私欲
選挙民の私欲は無視できない
宅配車運転中にラジオでニュースを聞いた。
2013年3月14日、胡錦涛に代わって中共軍主席になった習近平が[中国共産党から腐敗を無くす]運動を始めたというニュースだった。
江沢民が「共産思想よりも中華思想を大事にしなさい」と言って子分らが勝手気ままな政治をできるようにしたのを直して、賄賂を厳しく取りしまる方針を打ち出した。民間の儲けを、中共幹部の贅沢に使わせず、軍事力を強くするために役立てようということらしい。
「千人計画」で外国人(特に、アメリカに帰化した人々)を招いて、中共の技術力を高めることにも力を入れ出した。
習近平は、江沢民より怖いかもしれない。
2013年6月26日、富士山が世界遺産に登録された。
元来、世界遺産は、全人類に普遍的な価値を持つ自然や文化財の保護・保存のための国際的協力を促す趣旨で制度化されたものだが、建前と真逆の結果が明らかに見えていても、邪な欲望を満たす手段として機能する方向に流れていく。
2013年9月8日、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定した。
元来、クーベルタンが唱えたオリンピズム(オリンピックの精神)は「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」だったが、1984年のロサンゼルス大会でオリンピックはショービジネス化した。フェアプレーの精神どころか、特権を奪い合う醜い争いの場となった。
しかし、政治は、選挙民の私欲を無視できない要素をもっている。
石原慎太郎でさえ、中共を利するだけのパンダ誘致に納得できない気持ちを表明しながら、地元商店街の利己心を抑えることができずに、都税をパンダ誘致費に充てざるを得なかった。
2015年9月9日、鬼怒川堤防が決壊し、床上浸水2,523棟、床下浸水13,259棟、死者20人という悲惨な状況になった。民主党は、政権担当時に必要なインフラ整備を止めさせたことに頬かむりして、被災者支援を更に充実するよう主張した。
2016年3月27日、民主党は「民進党」に着替えした。