1.ここはどこ?
プロローグ書くと何度も失敗するため書くのやめました。苦手じゃ><
恋愛もの初挑戦。
恋愛とはいえお砂糖部分がほぼない、淡い初恋です。
短く12話の予定です。
おかしい。おかしい。
なぜ家で寝たはずなのにここにいるの?
彼女は動揺していた。
明らかにここは外。地面に仰向けに倒れている。
心を映したかのような不機嫌な曇り空。
すぐそばには蔦に囲まれた古びた高い塔が立っていた。
「5階くらいかな?」小柄な彼女は見上げてつぶやく。
肩まで伸ばした黒髪の女性、小山優里は建築の学校を卒業して就活にいそしんでいた。
確か昨日は一人暮らしのマンションに帰ってきて、疲れてそのままベッドにダイブしたんだっけ。
なんだ夢か。
夢の中なんだから変なとこにいても当り前よね。
ほっとして周りを見回す。
地面とはいっても、木々に囲まれた土むきだしの細い道に優里は寝ころんでいた。
夢とはいえ汚い気がして優里は立ち上がった。
就活用の紺のブレザーがだいなしだ。パタパタとはたく。
曇り空だが寒くはない。
塔より少し奥のほうに大きな建物があるようだ。
何となく見覚えがある気がするが、気のせいだろう。
建物とは反対の方向に歩き始めた。
ルームシューズはいて寝ていたのか・・・と思いつつペタペタ歩く。
かなり歩いた気がするがずっと同じ林の風景だった。
「夢ってこういうものよね。会社決まらなくて悩んでるから夢になったのかなぁ」
ためいきをつきつつ歩いていく。
しばらくいくと太陽が顔を出し、少し開けたT字路に出た。
さすがにつかれたので日陰に腰かけて休憩をとる。
夢なのにやたらリアリティだ。
「のどが渇いたなぁ~」
そう言って目をあけるとそこはいつもの自分の部屋だった。
やっぱり疲れてみた夢だったのね。
ほっとしながら見慣れたテーブル、見慣れたベッド、そして一人の女性。
へっ???だ、だれ??
そこには見たこともない銀髪の美しい女性が座っていた。
「おかえりなさい、小山優里さん。ここに戻ってくるのをお待ちしてました」
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