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虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~  作者: すなる
1章 第一部 新世界~リーザス編

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1話 転生 三つの願いと神の加護

窓から差し込む朝日の眩しさを感じ、男は目を覚ました。


まだ朧げな意識の中で手を動かそうとすると、指先から柔らかな感触を感じた。

不思議に思い、手が触れている何かを確かめようと薄っすら目を開けると、目の前には裸の女性が眠っていた。


男は慌てて手を放し起き上がると、布団がめくれ女性が目を覚まし、右手で目をこすりながらゆっくりと上体を起こし口を開いた。


「んん……。おはようござい……ます。ご主人様……」


女性はこちらに気が付いてそう呼ぶ。

動揺しつつ男は女性から目をそらしながら叫んだ。


「と、とりあえず服を着てくれー!!」




※  ※  ※



時は数日前に遡る――


一晴斗(ニノマエハルト)よ。お主は予期せぬ死によりここに招かれた。よって今一度だけ生を受けて人生をやり直すことができるのだが――」

気が付くと男は神と自称する存在の前に居た。




俺の名はニノマエハルト。

神と自称する者の話では、どうやら俺は前世で死んでしまったらしい。

そして転生するために神の前に招かれているみたいだ。


神という存在の長い話を聞き流しながら、ハルトは自分の両手をぼんやりと眺めつつ、ここへ来る前の記憶を思い返していた。

確か俺は猫を助けて車に引かれそうになって―――


ぼんやりした頭で曖昧だった記憶を手繰り、ここへ来る前のことを思い返していくうちに、徐々に自分の死という現実を実感し始めた。


そうか……俺は死んでしまったのか……。


ハルトはここへ来る直前の状況をようやく思い出し、自身の死を改めて認識した。



―――いつも通りの変わらぬ日常のはずだった。

いつものように仕事へ向かい、いつものように残業し、コンビニで1本の安酒と夕飯を買って帰宅する。

そんな当たり前の毎日のルーティンを今日も繰り返し、仕事帰りに夜道を歩いているとき


遠くの方から明らかに速度超過した車が走ってきているのが見えた。

危ないな……。

と思ったが特にそれ以上気には留めなかった。

そんな様子も都会では偶に見る日常の光景だったからだ。


しかし突如、日常は非日常へ状況は移り変わる。


視線を暴走車から目前の道へ戻す瞬間、視界の端に何か動くものが映った気がした。

確認するために何気なく車道の方に目をやる。


するとそこには目前まで迫っている危機に気が付きもせず、呑気に道を渡ろうとする一匹の猫が居た。

綺麗な銀色の毛色をしたその猫の姿は、昔実家で飼っていた愛猫と重なって見えてしまう。


ハルトが再び車道の先へ目を向けると、車は既に数秒後には猫にぶつかるところまで迫っていた。


このままではあの子が轢かれてしまう!

