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虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~  作者: すなる
1章 第二部 王都ベルセリア編

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39話 天通眼と魔眼

アモンの転移魔法でハルト達は薄暗く狭い部屋に転移していた。


「ここは……?」


「ここはわが城で保有している倉庫の一室です」


「何故こんなところに転移を?」


質問しながらハルトは周りを見渡した。

ハルトの質問の意図を理解してシンが辺りを警戒していた。


「誤解しないでください。騙すつもりはありません。人との融和をも望んでいるサタナキア様の治める城内とはいえ、人族を良く思っていない者は少なからずおります。ですので身を隠すためにもこの場所へ転移させていただきました。あなた方は協力者と言え人族ですので。一人だけ魔族もおられるようですが……」

ルシアを見ながらアモンはそういった。


「シン、大丈夫だ」

「はい」


ハルトの声を聞き、シンは警戒を解いて腰の剣に当てた手を下ろした。


「信じていただきありがとうございます。理解が早くて助かります」


「人族の俺らが堂々と魔王領内を歩いていたら不可侵条約違反。人族を良く思わない魔族がアモンと一緒にいる俺らを見たら、当然その主である魔王サタナキアの信用にも関わるってことだよな」


「そう言うことです。更に言えばマナリスの伏兵が我が領内に居ないとも限りませんので、念には念を入れさせていただいております」


確かにアモンの言うとおりだが、それならば直接会わずとも念話やコネクトオーブで話せばリスクも減らせるのでは?と思ったハルトは少し引っ掛かりを覚えた。

危険を冒してまでハルト達を招待する理由は一体……。


「では案内させていただきます」


そういうとアモンは壁にある燭台を引いた。

するとただの石壁だったところに隠し通路が現れた。

ルシアとシンは隠し通路に目を輝かせていた。

二人はこういうのが好きなお年頃らしい。


「私に付いてきてください。この道は城内へ続いております緊急用の避難路です。城の中でも一部の者しか知らない通路ですので安心してください」


「そんな大事な秘密を部外者の俺らに伝えても大丈夫なのか?」


「先ほども言いましたが、どこにマナリスの伏兵が紛れ込んでいるかわかりませんので……」


なるほど。

万が一俺らがいるときにマナリスの襲撃があった場合はこの道を使って逃げろ。ってことか。

秘密の避難路を見せ、信頼を見せるとともに俺たちの安全も守る意思を伝えているってことか。


一同はアモンのあとに続き、避難路を進んでいく。

途中長い階段を上り、少し進むと直ぐに行き止まりとなった。

正面の壁にある少しだけ出っ張りのあるレンガをアモンが押し込むと、壁が開いて隙間から明かりがさし込んできた。

ようやく城内へたどり着いたらしい。


「ここは?」


「この城の最上階の廊下です。ここまでくると我々幹部以外の立ち入りは許されておりませんので皆様が隠れる必要はございません。この先にサタナキア様がお待ちです」


そのまま付いていくと豪華な両開きの扉の部屋の前に案内された。

部屋の前には見覚えのある顔の女性が立っていた。

姿は魔族のそれだが、一度会ったことがあるハルト達はその者がすぐにプルフラだと気が付いた。

プルフラはハルト達に軽く会釈をすると扉をノックしサタナキアに告げた。


「アモン様が協力者の方々を連れてまいりました」


「入ってもらいなさい」


「では失礼します」


そういうとプルフラは扉を開け皆を中へ案内した。



部屋はとても煌びやかで高貴な雰囲気だ。

さすが魔王の自室と言うだけはある。


「遠いところわざわざお越しくださり感謝いたします。私はサタナキア。魔王の一人として、このファーメルハイトを取り仕切らせて頂いています」


「俺はハルトです。こちらは右からルナ、ルシア、シン、ヒナタです」


「よろしくお願いします。……皆さんとても強い力をお持ちのようですね。……ハルト様とルナ様……それにルシア様は私よりもお強いでしょう」


「なっ!魔王であるサタナキア様よりも強いなど、いくら何でも世辞が過ぎます!!」

アモンが慌てて割り込んできた。


そんなアモンを左手を広げ制止させた。


「私の目を貴方は疑うのですか?」


「いえ……」


「サタナキア様は見ただけで相手の力量がわかるのですか?」


「ふふ、様は不要ですよ。私は天痛眼というエクストラスキルを持っていますので、見ただけでその者の本質が透けて見えてしまうのです」


鑑定の上位互換みたいなものか……すごいな。

本質を見極めるか。

ルナやルシアはともかく、戦闘能力では二人に劣る俺まで強いと称したのは加護の力を垣間見ての発言と捉えていいのかもしれないな。


「わかりました。では我々にも様付けはやめてください。それで、わざわざここへ呼んだのはそのスキルで見るためですか?」


「直接見てみたいと思ったのは事実ですが、強さを見たかったのではありません。あなた方の人柄を見てみたいと思いまして」


「では、その目で見た感想は?」


「……あなた方はとても澄み切った、まるで……伝説に聞く女神の泉のような心を持っていますね。一人一人色は違いますが、皆さん今まで出会った誰よりも純粋で綺麗な色をして見えます。協力者に選んで本当によかったと思いました。それに……ハルトさんはとても不思議な生い立ちをしておられるようで……」


!?

