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魔王の娘と四天王の息子  作者: アッキ@瓶の蓋。
第3話 愛に生きる女

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宝の正体

 リュウト・フレイムとフローネ・アクアは倒して、僕はユメから宝(時価100億円相当、上がる可能性あり)を手に入る権利を得ました。



 人間界は勇者によって文明が著しく発展しているのである。とは言っても別に魔界の技術を奪っている訳ではない。レインのような『アイテム勇者』が居るように、勇者は毎代色々な勇者が居る。

 剣技に優れた勇者。槍技に優れた勇者。弓技に優れた勇者。魔法に優れた勇者。

 力任せの勇者。防御任せの勇者。運任せの勇者。スキル任せの勇者。

 レインのような『アイテム勇者』は逆に少ないんですけど。

 ……そう言えば、レインはどこに行ったんだ? つまりレインは手伝っていないと言う事だな。



 閑話休題。

 その中には、技術面に優れた勇者が居る訳で。その技術面に優れた勇者が何代かに1人は居る訳で、その勇者の力によって人間界の技術が発展して豊かになっていく。豊かになれば当然社会的にも豊かになり、経済発展が良くなって魔界と人間界の価値が変わって来るのである。



 だから魔界では安く買い取れる物も、人間界では高く買い取っても問題ないくらい経済的に豊かなのである。だから物を買うならば、魔界、売るならば人間界なのである。とは言っても、物の質やそう言った面で言えば差はありますが。



 じゃあ、僕、セドーマ様、パテカニア様、レインの4人で7:1:1:1で分ける予定だったんですけど、レインが居ない事によって僕、セドーマ様、パテカニア様の3人で8:1:1で分けましょう。1人頭、80億:10億:10億で分割できますね。

 ふふふ……。100億が20億マイナスになるのは少し残念に思いますが、それでも80億も手に入るんだからまず間違いない。その物を手に入れたら出来うる限り、高値で売り(はた)く。それが僕の真理、僕の生きる目的だ。



「さぁ、ユメさん。僕の手にその『100億円の価値のある宝』をくださいな!」



「はい♪」



 そう言って、彼女は僕の手の上に自分の手を置いた。そこには何もなかった(・・・・・・)



「こ、これは……? あのユメさん、何もないんですけど?」



「あぁ……。そう言う事ですか。良いじゃないですか、この際。諦めた方が利口と言う物ですよ?」



「そうじゃな。お前ももう潮時と言う事じゃよ」



 セドーマ様とパテカニア様、ちょっと言わないでください? 僕もなんとなく分かってますけど、敢えて分かってない事にして聞いているんですから。正直、僕はその可能性でない事を願って質問しているんですから。



「……な、何って♪ わ、私です。私が20億人間円で売れた、ベータさんの言うお宝です♪」



「や、やっぱりそうですか」



 サキュバスって人間だとかなりの高値が付く事が多い。サキュバスは人間の中で良い魔物として扱われてるみたいですし。20億人間円で売れるのも可笑しい話ではない。

 恐らくネット通販とかで自分と言う存在を一時売って、その時の値段を言っているのだろう。



 けれどそうだとしても、



「同じ魔界軍の者を売れはしませんですね、ベータ?」



「そうだな、ベータ。それをしたら元魔王の名において、お前を指名手配するぞ?」



「そうですよねー……」



 僕もそれだけは勘弁願いたい。と言うか、人身売買だけは流石に勘弁と言うか。そう言う、本当に人身の未来を左右するような事象で金を稼ぐのは、かなり危険(リスク)が高い。



「さぁ、さぁ! まずは何して遊びます?

 遊びましょ? 遊びましょ?」



「……」



「私はあなたの物ですから! さぁさぁ、私と一緒に遊ぼう? 遊びましょ、遊びましょ、おにいちゃん?」



 はぁ……。何を考えてんだか。まぁ、良いですけど。



 僕をお兄ちゃんと言い張る『妹キャラ』のユメ。彼女は本当に変わらない。昔からそのまんまである。昔から遊びに来るたび、パテカニア様と一緒に妹扱いで遊んであげなきゃいけなかったし。



 変わらないし、変わっていない。



「はぁ……。とにかくセドーマ様とパテカニア様の2人に着いて行って、君は魔界城の復興を……」



「おにいちゃんは? おにいちゃんは手伝わないの?」



「―――――――――はい?」



 えっ? 僕は別に手伝わないんだけど。

 でもどうして、僕までそう言われなきゃいけないの? 僕は僕で金稼ぎをして……。



「一緒に行こう! 行こう、行こう! セドーマ様とパテカニア様と一緒に、魔界城復興させましょ? ささ!」



「……断らないですよね? この状況で断ったりしないですよね?」



「そうじゃな。結局、まだエンシェントの娘のウサギにも話はつけておらんしの」



 はぁ……。ここで抜ける予定だったが、仕方ない。



 僕は「はいはい、そうですね」と言いながらセドーマ様とパテカニア様の元へと歩いて行ったのであった。

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