表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rura  作者: シイハ
5/33

第五話

「あらぁ~,フィリス君じゃない~っ。こんなお店に何か様?」


ルフィシャが引きつりまくりの笑顔でフィリスのほうに歩み寄る。


「今日も誰かさんとは違って優しいおじさんにご馳走してもらおうと思って。朝ごはん食べずに家出てきたから腹へってさ。おじさん,パンケーキ頂戴ー」


ルフィシャは必死に目で父にやめてやめてとアピールするが,人のいい父のことだ。


そのルフィシャを無視して厨房から出来立てのホットケーキをフィリスのほうに差し出した。


ほかほかと白い湯気と共にメープルシロップのいい香りがフィリスの肺一杯に広がった。


「いただきまーすっ!」


ルフィシャをあざ笑うかのように黙々と食べ続けるフィリス。


ルフィシャは一発かましてやりたい気持ちを必死に押し殺していた。


それからフィリスはぺろりとホットケーキ3枚を当然のように平らげ,店を出て行った。


ルフィシャはその背中を恨めしそうにじっと見つめながら明日こそは絶対に追い出してやる!と意思を固めた。


そしてひとまずその事は忘れ,「ご注文をお伺いいたします」といつもの0円スマイルでウェイトレスの仕事に戻った。



「ふー,食った食った。」


フィリスはとりあえず満たされたお腹をさすりながら収穫祭の準備でにぎわう商店街をのんびり歩いていた。


家である城に帰る気はさらさら無かった。


城に帰っても朝から晩まで帝王学の勉強ばかりで退屈すぎて死にそうだからだ。


かといって帝王学の教師もただ指をくわえてフィリスの帰りをじっと待っているわけではない。


いつも10:00を過ぎると城からフィリスを連れ戻しにやってくる。


何故10:00なのかと言うと,いつも9:30~10:00にかけて“ウサ耳探偵もえぴょん☆”という番組が放送されている為,その人はそれを毎日見逃すまいと観賞している。


いわゆる“オタク”なのだが意外とその素顔はフィリス以外の人間は知らなかったりする。

あと45分でおやつの時間だ…

って言っても私、おやつ全然食べないんですけどね☆

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