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魔王の娘と四天王の息子  作者: アッキ@瓶の蓋。
第3話 愛に生きる女

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サキュバスのユメ・ヘルタハ

 三の四天王、アイ・ヘルタハの娘、ユメ・ヘルタハはキュクロウスと言う人知れない静かな森で1人、ひっそりと暮らしている。


 夜魔族のサキュバスは人や魔族の精を得て生きる生き物、だと言われてる。獲物の心を捕らえるためにその人にとって魅力的な姿となって現れると言う。

 そして現代。サキュバスは獲物を捕らえるために様々な物で人を誘惑しようと欲する。


 そんなユメ・ヘルタハを仲間にしようと僕達は森の中を歩いていた。



「最近ですと、ツンデレ系、ヤンデレ系、クーデレ系、照れデレ系に素直クール系……」



「妹系、姉系、女王様系、奴隷体質系に獣耳系もあったの」



「複数の性質も併せ持ったサキュバスなんかも結構多かったですね」



「それはもはやサキュバスだと言えるのでして!?」



 セドーマ様とパテカニア様が挙げて行った物に対してレインがツッコミを入れている。けれどもサキュバスと言うのはそう言う物なんだよな。はぁ……。



「そして四天王のアイ・ヘルタハは四天王としての役目を果たすために淫乱系を装っておったが、本当はかなり無償の愛をあげるような尽くすタイプじゃったな」



 ちなみにどうしてレイン・ヘルメンがアイ・ヘルタハの誘惑に打ち勝ったかと言うと、呪いの道具に侵されているのに恋愛関係を持とうとした彼女が可笑しかったから何とか大丈夫だったらしい。あれか、『平凡な自分に彼女が告白した。これは罠だ、罠に違いない!』と言う事らしい。と言うか、そんなんで勇者なんて良く慣れた物である。『英雄色を好む』とは良く言った物です。はぁ……。



「どうしたんです、ベータ? ユメはベータに一番懐いていたんですから、会うのは楽しみじゃないんです?」



「あいつは苦手なんですよ、昔から」



 そう、なにせ……



「金で動かない奴なんて怪しいにも程がある」



「「「動きすぎる奴が言うな!」」」



 いや、欲望に正直なだけだ。



 それに比べてユメはと言うと、もうとっくに他のサキュバスは男漁りを始めているのに、今でも料理や家事、洗濯などの家庭的なお母さん的な事をやっているらしい。サキュバスにしては身持ちが硬すぎるんだよな、全く。



 そうこうしているうちに、僕達は屋敷に着いてしまった。



 屋敷の前には1人の女性。その女性はとんでもなく美しかった。

 漆黒の闇をそのまま取り出したかのように怪しく光る長い黒髪、ころころと色を変える虹色の瞳に愛らしく、それでいて大人びた顔立ち。豊満なバストを覆っているのはサキュバス特有のほぼ全裸と言っても良いような服が、より一層と大きくあるべき物は大きく、細くあるべき物は細くするよう彼女の身体を演出している。



 そんな女性は頭に銀色の王冠を被った状態で、貴婦人のようにくるりと回転して、



「おかえりなさいませ、みなさま」



 とその持っている(きょうき)を見せつけるようにして丁寧に頭を下げた。



 そんな彼女、ユメ・ヘルタハを見て、



「ゲヘヘ、良い物持っているのでして!」



 と元勇者が下品な事を言い、



「……あともう少ししたら」



 とパテカニア様が溜め息を吐き、



「うむ、なかなか良い物じゃ。娘の成長を見ておるようじゃな」



 と一部の成長をとてもいやらしい目つきで見つめる元魔王様(へんしつしゃ)が続き、彼女の視線は僕へと移る。



「……よっ、久しぶり」



「う、うん。久しぶりだね」



 顔を赤らめながら、その特に女性らしく変貌を遂げながら成長した胸を撫でるようにして彼女は深呼吸して、



「―――――――おかえりなさい、”おにいちゃん”!」



 と笑顔で言った。



 ユメ・ヘルタハ。属性、『ナイスバディ』で『家庭的』な『妹』属性のサキュバスである。

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