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プロローグ

ミコトの旅。ここはどこだろう・・・・

刀だ。

刀が一本刺さっている。地面にではない。

人にだ。

よく見れば、その原っぱには沢山の死体の山だ。

どうやら、ここでも戦があったらしい。


死の世界・・・・

誰も動くものはいない。


いや?音だ・・・風の音ではない。草を踏む音・・・

誰かがこの原っぱを通ろうとしている。


ぐうぅぅぅぅぅ・・・・

聞こえてきたのは足音だけではなかった。腹の虫の音だ。


「あぁ・・・腹減ったなぁ・・・」


その男はやかましい腹を押さえている。

歳はそう・・・二十を越えた辺りか・・・着物の隙間から包帯が見える・・・

怪我でもしているのだろうか・・・・


男は倒れている死体に目をやった。

ここでいつ戦があったのだろう。死体はだいぶ崩れ、獣に食いちぎられた痕もある。

その死体の横で男はしゃがむ。


「あの・・・すみません・・・この辺りに人里はないでしょうか?」


男は死体に話しかけた。 死体は当然何も答えない・・・

いや待て・・・男は死体の方を向いていない・・・

花だ・・・花に話しかけている・・・・

死体の横には戦の雑踏にも負けず名前も無い花が元気に天に向かって咲いていた。

その花に男は話しかけているのだ。

かすかに花が揺れたような気がした。


「え? ああ、あの山の向こうに? ああ成る程・・・ありがとうございます・・・」


男は立ち上がり、太陽の光が目に入らないよう右手でさえぎり”あの山”を見た。

ふと振り返る。またさっきの花を見た。


「え?  ・・・・ああ・・・・」


男はその・・・戦で死体だらけの死の原っぱを見渡した。


「本当に・・・・人間はまだまだ愚かですね・・・」


悲しそうな目をして男は、その名も無い花に軽く会釈をし山の方に歩いていった。



彼はいったいどこから来てどこへ行くのか・・・・

そして彼の通った後に何が起こるのか・・・・

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