爆破と共に侵入者
「ふんふん、ふ~ん」
ユメは食堂で上機嫌なご様子で、料理を続けていた。鼻歌を歌いながら、食材を包丁で切ってる。とっても手際が良いし、手慣れているな。
「……ユ、ユメ?」
「な、何かな?」
いや、口調は丁寧なんだけどそれにしたって包丁を向けるのは止めて欲しい。包丁を刺されそうな気がするから。うん。とりあえずその包丁は置いてください。
「えっと、何だ。その……。僕達は今、魔王軍を復興させるように動いているんだ。今日はそのためにユメの所に来たんだよ」
「う、うん。――――――それで、ベータは?」
僕? 僕は何もしない。何せ僕はただお金を稼げる事だけを目的として着いて来たんだから。
「ベータは……その……」
ユメがそう言いかけたところ、
ドゴーン!
と言う大きな音と共に、
「かかか! 俺様、参上! 燃やし尽くして見せるぞ、この屋敷!」
「うふふ……。水も滴る良い女のご登場よ~!」
変な2人の声が聞こえて来る。
「い、今の声は……」
「分からんがとりあえず向かうとしましょう」
「う、うん」
そうして入口へ隠れながら向かうと、そこには2体の魔物が居た。金の顔と溶鉱炉を取り付けられたゴーレムと、身体が液体状のハーピーの2体。明らかに可笑しな格好の魔物。
「いったい何事なのじゃ!」
「何事何です?」
ヤ、ヤバい。何も知らずにセドーマ様とパテカニア様が来ちゃったよ!
出会うセドーマ様達と2体の可笑しな魔物。
「ふふふ! まぁ、予定した奴では無いけれどもお前らも抹殺対象だ! お前ら、この『火』のリュウト・フレイムと――――――」
「―――――文字通り水のような女、淫靡なる『水』のフローネ・アクアがやっつけてあげるわ」
リュウト・フレイムは溶接路から炎を、フローネ・アクアは身体から水を出している。
「どうやら敵みたい、じゃな。パテカニア、とりあえず倒しておこう。今はユメを誘う為に来たのじゃから」
「そう、です。さっさと倒しましょうです!」
セドーマ様は特製の腕輪に魔力を通して闇の魔法を発動させ、パテカニア様は杖に魔力を込めて火炎の魔法を発動した。
そして2人はその魔法を2体の魔物向けて発射した。




