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黄昏の魔子  作者: 四季織姫


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16/27

現代旅行

 そんなうち、現代旅行の時期になった。

 現代旅行とは文字通り現代の街を観光するのである。

 行き先は日本である。

 と言っても、もちろん日本には行き先がいろいろあるので、各班によってその行先はそれぞれである。

 我々の行き先は京都である。

 京都といえば僕の出身地である。

 とは言っても、もう何かあるような状態ではないのだが。

 家族と言えるような存在もいないし。

 まぁ、一つだけ未だ忘れられないことがあるわけだが。

 ここにきた原因とも言えるだろう。

 なんて、堅苦しいことは無しにしよう。

 なんたって、楽しい旅行なのだから。


 さて、今は京都駅のホームの外にいます。

 たくさんの人混みの中、集合を待っていた。

 駅といっても電車に乗ってやってくるわけじゃない。

 そこら辺の扉から僕らは出てくるのだった。

 そして、全員が集まったので行動を開始する。

 行き先は八坂神社と清水寺。

 まず、八坂神社に行って、縁結びや厄除けのご利益を受ける。

 八坂神社ではアルルとメルルが刀弥を連れて、さっさと行ってしまうので、僕はルナと一緒に静かにお参りした。

 そのあとは、お守りやおみくじを買ったりした。

 神社を降りると水が湧き出ていた。

 その水を肌につける。

 この水は美容水と呼ばれているらしい。

 そういう話題にはアルルやメルル、ルナたちが興味を示した。

 さすがは女の子だ。

 さてさて、買うものも買ったし次の目的地に行こうとするか。

 次の目的地は清水寺だ。

 清水寺ではお参りをし、清水の舞台から飛び降りる。

 なんて事はなく、ただただいい眺めをご覧あれって感じである。

 刀弥なんかは飛び降りたそうだったけどね。

 確かに舞台からの景色は絶景かな絶景かな。

 清水寺での参拝はこれくらいにして帰り道に降りる。

 行き先は産寧坂、いわく三年坂とも呼ばれているらしいが僕にはよくわからない。

 産寧坂では黄昏のためにお土産を買うことにしよう。

 普段はあんな態度をしているがまぁお世話になっているのでせっかくだしお土産ぐらいは買って行こうかな。

 その後、先斗町の茶屋に向かって足を進めた。

 その時、目の先にある人物を捉えた。

 そして僕はいきなり目の前が真っ暗になってしまった。

 次に目を覚ました時には畳床の上に横になっていた。

 しかし、僕の頭は畳についていなかった。

 僕の頭はルナの太ももの上に置かれていた。

「ルナ?これはどういうこと?」

「あ、起きた?祈里君。君、急に倒れちゃったんだよ。」

「らしいね。あの時は確か。」

「何かあったのか?」

 その時、後ろから黄昏の声がする。

「黄昏、居たんですか?」

「ひどい言い草だね。君が倒れたというからすぐにやって来たんじゃないか。で?結局何があったんだ?」

「ある男を見つけた。黄昏は知っている人だよ。」

「その人は誰なの?」

「如月連夜。この日本で暗躍している大物だよ。」

「へぇ、そんなすごい人なの?で、それで祈里君となんの関係があるの?」

「ほんの数ヶ月前にね、半殺しにされた仲だよ。」

 そういうとみんながゾッとした顔をする。

「半殺しって何があったの?」

「さぁ、ある時急に命を狙われ始めちゃってね。」

「そうなの?」

「ホワイトはその話に興味があるかい?」

 そこで黄昏が質問する。

「ええ、まぁ、興味はあります。」

「なら、私が語ってあげよう。まず、祈里はね、当然だが魔力適性がある。それはわかるね。」

「ええ、わかります。」

 それは当然だろう。

 なんたって、魔法学園に通っているのだから。

「この現代において魔法や魔術という文化は衰退している。だが、魔法などは当然強力な技術だ。なので、このことを知っている人間も未だ現代に存在する。そのうちの一人が如月家の人間だ。」

「それで魔力を持っている祈里君を狙っていたんですね。でも、そうなると命を狙う理由がよくわかりませんが。」

「というと?」

「だってそうじゃないですか。殺すぐらいなら捕まえて研究材料としてでも使えばいいじゃないですか。」

「ああ、だからか。」

 僕はそう一言告げる。

「だからというと?何かあったの?祈里君。」

「ああ、元々、僕は捕まっていたんだよ。そこから逃げ出したから口封じのために殺されかけたんだよ。」

「それで、半殺しに。」

「まぁ、半殺し半殺し言っているが半殺しなんて生やさしいものじゃなかったがね。」

 そこで僕の現状というか、あの時の状況を知っている黄昏が語っている。

 命懸けの状況であったが、まぁ僕はその時のことをあんまり覚えていない。

 そういえばと、思い出しルナの膝枕から起き上がりあぐらを描く。

「そして、残念なお知らせだよ。」

 黄昏が何かを言い出す。

 いきなりなんなのだろうか?