そう思った瞬間――

気が付けばハルトの体は見知らぬ野良猫を助けるために自然と動き出していた。

猫を抱き上げたとき、既に目前まで近づく車が大きな音でクラクションを鳴らしながら迫ってきていた。


もう衝突は避けれない。

せめてこの猫だけでも……。

そう思いハルトは抱きあげた猫を歩道の方へ放り投げた。

直後、車のライトの光で視界が真っ白になった。


ハルトに思い出せたのはそこまで―――



あの猫を助けたことで車に轢かれ死んでしまったのか。と理解した。


確か俺は幼い頃から猫好きだったが……。

まさか見ず知らずの野良猫を助けて死んでしまうことになるなんてな……。

だが俺は後悔はしていない。

あの猫が無事だったのならそれでいいさ。


ハルトは重度の猫好きだった。





―――ここへ来た経緯を思い出し、そんなことを考えていると神から大声で注意された。

「――お主、聞いておるのか!?」


「……すみません」


正直全く聞いてませんでした。

と、言うわけにもいかないのでハルトは軽く頭を下げた。


「まぁよい……では、望む願いを3つ答えよ」

神は右手の指を3本立てながらハルトに願い事を訪ねてきた。


考えに耽っていて話を聞いていなかったが、流れから察するにファンタジーでよくある転生の特典とかだろうと勝手に理解した。


少し考えハルトは口を開く。

そして、願いを答える前に一つ質問をした。


「このままの年齢で転生というのは可能ですか?」


ハルトの意外な問いに対し神は問い返した。


「それは可能だが、0からやり直さなくてもよいのか?お主ももういい歳であろう?記憶をそのままで赤子からやり直すことも可能だぞ?」


「ええ、特に変哲もないパッとしない人生でしたが、今までの人生に特に後悔はないので、このままで構いません」


まぁ俺ももう37歳だし、欲を言えば若いイケメンに生まれ変わりたいとか思わなくもないけれど。

流石にもう一度赤子からやり直すつもりもないし。

ぶっちゃけ中身おっさんの子供とか想像しただけで正直キツイ……。


「ふふ、そうか、良い人生を送ってきたのだな。わかった。では残り2つの願いは?」


神はハルトの答えを聞くと笑みを浮かべ、続けて残り2つの願いを確認した。


「常に健康でいられる強い体……というのは可能でしょうか?」


特に深い考えはなかったが、前世ではやたらと病気を受け入れやすい体質だったので、異世界で未知の変な病気にかかりたくはない。と思っての願いだった。


「わかった。健康な強い肉体を授けよう、して3つ目は?」


神は今度はすんなりと受け入れ、最後の願いを確認した。

転生者が良く挙げる願いだったのかもしれない。


……。

ハルトはしばらく考え込み最後の願いを答えた。


「そうですね……。《何もないところ》に行きたいです」


その要望を聞いて神は目を見開き動揺を見せた。

今まで幾人もの転生者を見届けてきたが、こんな願いをしてきた者は一人もいなかったからだ。

しかし、本人の願いは絶対。

本人の希望を曲げることは本意ではない。

だが、何もないところという願いに流石に戸惑った。


「本当に…《何もないところ》がよいのか…?」


願いを聞いた直後の神の様子に若干の違和感を覚えつつもハルトは続けた。


「はい、周りに《何もないところ》から第二の人生をスタートしてみたいです」


ハルトは周囲に何もない田舎や僻地で自然に囲まれて農耕で生計をたてて、のんびり暮らす新生活をイメージしながらそう答えた。

ハルトは第二の人生は自由気ままに自給自足でほのぼのスローライフを満喫するつもりだった。


「わかった……転生者の意思を通すのが絶対のルール。止めはせん。だが……命を無駄にするものではないぞ」


何やら覚悟を決めたような顔をし、そう言うと神は人差し指をハルトに向けた。

神の指先が光ったのち、ハルトの体もその光に包まれた。


「これは特例だぞ?他の神にも内緒だ。これでお主は日に三度だけ望むものを作り出すことが可能な創造神の加護の力を使えるようになった。この力をうまく使い転生後の人生を頑張ってみなさい」


ハルトはなぜ自分が神に心配されて特例の力までも与えられたのかよく分からなかった。


……異世界で自給自足って過酷なのか?

よくわからないが、便利な力を貰えたようなのでラッキー。と思い、それ以上は気に留めなかった。


次に神は杖を掲げてハルトを異世界へ送る準備を始めた。


「それではお主を新たな世界へ送るとしよう」


神が構えた杖の先から光が発せられ、ハルトの体を包んでいく。


「頑張るのじゃぞ」


真剣な表情の中に若干の不安を浮かべつつ神が頑張れと告げた。


「はい。色々とありがとうございます」


ハルトは神の表情と頑張れという言葉に違和感を感じたが、特に聞き返すこともなくそのまま礼を言って頭を下げた。


直後、ハルトの体を覆った光が強く輝き始め、新たな世界に転送されようとしていた。

そしてハルトが新たな世界に飛ばされる直前。神がこう言った。


「すぐに死なれても私も寝覚めが悪いのでな……。サービスとして人が暮らすのに最適な環境、それと空気と大地だけは存在する世界を用意した。あとは与えた力を使って何とかしてみなさい」


その言葉を聞きハルトは先ほどまで感じていた違和感も相まって確かな不安を感じた。


「あの――」


確認しようとしたが聞き返す間もなく、ハルトは新しい世界に転生を遂げた。


※以前書いていた作品を一部設定を変え、色々書き直して新たに1から書き始めました。

書き溜めていた分を読み返して誤字などを確認しつつ

4/11 15:00~ 10分置きに1話ずつ75話投稿予定です。

その後は徐々に更新したいと思っております。



少しでも面白いと思っていただけたら、評価を付けてもらえると励みになりますのでよろしくお願いします。

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