英雄の資質
孔子や孟子の仁徳を持った人物として振る舞いながら、厚顔無恥と腹黒さを使いこなせなければ、英雄には成れない
市営住宅集会所のコミュニティカフェに行った。
A:「厚黒学」て知ってるかな?
私:今から百年ほど前、大清帝国で李 宗吾という人が書いた本ですね。
B:李宗吾は、英雄豪傑に憧れて、四書五経、諸子百家、二十四史などを熟読し、英雄の共通点は[厚かましさ]と[腹黒さ]だと気付いたそうです。
C:[厚黒]の秘訣について「厚黒を裡となし、仁義を表と為す」と書いている。孔子や孟子の仁徳を持った人物として振る舞いながら、厚顔無恥と腹黒さを使いこなせなければ、英雄には成れないということだ。
D:国号を「仲」とし寿春を都として皇帝を名乗った袁術を、献帝奉じる曹操が逆賊として攻撃した。袁術は敗走し、従兄の袁紹を頼って豫州に行く途中で劉備に討たれた。その後、劉備は、曹操と仲違いし、豫州に逃げて、袁紹に保護を求めた。劉備は、袁紹の従弟を討った過去を気にせず窮鳥となって猟師の懐に飛び込んだんだ。
しかも、袁紹に保護してもらってる最中に、劉備の腹心関羽が曹操側に付いて、袁紹側の武将(顔良,文醜ら)を討ち取るという不祥事を起こしたにも関わらず、悪びれもせず、言い繕った。
劉備の面の皮は万里の城壁よりも厚かったと、李宗吾が褒め称えている。
A:時の権力者董卓暗殺に失敗した曹操は、逃げる途中で県令の陳宮に捕まった。夜、牢舎に行って曹操と話し合った陳宮は、曹操と運命を共にする決心をした。逃げ続ける二人は、呂伯奢の家に泊めてもらった。呂伯奢が晩酌用の酒を求めて隣村に出かけた留守中、屋敷の裏手から刀を研ぐ音と「縛らなければ殺せぬぞ」「木にくくりつけて喉元を一突きにしてしまおう」と相談する声が聞こえてきた。曹操は、呂伯奢が自分たちを殺させて恩賞を得ようとしていると思い、殺される前に殺そう、と陳宮に話した。二人が、家人を次々と斬り殺した後、裏庭で見たのは、杭に縛りつけられて暴れている猪の姿だった。二人は、大急ぎで呂家を立ち去ったが、帰って来る呂伯奢と出くわす。
追われる身の自分らを泊めたとあれば迷惑がかかるからと、呂伯奢の親切を断り、曹操と陳宮は先へ急ぐが、そこでふと、曹操は「やらねばならないことを思い出した」と、呂伯奢の家に再度行った。しばらくして戻ってきた曹操に、何をしてきたのかと陳宮が問うと、事もなげに「呂伯奢を斬ってきた」と答えた。そして、呂伯奢が帰宅して、家人どもが皆殺しにされていたら激怒し、官吏に訴え出るからだと説明した。
陳宮は曹操を見限ったが、曹操の腹黒さは、射干玉の漆黒を上回ると、李宗吾が絶賛している。
B:都知事選候補者の中に英雄は居ますか?
C:小池百合子さん。「女帝小池百合子」という誹謗中傷本を出版されながら、ものともせずに当選した信念は、劉備玄徳に引けを取らないかも…
D:東京維新の候補者。自らの政治的信条と経歴(革命家チェゲバラを崇拝する旧民主党代議士秘書)を隠して[日本維新の会]の推薦を得た。言行の端々から本性を見透かされるようでは、曹操に遠く及ばないかもしれないけれど…
私:山本太郎さんは、どんな感じですかね。
A:[厚]も[黒]も中途半端。孫権を思い出す。




