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暗黒大陸に追放されたら前いた大陸が沈没し始めたけどもう知らん

作者: 鏡銀鉢

「レイト、貴様は国外追放処分とする」


 陛下の言葉に、俺は「またか」という呆れた感想を浮かんだ。


 これでもう、30以上の国を追放されてしまった。


 ここまでくると、最早通例だ。


 陛下と大臣、それに諸侯の貴族たちは口々に俺を罵ってくる。


 内容はこれまた代わり映えしないもので、この大陸の人間の思考回路は一種類しかないのかと思ってしまう。


「これでも結構お役に立ってきたと思うんですがね。たとえば先週のスタンピード、数千のモンスターが王都に攻め寄せてきたのを食い止めましたし」

「平民出身の分際ででしゃばるな! あれは軍事最高責任者である元帥たる私の仕事だ! そもそもあの程度の雑魚モンスター、貴様でなくとも止められるわ!」


 ――結構な高レベルモンスターも混ざっていたし何万もいましたけど?


「農業改革をして、食料生産率を五割増しにしたのも俺ですよね?」

「農業顧問でもないくせに偉そうに! そうして領民の支持を得て自身が各地の領主に成り代わり領地を乗っ取るつもりなのだろう! 卑しい平民が考えそうなことだ!」


 ――農民に重税を課して暴動寸前だったのを俺が止めてやったんだろ?


「経済政策を成功させて好景気にしたのは?」

「あれは経済大臣である私のアイディアだ! どうせ我が執務室に忍び込んで計画書を盗んだのだろう! 平民のごときにあのような大胆かつ精細な政策が思いつくわけがない! それが盗んだ証拠だ!」


 ――名ばかり大臣で自国通貨安と自国通貨高の意味も知らないくせに。


「これで自身の悪行がわかったか! そうやって貴様は平民の分際で己のが卑しい出世欲と支配欲を満たすために他者を害し秩序を乱した! その罪は万死に値する! だが、だが、私の度量は底無しだ。命だけは助けてやろう。しかし、もはやこの地にはおいておけん!」


 ――はいはい、またお決まりのパターンか。


 聞き飽きた台詞に辟易しながらも、俺は口を返した。


「お言葉ですが、俺はこの大陸の他の国もあらかた追放処分済みでして。追放は構いませんがどこに? 受け入れ先はあるのですか?」


 俺の言葉に、陛下はニヤリと笑った。


「安心しろ、貴様の追放先は決まっている。ここから西の海を越えた遥か先に、暗黒大陸と呼ばれる地があるのは知っていよう?」


「はい。モンスターはこの大陸よりも強く、先住民族は好戦的な戦闘民族ぞろいとか。まさか陛下、俺をそこに?」


「そうだ。ろくに身分制度もない、未開の最果ての地なら平民の貴様でも生きていけるだろう。これは私の最大限の恩情と知れ!」


 ――まさか国外どころか大陸外追放かよ。


 いくらなんでも、それは勘弁してほしい。


 別の大陸となれば、大陸共通マナーや習慣が何も通じない。それに、暗黒大陸の人たちからすれば俺はよそ者中のよそ者だ。


 受け入れてもらえるかどうかも怪しいものだ。

 どこか辺境の地でもいいから、せめてこの大陸にはとどまらせてほしい。


「話は以上だ、さっさと出ていけ!」


 俺が口を開く前、機先を制するように、衛兵が俺の体を左右から担ぎ上げてきた。

 そのまま、謁見の間から外の廊下に放り出された。


「ちょっ」


 目の前で門が閉じると、俺は床に座り込んで深いため息をついた。


 ――やれやれ、神様もとんだジョブをくれたもんだ。


 【ジョブ】とは、全ての人間が神様から授かる特殊能力のことだ。

 たとえば、【剣士ジョブ】なら経験に関係なく一人前の剣士並の剣術が扱えるようになるし、【運び屋ジョブ】なら、大量の物質を異空間に収納できる能力や、乗り物を自由に操縦できる能力、どんな悪路でも平地のように走れる能力が身に着く。