「如月連夜がこちらの動きに気づいた。このままだとこちらを攻めにくるだろうな。今すぐ学園に逃げてもいいがどうする?」

「どうするって言われても。」

「下手に向こうに逃げ出すとあの世界のことがバレてしまう。それだけは何としても避けなければいけない。」

 確かにバレるのはまずいか。

「じゃあ、どうするんですか?」

「ん、徹底抗戦だ。戦争だね。」

「戦争って僕ら魔法使ってもいいんですか?」

「殺さない程度にね。相手の足を封じる程度にしなさい。」

そりゃそうか。

下手に殺すと証拠が残ってしまうし、魔法というものが一般人にばれる危険がある。

「俺がやりましょうか?俺の刀で峰打ちをすれば死人を出さずに終わらせられると思うのですけど。」

「それは確かにそうだな。それで行こう。前線は武術のできる祈里と刀弥の二人でやってもらおう。残りは吹き飛ばすなり行動を止めるなりして二人のサポートに回ってくれたまえ。」

『了解』

 各自、行動を開始した。


 夜も更けて来た頃、僕らのいる茶屋にたくさんの人間が入ってくる音がする。

 バンっと音を立てて襖が開け放たられる。

 そこで彼らは「はぁ?」と間抜けな声を漏らしている。

 まぁ、当然だろう、そこには布団が敷かれているだけで誰一人人間が居なかったのだから。

 アホ面を晒しに晒している彼らの後ろを取り、押入れの襖を開けアルルとメルルが、ルナが入り口の襖を開けて突入する。

 魔法などを使い、敵を拘束していく。

「氷華陣」

「風縛帝」

「水縄」

 しかし、一人ずつの拘束だったので全員の動きを止めるのには時間がかかる。

 未だ動ける人間が腰に差し込んだ刀を抜き、彼女らの方へ向かってくる。

 その時、窓の外から二人の人間が割り込んできた。

 二人とは僕と刀弥のことである。

 二人はロープを使い、屋根から飛び込んできたのであった。

 刀弥は刀を抜き、彼女らに襲い掛かろうとしていた男と対峙する。

「水影波紋流 抜刀術 一虎爪」

僕は他の男たちをバッタバッタと投げ飛ばしていく。

 十分を過ぎる頃にはすでに賊は拘束されているか、投げ飛ばされているか、刀の錆になっているかであった。

 そのあとは、彼らを尋問し敵のアジトを探し出した。

 敵の本拠地は埋立地の倉庫であった。

 金持ちの本拠地がこんな小汚い場所だったとは。

 普通はそんなこと思わないじゃん。

 僕らはきちんと横開きの扉をノックし、入室する。

 その後は襲いかかってきた悪漢どもを刀弥がバッタバッタと薙ぎ倒していく。

 刀弥は、水影波紋流の技を何度も放っていく。

 そんな中でも一番かっこよかったのは「双頭竜尾」という左右斜めから入る二連撃と最後に縦の振り下ろしによる計三連撃の抜刀術であった。

 戦いの灯火は今この時、刀弥によってかき消されたのであった。

 すでに、ここに残ったのは如月連夜、ただ一人であった。

「ま、待ってくれ。もう初世の一族のことは追いかけたりしない。魔法のことからも手を引くから命だけは、命だけは助けてくれ。」

「今までのお前の悪虐を聞いた限りでは信用できないだろ、もうお前は終わりなんだよ。あばよ。」

 そう言って、刀弥は刀を振り下ろす。

 しかし、その刀は如月連夜を断ち切ることはなかった。

 薄皮一枚切り、大地にぶつかる音がした。

 如月連夜は完全に気絶している。

 これで事件は完全に解決した。

 後の処理は黄昏がなんとかしてくれた。

 聞いた話では如月連夜は警察の知り合いに引き渡されたらしい。

 あの人は一体どれほど顔が広いのだろか。

 そんなこんなで、僕らの現代旅行は終了した。


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