1人の少年
この世界には、人間と、妖怪が存在している。そして、妖怪の中には、様々な種類がある。その中でも、特に知られているのが「ヌシルワ」だ。「ヌシルワ」を倒すと、何でも願いが叶うとされている。存在しているのかさえわからない「ヌシルワ」。誰もが諦めていた。そんな中、1人の少年が、「ヌシルワ」を探しに旅へ出る!
「まっ待てーー!!」
明るい街並みに響く声。
そして、1人の少年の笑い声が響いた。
「待つもんか!この武器を使って、俺は将来、ぜってー『ヌシルワ』を倒してやるんだからな!」
彼の名前は、アーサー。将来、『ヌシルワ』を倒すと決めた男だ。これからもっと強くなって絶対に倒すと決めていたのだ。そこに、さっと黒い影が視界に入り、思わず避けようとしたが、間に合わなかった。
「イテッッ!?」
「ほら、言わんこっちゃない…」
誰かとぶつかったようだ。
「アーサー…?」
「ゲッ…」
コイツは俺の幼馴染のアリサだ。コイツに見つかると面倒くさい。俺はコイツが嫌いだ。
「朝から何してんのよ!?武器屋から武器盗むなんてサイテー。そんなんだから、皆が口聞いてくれなくなるんだよ?」
「うるせーな。別に、俺の事なんだから、関係ないだろ。」
アリサは口ごもった。しかし、ルールはルールだ。アリサは言った。
「と、とにかく!店長さんに謝りに行ってきて!!早く学校行くよ!」
「はーい…」
武器屋の店長に謝りに行った後、2人は妖怪学園に行った。妖怪学園には、妖魔達が通っている学園だ。アーサーは、鬼の妖魔だ。鬼の妖魔は、一度何かに執着してしまうと、執着したものを離せなくなってしまう妖魔だ。しかし、アーサーは、その面においてはよくわかっていないので、困ったことはなかった。むしろ、鬼の妖魔は、運動神経が抜群に良いので、逆にありがたかった。また、アリサとは、家が近いだけで、アリサ自身には興味が無かったし、そもそもそんな話をしたことがなかったので、アリサが何の妖魔なのか分からなかった。
そうこうしているうちに、妖怪学園に着いた。2人は、たまたま同じクラスだったので、同じクラスに入った。すると、男友達が、声を掛けてきた。
「おはよう。アーサー。今、お前の噂でクラスがざわついてるぞ。」
何の噂なのか聞こうとした時、突然、クラスの中からアリサの大声が聞こえた。
「だから!違うって!」
急に声色を変えた幼馴染の声にギョッとして、急いでアーサーはアリサの方に駆けつけた。
「どうかしたのか?」
よく見ると、アリサの顔が真っ赤になっている。
「やっぱり付き合ってるの?」
アリサの周りの女友達が、コソコソと噂話をしている。俺は、そんなことよりもアリサが熱があるんじゃないかと思い、急いでアリサをおんぶして保健室へと向かった。その時、初めてアーサーがアリサを知らぬうちに気遣っていた。
そんな、平和でポンコツな日常が毎日続くと思っていた。




