第三話
「って~っ!」
フィリスがよろよろと後退し,王族特有の瑠璃色の瞳を涙ぐませながら鼻をおさえる。
フィリスの高い鼻には真っ赤なこぶしの痕が残っていた。
「何がって~よっ!ウチの父さんがイイ人なのをいいことに,毎日すき放題食べて!!いつかそのツケきっちりと払ってもらうからね,!!」
ルフィシャがわんわんとフィリスに喚き散らす。
フィリスは迷惑そうに顔を歪ませながら両手の人差し指を耳の穴に突っ込んでルフィシャの声をシャットアウトしていた。
それに気が付いたルフィシャはフィリスの側まで駆け寄り,右手を強引に耳から引っぺがすと
「分かったわねぇっっ!!!」
と大声で叫んだ。フィリスは頭の中で大きなスピーカーが鳴ったかと思うほどの大声にフラフラと後ろに倒れた。
まだ耳の奥でキ――――ンと鋭い音が鳴り響いている。
ルフィシャはそんなフィリスの襟ぐりを引っつかむと,店の入り口からまるでドラ猫を追い出すかのようにフィリスを締め出し,ガチャリ!と店のドアを閉めた。
その反動で“CLOSET”の小さな木のカードが“OPEN”にひっくり返る。
フィリスはようやく復活し,懲りずにまたO・PEALの店内に順番待ちをしていた大勢の人々に紛れて入っていった。
ルフィシャの父が居ることをちゃっかりと確認してから。
ども。
この頃勉強がかなり難しくなり,(特に数学)やばいです…
ほんとはこんなことしてる場合じゃなかったりするんですけどね,どうもやめられません(汗)