 その中でも、俺のジョブは【ガチャマスター】という規格外のものだった。


 一分に一度、ジョブがランダムに手に入るこの能力で俺は毎日1500のジョブを手に入れることができた。


 まさにあらゆるジョブを一人で手にする万能ジョブ。


 しかも、とある秘密の使い方をすれば、世界を変えることもできる。


 これがあれば、俺は勝ち組になれると信じていた。


 けれどその期待は裏切られた。


 厳密な身分制度が布かれたこの大陸では、実力よりも身分が優先される。


 有能な平民は使い潰されたり飼い殺しにされ、手柄全て無能な貴族のものとなり出世する。


 そんなことが、どこの国でも横行している。

 それを良しとせず、俺は常に声を上げ続けていた。

 結果、邪魔者扱いされ、俺はいつも追放されていた。


 ――黙って言うことを聞いていれば良かったのか? いや、貴族の道具として使い潰されるなんてまっぴらだ。


 厭味ったらしい声が聞こえてきたのは、俺が力無く立ち上がった時だった。


「はんっ、いい気味ね、レイト」


 声の主は、この国の第一王女だった。


 容姿こそ美しいが、性根は例にもれず醜い。むしろ、王侯貴族の模範とも言うべき醜悪さだ。


 昨日、場内で起きた窃盗事件の罪を無実の使用人に被せてその場で死刑にしたらしく、俺がそのことを注意するといたく機嫌を損ねていた。


 そして昨日の今日でこれだ。

俺の追放処分の引き金を引いたのは、王女かもしれない。


「あんた、あの暗黒大陸に追放されるんだってね。まっ、このあたしに逆らったんだから当然よね!」

かもではなく決定だった。

「あんたもバカよねぇ、平民のくせに王族と貴族の機嫌損ねるなんて。黙って従っていれば楽に生きられるのにそんなこともわからないの? あ、そっか、平民はバカだからわからないか、だって平民だもんねぇ!」

「…………」


 もう相手にするのも嫌だったので、俺は何も言わず、その場をあとにした。


「何も言い返せないなんて無様ね。まっ、あたしは正論しか言っていないし、論破できるわけないわよね! あ、それと引っ越し準備はいらないわよ。あんたの部屋の荷物はあんたが呼び出されている間に処分させておいたから! あんたの荷物を焼いて用意したステーキはおいしく食べてあげるから感謝しなさいよ! 最後にあたしの役に立てて良かったわね! オーホッホッホッ!」


