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黄昏の魔子  作者: 四季織姫


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作戦会議

 そこからの一週間は激動の時間だった。

 黄昏による教育はとても辛いものだった。

 自分が何者にもなれることを散々叩き込まれた。

 これから戦争だと言うのにこちらの精神を片っ端から叩き潰してくる。

 ただ、明らかに自分が強くなっていくことを感じた。

 それはみんなも感じていたのだろう。

 苦しい教育だったがみんなの顔は心地の良いものだった。

「ほらほら、みんなこんなものかい?まったく、十人以上を一斉に相手していると言うのに二人しかろくに攻撃を当てられないなんてこんなんじゃ魔物相手に生きて帰れないぞ。もっとしっかりしないと。」

「「「はい。」」」

 黄昏の教育は毎日、朝から晩まで続いた。

 それこそ、授業も休講して行われた。

 僕とルナは黄昏の言うように何度か攻撃を当てられたが他のみんなは全て回避されていた。

 僕らの攻撃も当たりはするが効果があるとは思えない。

 と言うのも、一週間ほど前のナーシャとの戦いの時のような、タルタロスとの戦いのような実力が思うように出せない。

 それが心の中で大きなしこりになっている。


 黄昏の教育が始まると同時にスタンピードに対する対策本部が設営された。

 これは作戦立案を主とする会議の場だった。

 僕ら、魔法学園の星持ちの生徒も参加を促された。

 この会議には僕らと魔女、冒険者協会、魔法協会、協会の実力者が集まっていた。

 何やらナーシャが言うには魔法協会の上層部は重い腰はあげたのだがこう言った場には出てくる気がないらしい。

 実際の行動は下の人間に任せる方針らしい。

「それで魔女さんたちよ、俺らを呼んでどうするんだ?」

「言っただろう、作戦会議だと。」

「それはそうだが、対策など取れるものなのか?一体どれほどの軍勢がやってくるのかを知らないわけだが。」

 冒険者、黄昏、魔法協会職員が順番に喋る。

「それは、タルタロスに聞くのが一番だろうな。」

「タルタロス?ああ、この前現れたと言う魔人か。」

「ああ、連れてきたよね?祈里。」

「はい、ここに。」

「ここにって、どこだ?」

 みんなに見えないのも仕方がない。

 この前の騒動の後、タルタロスがあのままの姿でいると周りの人間に迷惑がかかると重い姿を変えさせた。

 と言うよりも僕の影の中に隠れるようにお願いしたのであった。

「タルタロス、出てきてくれ。」

「はいな。」

 そこで魔女を含めた全員の表情が固まった。

「それが魔人ですかい?聞いていた風貌とは全く違うようですが。」

「そりゃ、私たちが知っている姿とも違うからね。これはどういうことかな?祈里。」

「俗社会に馴染むには姿はどうかと思ったので化けていただきました。可愛くないですか?」

「可愛いは可愛いが。なんとも言い難いな。」

 どうやら、みんなの反応は良くないようだ。

「まぁ、いいか。で、タルタロス、どうなんだ?」

「そうですねぇ、およそ三十万といったところでしょうか。」

「三十万、嘘だろ。勝てるわけがない。」

「普段、相手にしている魔物ですら百や二百だぞ、単純計算で三千倍だぞ。」

「狼狽えるな。私たちの後ろに守るべき民がいる以上、ここで我々が怖気付くわけにはいかないだろう。」

「くっ、それもそうだな。それに子供達がいる前でこんな無様を晒しているわけにはいかないな。君達もすまなかった。」

 ここで、タルタロスが希望の声を上げた。

「皆さんや、安心してくだせぇ。ここにいる祈里様は魔神に対してとても有効な切り札になりやす。」

「は?」

 僕は何を言われているのかが分からなかった。

 それは僕だけではなかったようで、

「何を言っている?祈里はまだ子供だぞ。」

「それに実力も星一つの一年生なのだろう?」

 その言葉に対して、タルタロスは、

「ええ、ですが祈里様の持つ御業は我々魔人のような魔力で形成される存在にも有効なのです。」

「それはまるで我々の攻撃は効かないように聞こえるのだが?」

「そうなのですよ。我々には魔法や魔術は効きません。」

「そんなやつ、どうやって敵を倒すんだよ。」

「そうだよ、そんなの無敵じゃないか?」

 皆が一斉に騒ぎ出す。

「騒がしいぞ、少し黙れ。」

 黄昏が一喝する。

「ならば、祈里君には遊撃をさせた方がいいだろうね。」

「遊撃ですか?それは一体?」

「戦場を自由に回って、味方の援護と敵の掃討をする係だね。」

「了解です。僕、一人だけですか?」

「いいえ、班で行動してもらうかな?」

「班は自分で決めてもいいんでしょうか?」

「いいんじゃない?ね?」

「そうだね、君の調子維持のためにもそれがいいんじゃないかな?」

 魔女のみんなが頷いてくれる。

 それに呼応してここに集まるみんなも頷いてくれる。

「それじゃあ、申し訳ないけど魔神への切り札は祈里にお願いするわね。」

「はい。」

「それから、陣形について話そうか。」

「そうですね。」

「陣形ですか?黄昏は一体どんな配置を考えているんですか?」

「そうだな、具体的なことは置いといて基本的なことだけ考えておこうか。前衛に冒険者協会と魔法協会の職員、中衛に魔法学園の生徒、後衛には教会と治癒院の回復要員を置くことにしよう。」

「いいのではないですか?」

「うんうん、良いんじゃない?」


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