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第七話
「ま,この広いクランセイスで誰が見つかるかっつーの!」
フィリスが余裕の笑みを浮かべながら鼻歌交じりに自由を堪能しているまさにその時,フィリスの目が遠くの林の中の何かを捉えた。
キラリと光る星屑のような小さな光。
「?」
フィリスが再度確かめようと林の奥に目を凝らす。
しかしそこにはその光はもう無かった。
「流れ星?」
フィリスは余り気には留めずにすぐにまた鼻歌を歌いながら足を運ぶ。
しかし何か気になって三度目のチラ見。
何故か気になってしまうのだ。
「…なんでもないよな。」
フィリスは自分にそう言い聞かせると,知らず知らずの内に速くなった足取りにつられて城への道を歩いていった。
さっきまでは「何が何でも帰るか!」という気持ちだったのに今は何故か一刻も早く自分の家に帰りたかったのだ。
改行してみました!
読みやすくなれば幸いです☆