 その喋り方をする人を始めてみた気がしながら、俺は城を出て行った。

 城門をくぐり、外に出ると、大勢の民衆が集まっていた。

 みんな、俺の働きで生活が改善した人たちだ。

 なのに、その顔には侮蔑と嘲笑が入り混じっている。


「全部聞いたぞこの悪党め!」

「自分が貴族になるためにオレらを利用したんだってな!」

「スタンピードはお前が起こしたって聞いたぞ!」

「自作自演で英雄気取りとはいいご身分だな!」

「人のアイディアを盗んだ盗作野郎はこの大陸から出ていけ!」

「最初から胡散臭いと思っていたんだ! くたばれ詐欺師!」

「そもそもお前みたいな若造が成功するはずなんてないんだ!」


 口々に俺を罵りながら、次々石を投げてくる。


 平民は貴族に虐げられている。


 かといって、平民が哀れなる無辜の民、というわけでもない。


 平民は平民で、より弱い者を見つけ虐げているのだ。

 平民同士で容姿や能力、経済力で差別し、弾圧する。

 そして底辺層は成功者を妬み、妬んだ相手が転落することを至上の喜びとする。


 成功者に根も葉もないスキャンダル話が持ち上がると、途端に正義面被害者面をして批判するのだ。


 これがこの大陸の民度。


 大陸中のあらゆる国を巡って俺が体験してきた現実。


 昔、人間なんて古今東西みんな同じだ、という言葉を聞いた。


 それは、人は皆平等に感情を持つ尊い存在という意味の言葉だけれど、俺は思った。


 人の醜さは古今東西、どこも変わらないのだ。


 そう思えば、むしろ大陸を追放されるのは悪くないかもしれない。


 こことは違う歴史、文化を持つ大陸なら、少しはまともかもしれない。


 そんな一縷の望みを託して、俺は空を飛んだ。


 民衆が驚きの声を上げた。


 全身に石をぶつけられてなお無傷の俺は、遠く西の空を望んだ。


 遥か水平線の先に待つであろう自身の未来を案じながら、俺は加速した。


 音速を超え、体にベイパーコーンと言う白い傘のようなものをまといながらなおも俺は加速した。


 地上が一瞬で背後に流れ消えて、頭上は空の、眼下の海の青一色の世界を切り裂くように飛び続け思う。


 ――次こそは、追放されませんように。


 その数時間後、観測史上最大の地殻変動が大陸銃を襲ったのだが、俺がそのことを知るのはずっと先のことだった。



   ◆



「いやぁー、まさか暗黒大陸について早々、襲われるとは思わなかったなぁ」


 眼下に広がる広大な赤を見下ろしながら、俺は乾いた笑いを漏らした。


「しかも、リヴァイアサンに……」


 赤いウロコを持つ、全長1キロメートルの海龍、リヴァイアサン。

 それは海の王とも呼ばれ、生態系の頂点に君臨する一角だ。


 もっとも、その海王様は俺の雷撃魔法で死体になった。


 上空10メートルの位置に浮かびながら、俺はリヴァイアサンの巨体をアイテムボックスの中に収納した。


 リヴァイアサンのウロコは一枚で平民の年収の価値がある。


 前までは、倒したモンスターの素材は全て国に没収されていたけど、今は全部俺のものだ。


 売れば一生遊んで暮らせるけど、もう大陸には戻れない。

 何よりも、一生働きもせずに遊んで暮らすなんて自堕落な生活は好みじゃない。

 人間、駄目になってしまう気がする。


「さてと、暗黒大陸はあそこだな」


 顔を上げると、100キロメートル先に陸地が見える。

 高度を上げても、地平線ばかりで陸地の向こう側に海が見えない。


 間違いなく、大陸だろう。


 狙撃手ジョブの力で視力を強化すると、海岸線に漁村が見える。

 どうやら、運よく人が住んでいる場所に来れたらしい。

 暗黒大陸人が俺を受け入れてくれるかはわからない。


 けれど、人里離れた山奥で暮らすのは辛すぎる。


「俺のことを受け入れてくれたいいけど……」


 生まれ故郷を出て、今まで29の外国を渡り歩いた俺でも、少し緊張した。



   ◆



 ――どうしてこうなった?


 一時間後。


 俺は漁村の奥に建設された、大きな石造りの館に通されていた。

 俺の左右には、古代ギリーシア地方の服を思わせるキトーン服姿のお姉さんが二人、槍を手に怖い顔で睨んでくる。


 ――めっちゃ警戒されている。そりゃあまぁ、いきなり空から人が降ってきたら警戒されるよね。でも、なんだか違和感が。


 漁村の人たちが俺を目にした時の反応は、警戒、というよりも驚きに近かった。


 それに、何故かさっきから女の人しか見ていない。


 ちなみにみんな美人で胸が大きい。そんで、妙に髪が長い。正直、毛先が地面につきそうだ。そういう文化なのかな?


 石造りの館には絨毯が布かれておらず、石床が剥き出しだ。


 大陸の辺境国でも、レンガぐらいは使っているのに。

 まるで古代遺跡の中にでもいるようだ。

 文明レベルは、あまり高くないように思える。


「ステンノ様、空から降ってきた男を捕らえました!」


 木製の門の前で、衛兵の女性が声を張り上げた。


「入れ」


 という美しく威厳のある声が返って来ると、衛兵の女性は門を押し開けた。


 謁見の間、なのだろうが、前にいた国の倍以上の広さがあり、まるで祭事を執り行う神殿のようだった。


 何百人と言う美女たちが床に直接座り、俺に視線を向けてきた。


 ここは娼館かと思うほどのプレッシャーを感じつつ、視線を上げると、ソレに目が留まった。


 美女たちの向こう側、部屋の奥には座りにくそうな石造りの玉座に布を布き、その上に背の高い女性がお尻を落ち着けていた。


 その威容に、俺は一目で視線を奪われた。

 ひと際長くボリュームのある髪は玉座から溢れ、床に垂れているのもさることながら、前いた大陸では見たこともない程の絶世の美貌にはち切れんばかりに実ったバストが衝撃的だった。


