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黄昏の魔子  作者: 四季織姫


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スタンピード part2

 タルタロスからの緊急連絡が入った僕は戦いの終わった二人に近づいていく。

「二人ともお疲れのところ悪いけど、ルナ達の方に何かあったようだ。」

「嘘だろ、あの三人が負けたのか?」

「それはわからないが三人だけでは解決できない問題だったと言うことだろう。」

「それは大変です。すぐ向かうです?」

「ああ、そうした方がいいよな。」

「うん、すぐ移動しよう。」

 僕らは飛行魔法で東に向かう。

 目下には天田の戦場が広がっている。

 僕らは心の中で謝りながら無視して進む。

 それからしばらく空を飛び続けていく。

 すると、視界に四つの人型が現れた。

 四つの人影のうち、三つはわかる。

 ルナ、メルル、タルタロスだろう。

 三人は固まっており、二人は地面に倒れており、その二人を庇うように片足を立てている。

 僕ら三人はルナ達の隣に降り立つ。

「タルタロス、大丈夫か?二人はどうした?」

「祈里様、お二人は無事です。かすり傷程度でしょう。」

「お前が守ってくれたのか?ありがとうな。」

「いえ、もったいないお言葉です。」

「で、あいつはなんだ?歪な姿をしているが?」

 目の前に立っている青年のような姿をした何かは黒翼を持ち、尋常ではない魔力を有している。

「あいつが件の魔神です。」

 そこで、目の前の魔神が口をひらく。

「また、新しいやつがやって来たな。お前がそこの魔人の主人か?」

「そうだったらなんだ?」

「俺の名は『希望』ラスト・ディザイア。この世界を支配する王たる魔神だ。」

「王だの、魔神だの、忙しいやつだな。それにお前なんかに支配されるほどこの世界は安っぽくないぞ。」

「祈里様、あんま挑発しちゃダメですって。無茶苦茶強いんですよ。」

「そこの魔人はよくわかっているじゃないか。」

 明らかにタルタロスはビビっているが僕は恐れの一つも感じない。

 と言うよりも、僕のことを切り札なんて言っておいて僕のことを信用していないんだな、こいつは。

「どうでもいい。今ここにあるのは貴様が僕に負けるという未来だけだが?」

「ほう、言ってくれるじゃないか。俺に勝つと?」

「ああ、もちろん。」

「さっきもそこの魔人が同じようなことをほざいていたが果たしてそれほどの実力がお前にあるのかな?」

「そうなのか?そんなことを話していたのか?タルタロス。」

「ええまぁ、そんな感じのことは話しましたね。」

「聞かせろ。」

「え、今ここでですか?」

「いいだろ?魔神さんや。」

「別に構わんよ。どうせ、お前が死ぬ時が遅れるだけだ。」

「ふん、言ってろよ。」

「では、時間は三十分ほど前に戻ります。」

 そう言って、タルタロスは語り始めた。


 我々は祈里様の言う通りに三人で北東の魔力源に向かいました。

 そこにいたのは巨大な魔物の大群とそれを率いる目の前のそいつでした。

「なんだ、ようやく屠る相手がやって来たと思ったらたったの三人か。つまらんな。」

 魔神がそう言いました。

 なぜ魔神だとわかったかというと、その時纏っていた魔力というかオーラが異質だったからです。

 ルナとメルルは完全にその威圧感に飲まれていました。

「なんだ、三人いてもまともでいられるのは一人だけか。というよりも、お前は魔人だな?なぜ人の味方をしている。」

「俺はすでに主人を得た。それがたまたま人間だっただけだ。」

「そうか、じゃあ死ね。」

 そう魔神が口にすると、周りの魔物達が一斉に動き出したんです。

 その瞬間、ルナとメルルも意識を取り戻して、魔物に応戦したんです。

 それからは祈里様が来る寸前まで戦っていました。

 ルナもメルルも魔人の俺が見てもなかなかの実力で、十数体、いや何十体も魔物を駆逐していきました。

 ただ、ルナもメルルも最後の一匹に気絶させられました。

 かなりの強敵で俺も苦戦しました。

 ついに俺も片足をついてしまった時にそこの魔神が俺に言ったんです。

「今の主人を捨てて俺の元に来ないか?俺と一緒にこの世界を支配しよう。せっかく、同類に会えたんだ。仲良くしよう。お前だってこんなところで死にたくは無いだろう?」

「せいぜい笑え、そして自覚することなく我が主人の前で死ね。」

 そのまま、俺は魔物の首を断頭しました。

「貴様…やるなぁ。」

 魔神は笑っていました。

 それから、すぐ、祈里様が来ました。

 あとはご存知の通りです。


 とのことだった。

 なんかすごくかっこいいこと言ってたんだなぁ、なんて考えてしまった。

「ああ、終わったか?なら始めようじゃないか。」

「ああ、刀弥、アルル、二人を守ってやってくれ。」

「おう、了解だ。」

「わかったです。」

 二人はルナ達を守るように結界をはった。

「タルタロス、あれをやるぞ。」

「はいな。」

 そういうと、タルタロスは僕に宿る。

 こうなることで魔力制御が上手くなり、二重詠唱ができるようになる。

「準備はできたか?」

「ああ、待っていてくれたのか?」

「戦いは楽しくなければいけないからな。そのためにはいくらでも待つさ。そういえば、名を聞き忘れていたな。」

「初世祈里だ。」

 こいつはどれほど好戦的な存在なのだろうか?

 だが、今はそんなことがどうでもいいほど闘いに疼いている。


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