親子対夫婦
「「太陽と闇の共演、ダークソル!」」
セドーマ様とパテカニア様はフレアインパクトとダークインフェルノを作り出し、その2つを合体させる。そしてその2つを融合した炎と闇が融合した球を発射するセドーマ様とパテカニア様。その球はリュウト・フレイムとフローネ・アクアへと向かって行く。
(成長していますね……。いや、ここは同調率が上がってるんでしょうか)
セドーマ様はダラムヤマではまだまだ魔法を使いこなしてなかったらしいみたいですけど、どうやら魔法を使いこなさせてなかったんですね。けれどもここに至って魔法を使いこなして娘と強力な強力魔法を使えるようになりましたか。流石、魔王様と言う事なのでしょう。いや、元魔王様だからセドーマ様の実力か魔王の血と言う事でしょうか。後者ならば是非ともパテカニア様から血を採取してその血を高値で売り付けたい物です。
才能を求める人間族とか凄く高く売れるでしょうね。ふふふ……。
「……あ、あのベータ? ち、血が欲しいなら私のあげるよ?」
そう言って顔を赤らめて目を閉じて腕をこちらに向けるユメ。
「……」
無視、無視。悪いけどユメ・ヘルタハやアイ・ヘルタハは媚薬な薬にしか使えそうにないですし。それだったらそんなに魔王の血よりかは高価で売れない気がします。なので、無視、無視。今は魔王様達とその相手の戦闘を見ておかないと。
セドーマ様とパテカニア様の放った闇と炎を混ぜ込んだ球をリュウト・フレイムとフローネ・アクアは見据えた。そしてまずリュウト・フレイムがいきなり背を向ける。
「男なら背中で語れ! フレイムゲット!」
そう言うと、リュウトは背中を向けると背中に取り付けられた溶鉱炉の扉が開き、その扉へと球の炎の燃える赤い部分が吸い込まれていき、リュウト・フレイムはさらに赤く燃え上がる。
「闇を浄化せよ、ホーリーアクアですのよ!」
フローネは自分の身体を液体状の物へと変えたかと思うと、身体を形状のぎりぎり分かるような身体からただの水の塊のような身体へと変えて、そのまま闇だけの球をくるくると回る。回ると共に闇の球は小さくなっていった。そして水の塊は元の位置でフローネの身体へとなる。
そしてリュウトはまた背中を向ける。
「男ならば背中で燃えろ! ヒートフレア!」
リュウトは背中から火炎のビームを発射した。そしてフローネは自らの身体の手を切り、その手を発射する。
リュウトの背中から放たれた火炎のビームとフローネが切り放った自らの手が放たれる。
「フレアボール、なのです!」
パテカニア様が火炎の球を放ち、その火炎のビームを迎え撃つ。しかし、火炎のビームは火炎の球へとぶつかるが、火炎のビームは火炎の球を吸い込み、強力な攻撃となる。
「アクビーム!」
セドーマ様がそう言って闇のビームを放つ。しかし水の手はそれを動いて避けて、セドーマ様の首を思いっきり握る。
「くっ! しかしアクビームが……!」
「ふふふ……」
しかしそんな攻撃はフローネは自らの身体を液状にして避けていた。
「そんな熱くない攻撃では何も聞かんぞ! 我らの熱血はそんな事では止められはせんぞ! 夫婦の絆は親子よりも深い!」
「そうですわ。あなたがたの愛なんか、泥水にも劣るヘドロに違いありませんわ」
リュウトとフローネはお互いの手を掴みあう。
「「愛のラブリーボム!」」
フローネは自らの腕を切り離して物凄い勢いでセドーマ様とパテカニア様の2人は縛り上げられる。そしてリュウトは熱線を放って水の腕を熱する。熱すると水の腕は物凄い勢いで暴発していき、そして吹っ飛ぶ。
「ふふふ。呆気ない戦いだわ」
「あぁ! 何も熱くならない、無意味な戦いだったな!」
リュウトとフローネは互いに手を取り合い、歩いて行く。
……不味いな。非常に不味い。
「……どうしましょう、ユメ」
「……と、とりあえず部屋に隠れましょう」
「賛成ですね」
僕はユメの提案に乗って、近くの部屋に入って行った。