 左右に控える文官らしき女性から、何か報告を聞いている最中だったように見える。


「ほう、貴公が空から落ちて来たという男か。待っていたぞ。私はゴルゴン族の王、ステンノだ」

「ゴルゴン族!?」


 それは、伝説上の怪物の名前だ。

 曰く、頭から髪の代わりに無数の蛇が生え、見た者を石に変えてしまうと言う。

 けれど、さっきから目が合っているけど俺はなんともないし、ステンノ頭から生えているのは美しい紫色の美髪だ。


「なんだ、ゴルゴン族を見るのは初めてか? なら、もっと近くで見よ。近う寄れ」


 言うなり、床に垂れる髪の1房が蛇のようにうごめき、10メートル以上も伸びて俺に巻き付いてきた。


 髪がわき腹に食い込み、そのまま、大蛇を思わせる膂力で俺は宙に持ち上げられて引き寄せられてしまった。


「ほお、若いだけでなく可愛い顔立ちをしているな。好みだぞ」


 絶世の美貌が目の前に迫り、ちょっと恥ずかしい。


「ふふ、それで貴公の名は?」


 王と言う割にはややくだけた態度でやや面食らうも、俺は背筋を伸ばしながら礼儀正しく答えた。ちなみに、髪はもうほどけている。


「海を越え、中央大陸から参りました。レイトと申します。現在、仕官先を求めて旅の途中でございます」

「中央大陸? 大陸の中央から来たという意味か? だが、髪も目も黒い。男なのに、ヴァンパイアではなさそうだ……余程の稀少少数種族か?」


 色々と疑問が残る言葉に、質問してもいいのか悩んだ。


「仕官先ならここに住むが良い。男なら繁殖役がいる。仕事はうちの女たちと子作りすること。あとは自由にしな」

「はひっ!?」


 爆弾発言に、王様の前だと言うのに俺は変な声が出てしまった。

 部屋を埋め尽くす爆乳美女たちとのハレンチ極まる淫乱な妄想が膨らみそうになってから、必死に理性を保った。


「あ、あの繁殖役ってなんですか?」


「その反応、どこぞの孤島出身か? なら説明が必要であろう。この大陸に男はヴァンパイア族しかおらん。我らゴルゴン族を含め、他はヴァルキリー族、アマゾネス族、デュラハン族など、女しか生まれない人種だ」


 ――ゴルゴン!? ヴァンパイア!? どれも伝説上の存在じゃないか!?


 もしかすると、彼女たちが元ネタなのかもしれない。


「え!? じゃあどうやって……」


 子供を作っているんですか、と聞く前に、ステンノは飄々と答えてくれた。


「ヴァンパイア族から男をさらうのだよ。どの人種もな。そして繁殖用に皆で共有し、子種を搾り取る」


 嫌悪感で、こめかみと胸に重たい圧迫感が生まれた。


 前の大陸では、王女に忠言して追放された。

 口は災いの元。

 権力者に逆らわないのも、生き抜くための処世術だ。


 それでも、やはり俺は黙ってはいられなかった。


「それではまるで性奴隷ではないですか。相手の男性の気持ちを考えないのですか?」


 やや語気を強める俺に、けれどステンノは自虐的な微笑を浮かべた。


「生憎と、我らを蛮族と蔑む輩の気持ちをおもんばかる程の余裕はないさ」

「え……」


 唖然とする俺に、ステンノは続けて説明してくれた。


「奴らヴァンパイアは、この大陸の中央に住んでいる。一方で、我らゴルゴンは見ての通り、海辺という世界の果てに追いやられた種族だ。まぁ、見下して当然であろうな」


 やや視線を伏せ、悲観的に声のトーンを落とすステンノ。

 けれど、その声はすぐに熱を帯びた。


「だが、我らもただ虐げられるばかりではない。奴らが我らの祖先を世界の端に追いやり祖先の勝利を盾に我らを蔑むならば容赦はせん。我らは奴らを拉致し、奴らの忌み嫌うこの世界の端に縛り付け死ぬまで搾取するのみだ」


 ステンノが語る間、部屋を埋め尽くしていた美女たちは皆、劣等感や自己否定感、そして怒りや反逆心の入り混じる、複雑な表情を浮かべていた。


 きっと、自分たちの現状に並々ならぬ想いがあるに違いない。

 だけど、俺は彼女たちの大きすぎる勘違いについて、指摘したくて仕方なかった。


「心配せずとも、恨みの無い貴公をどうこうしようとは思わん。ある程度なら抱く女は選ばせてやるし、疲れればその日の務めは免除しよう。それとも、貴公も世界の端で暮らすのは嫌か?」



「ここは世界のはしっこじゃないですよ。他にも大陸あるし世界は丸いので」



 世界の時が凍り付いたような静寂に、耳がきーんとした。


「……貴公は何を言っている? 他にも大陸? 世界が丸い?」


 眉をひそめるステンノに、俺はいっそう語気を強めた。


「先程も言いましたが、俺はこの大陸より海を越えて遥か東の、中央大陸という地から参りました。また、この世界は丸いボールのようになっておりまして、中央や端というものはありません」


「そんなわけがなかろう!」


 ステンノは石のひざ掛けを鋭く叩いて怒鳴った。

 尊大な印象を受ける彼女らしくない態度だが、それだけ彼女の琴線に触れる内容なのだろう。

 けれど、こちらもここで引くわけにはいかない。


「本当です。俺の大陸では男と女の数は同じで、現にヴァンパイアではない男の俺が目の前にいるじゃないですか」

「むっ、それは……待て、東の大洋を渡ってきたと言うが、リヴァイアサンはどうした?」

「倒しました」

「馬鹿を言うな! あれは今まで多くの同胞の命を奪った我等が怨敵にして生きた災害。人の手に負えるものではないぞ!」

「これが証明です」


 言って、俺はアイテムボックスからリヴァイアサンのウロコを一枚取り出した。

 タワーシールド並みに巨大な真紅のウロコに、部屋は騒然となった。


「必要なら死体をまるごと出しても構いませんが、館が壊れてしまいますね」


 ステンノは息を呑みながら、負けじと反論してきた。


「だ、だが、世界が丸いボール状な訳がなかろう! 丸い大地にどうやって人が立つ? そもそもそれでは海が全て下に落ちてしまうだろう!」


「それはありません。まず、世界は人間が丸みを感じることができないぐらい大きいため、立つことはできます。また、下とはボールを中身のことで、ステンノ様の反対側に立っている人から見ればステンノ様が天上からぶら下がってるようなものです。この世界の物質は全て、球体の中に引っ張られているのです」