まさか転生のことまで見ただけでわかるのか!?

心を色で例えるというのも不思議な話だな。

サタナキアの目にはどう見えているのだろうか?


「その目で見た者の本質を見抜けるというのならば、マナリスの伏兵を見抜くこともたやすいのでは?」


「そうですね。その者が先日の者たちの様に自分の意思で協力している者ならば見抜けると思います。しかし洗脳や魅了をされていたり、もしくはマナリスの行いを盲目的に正義と信じ込んでいる者だった場合は分からないのです」


なるほど、心に闇があったり矛盾があれば捉えることも出来るけど、自分の欲のためでなくマナリス自体を信じ切って協力している場合はそういった揺らぎも現れないってことか。


「なるほど。それではこれからどうやってマナリスを追うつもりですか?」


「それに関しては一つ既にこちらで手を打っております。アモン」


「はっ。先日捕えた魔族の生き残りを尋問していた際にアスタロトの名前をこぼした者がいたのです」


そういえばナターシャとアガレスもそんな名前を出してたな。

アスタロト、いったい何者なんだ。


「その顔を見ると、貴方もアスタロトの名前をどこかで聞いたことがあるようですね」


「ええ。ダンジョンで会ったアガレスって魔族が死に際にその名前を出していました。それにマナリスから寝返った仲間もアスタロトのことを知っていたので」


「寝返った?その者は信用できるのですか?」


「勿論。それは俺が保証する」


「アモン。ハルトさんを信じましょう。この方は真贋を見分けられないほど愚かではありませんよ」


「サタナキア様がそう言うのでしたら……。ゴホンっ!話を戻します。アスタロトとは先代6魔王の一人です。現在は隠遁していて表に出てきていないはずでした。その名前が出てくるということは恐らく先代の魔王アスタロト本人の可能性が高いと思います」


「先代魔王か……でも名前も割れてるなら今の魔王達でとっちめちゃうわけにはいかないのんですか?」


サタナキア、アモン、プルフラはハルトの質問を聞いて皆困った顔をしていた。


「それが……アスタロトは先代魔王の中でも最強の魔王でして。現在の6魔王で最強とされる魔王アザゼルですらも勝てるかどうか……」


ホントに引退した魔王なの……?

現魔王で最強の魔族より強いとか、バリバリ現役じゃん!


「でも魔王6人でアスタロトを捕えようとしたら出来なくはないんじゃないですか?他の魔王もそれなりには強いのでしょう?」


「魔王アスタロトは魔眼持ちなのです」


「魔眼?」


「わかりやすく言えば、同じ種族の者で自分よりも力が劣る者は強制的に支配下に置ける能力です」


「はぁ!?なにそれチートじゃん!!」


「ちーと?というのはよくわかりませんが、そのせいでアスタロトの名が出ても我々は動くに動けないでいるのです。下手に敵対すると精神操作され支配されてしまう可能性があるので……」


なるほど……。

だからさっきサタナキアさんも天痛眼で見ても分からないって言ってたのか。

魔眼で支配されてる者は本人の意思がないからってとこか。

かなり厄介だな……。


「あ、それで魔眼で支配されない俺らの力を借りたいってことなのか」


ん?

魔族は支配……?

あ。


「ハルトさんもお気づきのようですね。ルシアさんも魔族のようですのでアスタロトの支配の影響を受ける可能性が高いです」


皆で呑気に話を聞き流しているルシアを見た。


「おい、ルシア。お前は今回連れて行けそうにないぞ」


「え?なんでですか?」


「はぁ……。魔王アスタロトって奴は魔族を支配できる魔眼ってのを持ってるらしい。だから魔族であるお前も操られる可能性が――」


「魔眼ってこれのこと?」

そういうとルシアは目に魔力を集めた。

するとルシアの右目が赤く光り、目に魔紋のような模様が浮かび上がった。


「!??」

全員それを見て驚いた。

アモンに至っては開いた口がふさがらず、引きつった顔をしたまま口をぱくぱくしている。


「まさか魔眼まで持っているとは……。驚きましたわ。私の天通眼をもってしても、ルシアさんが魔眼を持っていることは読み取れませんでした……」


「まさかルシアがこんな能力までもってるなんて、……俺も驚きました」


「?」

ルシアは事の重大さをまだ理解していない。



「魔眼を持っていたら支配されない可能性は?」

「同一の時代に魔眼持ちが二人以上現れたという話は過去に聞いたことがありませんので……。確信はありませんが……。天通眼を持っても見通せない能力ですので、おそらくルシアさんが操られる可能性は低いかと思います」


「だそうだ。ルシアも付いてきても大丈夫らしい」


「わーい」



「ひとまず皆様は協力していただけると捉えてかまいませんか?」


「ああ、俺の仲間にマナリス内部に仇がいる可能性があるやつもいるし、放っては置けないからな」


「ではこれからよろしくおねがいしますね」


「ああ、よろしくたのむ」


サタナキアとハルトは強く握手を交わした。


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