁ、今は関係ない。今はこの手紙を読む事が先決じゃ。えぇと、なになに……。



『魔王セドーマ・ヴェルダッハ様へ。

 只今、私はエンシェント様に頼まれた極秘任務の真っ最中なために、少々調査の旅に出る事をお許し願いたい』



「これはどうやらわしの死ぬ前に書かれた物じゃな」



 日付を見て見ると、勇者達一行が来る数日前の日付になっている。死ぬ前に渡されたかったが、それも仕方ないか。



『エンシェント様曰く、『何か変だ。よし、探れ』と言うので調査に出ました』



「エンシェントよ、娘に対してそんな理由で旅に出させるのは酷じゃろうが!」



『と言う訳で、調査すると確かに勇者の一行は可笑しな動きを見せておりました。流石、エンシェント様です』



「いや、それはエンシェントの手柄じゃない! お前の手柄じゃ!」



 はて、それはともかく勇者一行の可笑しな動きは気になる。

 勇者、レイン・ヘルメン。魔法使い、ミト・アイ。そして賢者、クロス・セレネジェル。わしが見る限りはそんなに変な動きは見られなかったんじゃがのう。



『そして最近、変な魔物が増えています。

 銀の花を咲かせたアラクネア。金で出来た顔を持つゴーレム、そして水のような身体のハーピー。どれも私の敵みたいなので、怪しいです』



「判断基準が可笑しい!」



 敵みたいなので怪しいって……。どんな基準じゃよ。でもこの頃から怪しいこいつらは居たと言う事か。



『でも敵対しなかったため、見逃しました』



「もっと探れよ、『英雄騎士』!」



『いや、『英雄騎士』なんて照れるです』



「手紙で会話をするでない!」



 何かむかつくからのう!



『と言う訳で、とあるドラゴン族の女性の情報によりますとテクシス海岸にて妙なワーキャットの目撃情報があったと聞いたので、これにて失礼します。

 敬愛するセドーマ・ヴェルダッハ様へ。

 ウサギより』



「テクシス海岸か……」



 確かあの辺りはあまりにも凶暴なクラ―ケンが居るために遊泳禁止にした海岸。あの海岸でひっそりとその妙なワーキャットが未だに何かしているのならば、一刻も早く止めねばなるまい!



「では、行こうかのう! テクシス海岸へ!」



「……お父さん、うるさいです」



「す、すまん! パテカニア!」



 あぁ、娘と同じ部屋に泊まらせてもらったのに、お父さんだけこんな暗い押入れなんて……。

 そりゃわしは成りは女でも心は男だし、部屋には娘だけじゃなくてユメも居るが。



「なぁ、パテカニア。たまにはお父さんと一緒に寝……」



「嫌です」



「ガーン!」



 ショックだよ、お父さんは。あぁ、もう寝よう……。

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