「貴公、いくら世界の端に住む蛮族だからと我らを愚弄しているのか? 古都と次第によっては死ぬまで家畜として絞り殺してくれるぞ?」


 ステンノは溢れそうな怒りを抑えるように握り拳を震わせ、切れ長瞳を細め、射殺すように睨んできた。

 対する俺は、熱弁を振るって向か撃つ。


「証明できます。海辺に多くの船が停泊していましたが、皆さんは海辺に住むだけあり、船に精通しているとお見受けいたします」


「無論だ。我らゴルゴンは海の民。主食は海産物で陸より船の上にいる時間が長い者も珍しくはない」


「では尋ねます、水平線の向こうから船が現れる時、帆先から現れますよね?」

「それがどうした?」


 苛立たし気なステンノと、それから部屋を埋め尽くす皆へ届くよう、俺は声を大にした。


「世界が平らなら! 船はどれだけ離れていても小さく見えるだけのはず! なのに上から順に見えるのは、船が丸みに隠れているからじゃないですか!?」

「なっ!?」


 再び、部屋がざわついた。


「それに、夜、遠洋漁業をした人はいませんか? なら気づいているはずです。東西に移動しても星の見え方は変わらないのに、何故か南北に移動した時だけ星の見え方が変わることに。あれは空が東から西向かって流れているため、東西に移動しても変わりませんが、南北移動すると皆さんが丸みに影響されて星の角度が変わるんです」


