ウィグル人口激減
今後、中共がこの統計を書き換え、ジェノサイドを「捏造」と主張する可能性は否定できない
市営住宅集会所へ講演会を聞きに行った。
演題は「ウィグルで起きていること」。内容の要点は次の通りだった。
2020年6月、アメリカで「ウイグル人権法」が成立した。
近年、中国の少数民族地域では総じて少数民族人口が漸増している。
しかし、新疆ウイグル自治区では、他地域と異なる様相を呈し、少数民族比率が2年間で約9パーセント減少した。
清朝に征服されたウィグル地区の支配は、中華民国、中共へと引き継がれた。
1966年、文化大革命が起こり、イスラム教礼拝堂の破壊や紅衛兵の乱暴狼藉でイスラム教徒は塗炭の苦しみを味あわされた。
独立を求める声が高まり、テロや衝突が頻発したので、中共は三毒(恐怖主義・分裂主義・宗教極端主義)克服方針を立てた。
2016年8月にチベット自治区から転任してきた陳全国がウイグル自治区党委員会書記に就任した。
陳は、戦時体制的司令塔を設けて情報統制し、イスラム的文化の徹底的消滅に取り組んだ。
「指揮部」が、個人情報・思想ファイル、公安情報、出入国情報、個々人の言動・行動記録・家族関係・友人関係等を、人工知能(AI)で分析し、三毒分子を選別した(2019年11月『ニューヨーク・タイムズ』リーク)。
被選別者や生ぬるい役人らは、強制収容所(職業技能教育培養訓練転化センター)に収容された。
被収容者は、華語教育と「中国化」教育(トルコ系ムスリムとして生まれたことを罪と認識し、身も心も中国人に生まれ変わるよう促す)を強要された。
被収容者の一部は厳格な管理の下に置かれたり、犯罪者として刑務所に送られた。
拷問による落命者も少なくなかった。
中国公民全員に身分証が交付され、凡ゆる個人情報が公安当局によって管理されており、公民が様々な原因によって死に至った場合の記録も、今やITによって瞬時に国家全体のデータとして反映されるが、他国の批判に備える隠蔽工作に思いが至らなかったのだろう。
今後、中共がこの統計を書き換え、ジェノサイドを「捏造」と主張する可能性は否定できない。
アメリカは、中共への制裁を強化していくだろう。
2016年9月、核兵器禁止条約を巡って、再度、日共と中共の間に亀裂が奔り、日共と中共は敵対関係になった。5年後に行われた中国共産党建党百周年記念式典の祝辞を、中共は、日本の与野党に求めたけれども、日本共産党には求めなかった。