12.初めての実戦サバゲー!
初心者講習を受け終わった翔也達。これからゲームに参加するみたいだ!
そんなこんなで祐二さん達と雑談して時間を潰していると周りに人が集まりだした。そしてまたその場でしばらく待っていると、アナウンスが聞こえて来た。
『ゲーム開始1分前となりましたぁ! もう間もなくゲートを閉じます!途中参加は出来ないので、参加される方は入って下さぁ〜い!』
※ゲーム内容にもよるが、基本的に途中参加は出来ない。
……何故かって? もしも自分のフラッグが入り口に設置されていて、相手チームの途中参加が入って来たら、押す可能性があるんじゃないのか?
自身のフラッグに行ってからスタートのルールだったら平気だろう? ……自身のフラッグに向かっている間に、敵の位置を把握してそれを仲間に伝える。なんて可能性を考えないか?
そういうことを考慮して、途中参加が出来ないようにしているんだ!
『お時間になりました! 今向かわれている方でゲートを閉めさせて頂きます!』
その声と共に、ゲートの前にいたフィールドスタッフが弾が通らないぐらいに網目の細かいカーテンをかけた。その後にもう1人のフィールドスタッフが翔也や他のお客が見渡せるほどの距離取って話出した。
「え〜…今回のゲームから初心者講習を終えた人達がゲームに参加します! 初心者なので、経験者の方々はなるべく優しく教えてあげて下さいね! 青いマーカーが目印ですよ!
それで初心者の方は一回復活があるので、HITしたらここまで戻って来て、ここにタッチすれば復活が可能です! その後HITしたら退場をして下さい!
ルールの再確認です! 10分間のフラッグ戦! 相手のフラッグを取れば勝利となります! 皆さん頑張ってフラッグゲット目指して下さい! フラッグゲットされた方は景品が出ますよ!」
フィールドスタッフはそう言い切るとトランシーバーを口元に近付けて、「赤チーム準備完了」と言った。
※フィールドによってフラグゲットしたヤツは景品が出たり賞を貰えたりするから、積極的にフラグゲットしてみるのもありだぞ!
その後ちょっと時間が経つと、スピーカーから声が聞こえて来た。
『……両チーム準備完了! 初心者1回復活ありのフラッグ戦! 戦闘開始5秒前! …4…3…2…1…ゲームスタートぉ‼︎』
スタートと言う言葉と共に周りにいた味方は一成に駆けて行くので、翔也達は慌てながらその人達の後を追うように走り出した。
「えっと……何処まで行くんだ?」
「分からないわ!」
多分前にいる人達は行けるところまで行こうとしているのか?
そんなことを思っていたら前にいた人が物陰に隠れ始めて、その内の1人が俺達の方に顔を向けて話し掛けて来た。
「こっから先に敵がいると思うから隠れるんだ!」
「「あ…はい!」」
※常連になると何度も戦っている。だからフィールドマップを大体把握していて、どれぐらい進めば接敵するのかも把握しているぞ! そしてこの作品のように話し掛けてくれる人は中々いないから覚えておくように‼︎
翔也達が慌てて物陰に隠れた瞬間、「コンタクトォ‼︎」と言う言葉と共にエアガンを撃つ音がした。
「こ…こんたくとぉ?」
「確か…敵を発見したって言う専門用語だった気がするぞ」
初心者講習のときに専門用語で言ってし……。
何て話していると、今度は翔也達が隠れている壁にバチバチバチッ⁉︎ とBB弾が当たる音がした。
「えっ⁉︎ 嘘だろう⁉︎」
「隠れてるのに何で撃たれんだよぉ〜⁉︎」
そんなことを言ってると、離れた場所にいる彩さんが俺達に話し掛けて来た。
「たぶん、隠れようとしているところを敵に見られたのかもしれないわぁ‼︎」
「そうなんですかぁ⁉︎」
「それに周りに聞こえるぐらいの声で話をしてたから、その声が相手にも聞こえちゃったんだと思うの!」
「マジですかぁ、彩さぁああああああ〜〜〜んっ⁉︎」
「マジよ、勝平くん!」
会話1つで位置がバレるなんて…なんて恐ろしいんだ!
そんなことを思っていたら、バチバチ音が鳴るほど撃たれていたのが、急にピタリと止んだ。
「……あれ? 収まったぁ?」
勝平は、恐る恐ると言った感じで物陰から顔を出そうとしていたのだが……。
「ストップ! 勝平くんっ‼︎」
「へぇ? …あだぁっ⁉︎」
顔を覆っているマスクからバチッ⁉︎ とBB弾が当たる音が聴こえて来た!
「ヒ…ヒットォ〜ッ⁉︎」
勝平は手を上げながらそう言って立ち上がると、来た道を辿るようにして戻って行った。
「あ〜……アイツ敵の罠にまんまと嵌まったなぁ〜」
「わ、罠?」
てか祐二さん。いつの間に近くに来ていたんですか?
「お前らが心配になったから、こっちに来たんだ」
「行けるところを通って行ったら、ここに辿り着いたの間違えでしょ?」
「……そうだな。なんにせよ、敵が狙っているのを分かっているのに、鈴木みたく顔をゆっくり出そうとするとあんなふうに撃たれる」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「こんなふうに撃てばいいんだよっ!」
祐二さんはそう言うとエアガンを構えながらサッと物陰から出るのと同時に撃ち、そして素早く物陰へと隠れた。
「HIT⁉︎」
物陰から恐る恐るといった感じで顔を出して見てみると、何と手を上げながら歩いていた。……そう。祐二さんが敵を倒したのだ!
こうして、やられてしまった勝平であった。