 一斉に、美女たちが隣近所と騒ぎ始めた。

 そこかしこから、


「確かにそうだけど」

「あたしもある。東に行っても変わらないけど南に行ったら星座変わるよね」

「え、あれって気のせいじゃなかったの?」


 という囁き声が聞こえてきた。


 ――地球の自転や公転についても説明したいんだけど、そっちまで説明すると混乱するから今は黙っておこう。けど、いい感じだ。流石は漁業民族、理解が早いや。


 このまま納得してくれるかとも思ったけれど、だがステンノは再びひざ掛けを殴りつけた。


「そんなわけがあるか! 何が星の見え方が変わるだ。そんなもので世界が丸い証明になるか!」

「なら明日の朝、日の出前に浜辺に集まってください。俺の言っていることが本当だと、皆さんに物理的に証明して見せます」

「黙れ! もう貴公の話は聞きたくない! だれか、この不愉快な男を地下牢に閉じ込めておけ!」

「待ってよママ」


 若い声に振り返ると、玉座近くに座っていた美少女が立ち上がった。

 年は俺と同じぐらいだろうか。


 ステンノと同じく紫色の髪と豊満すぎるバスト、それにクールな切れ長の目元が魅力的な絶世の美貌の持ち主ではあるものの、顔立ちにはまだ十代の愛らしさがある。


 やや無機質でぶっきらぼうな口調で、彼女はステンノに語り掛けた。


「彼はあのリヴァイアサンを倒した英雄だろう? それほどの傑物の話なら、聞くに値すると思うよ。どうしても納得できないなら、彼のことはボクに任せて貰えるかな?」


 ママと呼ばれる以上、母親なのだろう。

 ステンノは娘の頼みは無下にできないらしく、息を突いて玉座の背もたれに体重を預けた。


「いいだろう。では明日の日の出を待ってやろう」

「それなんですけど、夕日が海に沈むところを見られる浜辺があっても証明できます」

「……ここは大陸の東側だが、そうだな、マンバ半島の舳先なら見られるだろう。今から移動すれば、日没にも間に合う」

「それは助かります」


 わずらわしそうなステンノとは対照的に、俺は勝利の笑みを浮かべた。



   ◆


 赤い夕陽が半分以上沈んだ頃。

 俺らは、マンバ半島という北東方角に長く伸びた半島の浜辺に集まっていた。


「さぁ、ここならば日没を見られる。ここでどうやって世界が丸いことを証明するのだ?」

「はい、まず皆さん、横一列に並んで、夕日に向かって腹ばいになってください」


 ステンノたちは不思議そうにしながらも、俺の真似をして、砂浜に腹ばいになった。

 しばらく待つと、夕日は徐々に海に沈み、ついに最後の輪郭までも失った。


「ステンノ様! 日は沈みましたよね!?」

「むっ、それは見ればわかるだろう」

「はいでは皆さん立ち上がってください!」


 ステンノたちはわけがわからないといった風に立ち上がった。そして、その顔を驚愕に歪めた。

 俺らの前には、未だ沈み切らない、夕日の輪郭が残っていた。

 そして、夕日はあらためて沈んだ。



「馬鹿な……日が、二度沈んだぞ? これはなんの魔術だ?」

「違います。先程、船の帆先の話をしたでしょう? 太陽は世界の丸みに隠れているため、視線を高くすると、こうしてまた太陽を見ることができるのです。だから」


 言って、俺は失礼だとは思いつつも左右に立つステンノと娘さんのわき腹を抱きかかえると、空を飛んだ。

 すると、再び日は昇り、俺らの顔は夕日に赤く染まり、二人はまぶたを上げた。


「こうして視線を上げると、また夕陽を見られるのです。素敵でしょう?」

「……私たちは、世界の端に追いやられた種族では、なかったのだな?」

「はい。この世界に端っこなんてありません。世界は丸く、平等です」

「ッッ……」


 腕の中で、ステンノは感極まったように震えた。

 何も言わなくても、それだけで彼女の気持ちは痛いほど伝わってきた。

 今、彼女は心の中で泣いていた。



   ◆



 夕日の沈んだ暗い浜辺に下りると、誰もが戸惑った表情をしていた。

 無理もない。

 一瞬にして人生観が変わってしまったのだ。

 その衝撃は、想像するに難くない。

 しかし、反応に困る女性たちの中で、口火を切ったのはステンノの娘だった。


「レイト、ボクらの住む場所が世界の端ではないことを教えてくれてありがとう。さっきはママが怒ってごめんね」


 クールな表情を少し緩めると、彼女は途端に親しみやすい雰囲気になる。やわらかい微笑の魅力に、つい胸が高鳴った。


 ――そういえば、女王の娘ってことはこの子、王女様なんだよな。同じ王女様では、前の職場とは天地の差だ。


 俺のことを大陸から追放したクズ王女のことを思い出しながら、俺は彼女に惹かれた。


「レイト、頼みがあるんだ」


 声を硬くしながら、彼女は俺の手を取り、真摯な眼差しで向かい合ってきた。


「ボクらを助けてほしい」


 周りの女性たちがざわつく中、彼女は俺と見つめ合ったまま、必死に訴えてきた。


「キミのお陰で、ボクらが世界の端に追いやられたわけじゃないこと、ボクらの住む場所が最果てじゃないことは分かった。けどね、現実的な問題は解決しないんだ」


 彼女は、声ににじむ悲壮感をこらえようとしていた。

 それは、決して卑怯な泣き落としにはすまいとする、彼女の高潔さの表れにも思えた。


「世界がどうであろうと、ボクらゴルゴン族には男がいない。滅亡を避けるには大陸唯一の男がいるヴァンパイアの協力が必要だけど、これからもヴァンパイアたちはボクらを劣等民族と蔑むだろう」

「なら、簾中にも世界が丸いことを教えればいいんじゃないかな?」


 俺の提案に、彼女は哀し気に首を横に振った。


「ただでさえ、ヴァンパイアは居丈高でプライドの高い種族なんだ。なのに、世界の中央に住んでいるっていう誇りを否定するような事実、受け入れるわけがないよ」

「……」


 それは、俺にもわかる。

 前にいた大陸も、とにかく傲慢でプライドばかり高くてものごとを自分にとって都合のいいようにしか解釈しない連中ばかりだった。


「だからねレイト、あらためてお願いするよ。仕官先を探しているなら、ボクらのところに来て欲しい」

「俺に、君らを救えるかな?」

「ボクはそう思っている。キミにはリヴァイアサンを倒す力があるし、色々なことを知っている。その力と知識を、貸してほしいんだ。頼む」


 つむじが見えるほど深く頭を下げながら、彼女は俺に懇願してきた。

 彼女たちの価値観はまだわからない。

 それでも、前の大陸で散々王侯貴族たちに比べれば、支配層の娘が頭を下げるというのは、俺も人生観が変わるほどの出来事だった。


 ――いい子だな。


 前の大陸は違う。


 力のある平民を見つけると、自分の道具にしようとするだけだった。

 だからこそ、連中の言動は支配者層特有の者ではなく、単なる人間性の問題だと証明された気分だ。


「わかった。俺の力をみんなのために使うよ。ただし、俺からもいくつか提案がある」

「提案?」

「ああ。まず、ヴァンパイアをさらうのをやめること。もしもいま、捉えているヴァンパイアがいたら、俺が指示した時期に開放すること。その代わり、繁殖役は俺が務める」


 正直、ジョブガチャスキルで手に入れた【種馬ジョブ】の力があれば、24時間ノンストップで子作りができるし、一度の子作りで確実に妊娠させられる。


「それでも良ければ」

「ママ」


 彼女が母親へ振り向くと、ステンノは静かに目を閉じ、沈思黙考を経てから、まぶたを開いて頷いた。


「いいだろう。特に問題が無い限り、ゴルゴン族は貴公の指示に従おう。しかし、ヴァンパイアをさらうのが禁止となれば、我らを子を作れない。代わりに、貴公との子作りは今夜にも初めて欲しいのだが」

