第四話
「いらっしゃいませーっ!」
さっきまでのフィリスとの対話が嘘のように0円スマイルを浮かべたルフィシャは,再度進入してきたフィリスには気付かずに居た。
両手にプラスチックに乗せたサービスのお冷をほぼ満員のテーブルにスマイルと共に送り届ける。
さっきまでは私服姿だったのに,いつの間にか白と青のチェック柄のエプロンを巻いていた。
フィリスがそんなルフィシャの目をぬってこっそりとカウンター席に回りこむ。
そしてそこでエスプレッソをひいていたルフィシャの父のまん前の席によっ,と座ると「おじさん!」とやや小声でルフィシャの父に自分の存在をさり気なくアピールする。
銀髪の,人柄の良さそうなルフィシャの父の濃い紫の瞳がフィリスに向けられる。
そしてうっかり「フィリス君!」と大声をあげてしまった。普通は王子の名前を聞いた者はそれなりの反応があるはずなのだが,何故か皆それぞれのお喋りをとめる気配は全く無い。
中にはフィリスをチラリと横目で見る者が居たが,「あぁ,人違いか」とでも言うように視線をお冷に戻した。
それもそのはず,王族や貴族は皆例外なく金髪の為,誰が見てもすぐに分かる。
しかしフィリスは王族にも関わらず黒髪,(もちろん意図的に染髪しているのだが)ただの同名さんと思ってしまうのである。
しかも次期国王後継者がこんな所にフラフラ出てくるはずが無いのだ。
しかし例外にもその正体に気が付く者がいた。言うまでも無い,ルフィシャだ。
その顔は笑顔のものの,少々口角がひくひくっと引きつっていて「さっさと帰れ」と顔に書いてあるようだった。(少なくともフィリスにはそう見えた)
下手だ~っ!!
誰か文章力と構成力が上がるアドバイスをくださいっ!!!