表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瀬戸陽子・高校生編(再投稿:シリーズ連載版)  作者: 瀬戸 陽子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/5

#05:文化祭の朝

高校生編の短編連作(再投稿)です。

2014年 秋


音楽室に裏口から入ると、朝の空気がまだ少し冷たかった。


昨日の声の残り香が、薄く漂っている。



軽音楽部の集合時間より少し早く着いた。


フルートケースを持ったまま、廊下を静かに歩く。


「陽子、おはよー。今日は楽しもうね」


その気配が、胸の奥に淡い色を付けた。


文化祭の開始まで、皆で軽く音を揃えていく。


少し遅れてきた人にも、自然と笑い声が向けられる。


「朝は流しだけでいいよ。

 本番でバテないようにね」


部長の声が、音楽室の空気を少し温かくした。


リハーサルが始まる。


音を合わせるというより、空気を確かめるような時間。


複雑な音がゆっくり重なり、彩っていく。



息をひとつ置いたとき、


「陽子、いつもよりイケてるじゃん。」


不意に声をかけられ、少しだけ瞬きをした。


自分がどう見えているのか、よく分からなかった。


音楽室の空気がまた少し温かくなった気がする。



文化祭の曲は、ただ楽しく吹けた。


指が自然に踊る。


「そろそろ時間だね。片付けして体育館に行こう」


皆がのんびりと後片付けをしながら、体育館へ向かう。


「陽子も一緒にクレープ食べようよ」


「……うん」


小さく返事をして、声の方に向かった。

次話:#06:秋晴れの残り香

2026/2/06 08:00に更新します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