「ッッ」


 最後の言葉に、俺はうろたえながらも下半身がうずいてしまった。

 今更だけど、ゴルゴン族は全員美女で、しかも色々と豊満だ。

 ちなみに、さっきステンノと娘さんを抱き上げた時、すごくいい匂いがした。

 これで期待するなと言うほうが無理だろう。


「そ、それなんだけど、実は俺、経験ないんだよね。それでその、できれば最初は思い出にしたいから、相手を選ばせてほしいんだけど」

「構わん。それで、誰が良いのだ?」

「それは……」


 俺の視線は自然、ステンノの娘に向けられた。

 俺と目が合うと、彼女は最初のクールな表情が一転、わずかに頬を染めてくれた。可愛い。


「え、ボク?」

「う、うん。年もたぶん近いと思うし。それに、お姫様なのにみんなのために頭を下げた行動力と気概に惹かれたよ。もちろん、君さえよければだけど」

「ううん、いっぱい嬉しいよ。じゃあ、初めて同士、今夜はよろしくね」


 その時、彼女が見せてくれた満面の笑みで、俺は恋に落ちた。

 最初はクールだった少女が見せてくれた笑顔の魅力は底無しだった。


「あ、ところで俺、君の名前知らないんだけど」

「あーそうだったね。ボクの名前はメイデ。ゴルゴン女王ステンノの娘だよ」


 楽し気に笑いながら、彼女は俺の顔を抱き寄せ唇を重ねてきた。




   ◆


 いきなり妊娠させるのもまずいかと思い、俺はあえて種馬ジョブは使わずにメイデと初夜を共にした。


 それでも、メイデが与えてくれる快楽は無類で、俺は一晩中止まれなかった。

 メイデも、最初の印象が吹き飛んでしまうくらい満足してくれて、俺らは互いに意識が前後不覚になるまで互いを愛し合い、外が白み始めても止まれず、意識を失った時は太陽が真上に来ていたように思う。


 

   ◆



 昼過ぎ、寝室で目を覚ました俺は、まず【魔術師ジョブ】で覚えた回復魔法で全裸のメイデの体力を回復させた。


 メイデのみずみずしい肌は白くなめらかで、産毛すら生えていない皮膚は触れると吸い付くようでありながら、まるで摩擦を感じない程にすべりが良い。


 ウエストや首筋、腕は細く華奢なのに、胸とお尻は豊満で、特に胸はスイカを横に二つ並べた印象だ。


 おまけに指で突けば爪の先がどこまでも沈むぐらい柔らかいのに、同時に内側から絶妙な低反発力で押し返してきて、えも言われぬ快楽を伝えてくれる。


 その弾力たるや、仰向けに眠っていてなお、重力に負けずドーム状をキープするほどだ。


 ――改めて見ても、すごいカラダだな。でも、このカラダを俺は、好き放題にしていたんだよな?


