第25話
「…ここは…まだ夢の中なのか?まだ…ルキトが…居るのか?」
冷気を纏った濃霧の中,真っ白な空間の中でハルトはただ純粋にこのまま過去の現実に浸りたいと…そう思いかけていた。
何故なら…ルキトはもう...
そう思いかけてハルトは胸の前で手を硬く組んだ。
胸がはちきれそうで 痛くて 思い出したくない…だけどこの思い出は自分の手が届かない位に深く食いこんでいて…
どんなに時が流れようと,この時は永遠に凍りついたまま
どんなに忘れようとしたって,忘れられない
どんなに他の思い出が消えて行こうと,この時は私が消えるまで決して消えない
この時は強く 強く 強く ハルトの心に突き刺さっていた。
「過去の思い出にすがるほど…私は弱くなったのかもしれない。どれだけ剣術を磨いても,どれだけ強い心を持とうとしても,私の中にはお前が居るんだ…」
ふわりと暖かな風が吹き,ハルトの体を撫でていく。
すると濃霧が徐々に晴れ,ハルトはまた,過去の上空に浮かんでいた。
まるで自分の記憶をそのまま映像にしたような風景に,ハルトは瞬間切なくなった。
―――でももう少し このままで居たい――――
ハルトはその思いに押し流され,胸の前で結んでいた手をゆっくりと解いた。
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何か読み返してみて意味不明な文になってしまいましたかな?
…ってかフィリス君この頃出てきてないね。ってかここドコ?