表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢千夜  作者: コトヤトコ
4/7

第四夜

こんな夢を見た。

夢の中での私は、未来にいた。目の前には私よりもだいぶ背が高く、のっぺりとした顔の(私から見て)未来人が座っている。足をもつれさせたように交差させた座り方は、恐らく足の長い未来人特有の座り方なのだろうと、夢の中の私は納得した。

「それでは、20xx年にはまだ犯罪があったのですね」

未来人は光る玉を撫でながら、私に問う。えぇ

と答えるとフムフムと未来人は頷いた。

「という事は、kamiさまは、まだ存在に気づかれていなかったということですね?」

「かみ、さま?」

私が問い返すと、未来人はその私の反応で分かったと言うように、再び頷いた。

それから、私にkamiさまについて、説明をしはじめた。

「人は、不安があるから犯罪に走るのです。kamiさまの言う事を聞いていれば、不安はありません。故に犯罪はありません」

「不安が、なくなるのですか?」

「えぇ」

未来人は言う。

「人間の3大幸福の、睡眠、性行為、食事がきちんと満たされるのです。他に不安など、無いでしょう」

「…お金は…」

「数千年前に消滅致しました」

「名声は…」

「皆がきょうみを示すのは、kamiさまのみです。他人には、興味がありません」

「地位は」

「kamiさまの前では、皆平等です」

ふむ、と、私はそこで考える。どうやら未来は私から見るとひどく退屈そうだ。

「では未来の楽しみとは、何ですか?幸福とは、何ですか?」

私の問いに、未来人はうっすら笑った。

「先祖をこうして呼びだして、過去よりはまともな生活をしていることを、喜ぶことです」

そう言った私の子孫は、心底幸せそうに見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