 そう考えるだけで、種馬ジョブも使わずに素のまま酷使した下半身がうずきかけた。


 昨日までは淫らな行為に抵抗と罪悪感があったのに、今では恥ずかしい程の貪欲さが下半身の奥に宿っていた。


 それで、自分も所詮は男だと思い知らされた。

メイデが目を覚ましたのは、ちょうどその時だった。


「……あ、ダーリン起きてたんだ」

「ダーリン?」


 突然の恋人発言に、胸がトキメいてしまった。

 メイデは上半身を起こしながら前かがみになって、上目遣いに俺を見上げてくる。


「うん、だってキミ、ボクのこと好きなんでしょ? ヴァンパイアたちの恋愛小説で読んだよ。両想いの男女は、男の人のことをダーリンて呼ぶんでしょ?」


 いたずらっぽく笑いながら、メイデは俺の肩に甘えてきた。

 必然、彼女の裸の爆乳が二の腕に押し当てられて、酷使され続けた俺の下半身は完全に復活した。


「わ……すごい……ママたちの話だと男の人って媚薬使わないと連続10回も無理って聞いていたのに、ダーリンてばあれだけやってまだできるんだ」

「いや、これは違、メイデが凄すぎるからで」


 まるで言い訳になっていない俺の言い訳に、メイデはますます気を良くした。


「ボクのカラダ、そんなに気に入ってくれたんだ。じゃあ、続きしちゃう?」


 小悪魔的な笑みで甘えてくるメイデの甘い誘惑を両手で押しのけて、俺は魔術を使った。


「待て、いま俺臭いから」


 流石に、一晩以上愛し合った代償は大きく、俺は汗まみれだ。彼女も、俺の体液で良くも悪くも卑猥な状態になっている。


「えーっと、炎魔術と水魔術を合わせてお湯を作ってと」


 【魔術師ジョブ】の力で空間に大量のお湯を生成すると、高速で流動させながら、俺とメイデの首から下を包み込む。

 まるで川の中に佇むように、熱く激しいお湯の流れが、俺らの汚れを洗い流してくれる。


「すごい、ダーリンてばこんなこともできちゃうんだ。こんなの初めて、これすっごくきもちいよ。ずっと続けて欲しいかも」


 声と一緒にスイカ大のおっぱいを弾ませながら、メイデははしゃいだ。


 ――ッッ、おっぱいを水流の中にさらすと凄いことになるな。


「じゃあ顔と頭も洗うからちょっと息止めろ」

「うん」


 お湯の量を増やして互いの体をすっぽりと沈めた。

 すると、メイデの紫色の髪は水中をただよい、その中央に浮かぶ美貌の彼女は、とても神秘的な美しさに包まれていた。

 水中の中で見つめ合っていると、不意にメイデがこの状況を楽しむように、無邪気な笑みを見せてくれた。


「……」


 俺は、ゴルゴン族の繁殖役として、多くの女性と関係を持つつもりだ。だけどこの時、メイデとだけは、繁殖とは関係なく、愛し合うような関係になりたいと思えた。



   ◆


 魔術で体を洗いさっぱりしてから、俺とメイデはみんなの待つ謁見の間を訪れた。

 上機嫌なメイデに、集まった女性たちは色々と色めき立っていた。なんか恥ずかしい。

 玉座に座るステンノも、母親としてどこか満足げだった。


「おはようございます、ステンノ様」

「うむ、昨晩は励んだようだな。良いことだ」


 俺はメイデと二人で玉座の前に立つと、みんなへ語り掛けるよう、声を少し大きくした。


「ではステンノ様、早速ですがお伝えしたいことがあります。俺の、ジョブについて」

「貴公のジョブ?」


「はい。まず、俺のジョブはガチャマスター。ランダムで新しいジョブを手に入れることで、発動可能回数は、一分に一回増えます。日付が変わるとボーナスで60回増えるので、一日1500回ですね」


「なら10日で15000か……ジョブとは、そんなに多くの種類があるのか?」

「いや、既に持っているジョブが出ることもあるんです。なので俺はあらゆるジョブを数千個ずつ持っているんですが」


 俺は、今まで前の大陸で誰にも言わなかった秘密を明かした。


「ダブったジョブは、他人に譲渡できるんです」



   ◆



 その頃、レイトが前にいた国では、王女が父である国王と二人でため息をついていた。


「まったく、昨日の地震には驚きましたね」

「うむ。だが被災地には騎士団を派遣したし、もう安心だろう」


 昨日、レイトを追い出した数時間後、大陸全土を巨大な地震が襲っていた。

 そのせいで国民の多くが被害を受けたが、この親子は呑気にお茶を飲んでいる。

 とは言っても、それはどこの国の王族たちも同じだった。

 そこへ、突然大臣が飛び込んできた。


「大変です陛下!」

「ゴホゴホッ、なんだ騒々しい。災害対策なら任せると言ったはずだぞ」


 むせこみながら国王が鬱陶しそうに眉をひそめる一方で、大臣は青ざめたかおでまくしたてた。


「そうではありません! 海岸線で大規模な地盤沈下が起こっております!」

「地盤沈下? ほう、それで海岸線が変わったと? では地図の書き直しを命ずる。それで、どこが沈んだんだ。まさか、リゾート地ではないだろうな?」

「え~、それは困るわぁ」


 未だ緊張感のない王と王女に、大臣は泣きそうな顔で声を荒らげた。


「全海岸線が時速数百メートルの速さで沈下し続けています! 今もです!」

「「は?」」

「すでに海岸線は10キロメートルも後退しています! このままでは、我が国を含め、大陸全土の海に面した国は消滅します!」


 数秒遅れて、ようやくクズ親子は事態を飲み込み叫んだ。


「「えぇええええええええええええええええええ!?」」


 しかし、これはほんの序章。

 大陸は今、沈没の時を迎えた。


 そう、終わりが始まるのだ。


一部完

需要がたくさんあったら本格投稿したいです。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 流石に三十も国あって一つも飼い殺しにしようとか考えなかったのは無理があるんじゃ・・・つか別に誰かに使えなくても秘境スローライフとかしてればよかったんじゃ
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