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2.

ついにこの日が来てしまった。

何ヶ月のも間、あぁ頼むから夢であってくれと神様を拝み倒し、ゼッタイ来るな!時間よとまれ!などと呪いまくったこの日が。。。


この日の為に、引き篭もりとして小学六年間過ごした結果についたお腹の膨らみを抑え(被害はお腹のみであったことに感謝する)


ラノベにも、学園の同学年女子の中でも一番の名家の出である甘楽の取り巻きとして登場する憐鳴ちゃん(れんな)、稀ちゃん(まれ)、蘭架ちゃん(らんか)の三名が時々訪れるたびに自覚しているコミュ障を治し、


昼夜逆転してしまった生活習慣を正したのだ。今でも時々、「あぁ、朝だ。寝る時間」と言ってしまう時があるのだが。


初日、私は、私と妹の送り迎え専用の高級車から降りるとすぐに憐鳴ちゃんと蘭架ちゃんに迎えられた。

校門前でずっと待ってたのか。。。


脱・引きこもりして気づいたのだが、舞楽はかなりのシスコンらしい。妹×姉。。。。いや、自分の入ってるCPはあまり萌えないな。

ちなみに舞楽は初等部の六年。校舎がちがうので、すぐに別れてしまった


さすが窿鷹学園、気品あふれる生徒達が優雅に登校していた。

ここは、全国で一番といっていいほど格の高い名家のお嬢様お坊ちゃんの通う学園である。だからある程度想像はしてた!でも!ほんと何なの!!!!


「ごきげんよう甘楽様。それにしても稀さん、ひどくありませんか?甘楽様がせっかくご登校なさったのに、お出迎えもせずにお手洗いへ向かってしまって!私も蘭架さんも、甘楽様とこの学園でお顔を合わせることを楽しみにしていたんですわよ。ねぇ、蘭架さん!」

そう言って私の腕に手を絡ませてきた。

その声で現実に戻った。憐鳴ちゃん感謝する。

憐鳴ちゃん、楽しみにしていたのはその気合の入った髪型で分かるよ。

「そうですわ!私、甘楽様とこうして校門をくぐるの、本当に夢だったんですの!」

「そう言って頂けるのは本当に嬉しいわ。」


どうだっ!五ヶ月間、頑張って特訓したこの切り返し!私噛まなかったよ!笑ってるよ!


「あっ!西条様と月城様だわ!」

突然、憐鳴ちゃんはあっと指さした。

西条様、月城様というのは、稀ちゃんも含める三名が私の家へ来たとき、必ず話題に出る窿鷹学園の二大アイドル。

なんだったっけ、一番人気の西条 蓮斗は、あだ名・窿鷹の皇帝

幼稚園のときから、登校は「君臨」と言われ、欲しいモノがあれば誰のものであろうと自分のものにする。「あると思うなお前らのもの」が口癖だったとか。。。。

窿鷹一の金持ちだろう。外国との交流も深く、日本の名家でも上位5には絶対入るであろう私の家よりもさらに上をゆくのだ。それ以上の奴がいるはずがない。


二番目ではあるものの、やはりカリスマ的な人気を誇る月城 時雨は、明るい茶髪に天パ。イケメンスマイルは私が見たら腹黒スマイルに見える。。。


あ、月城と目があった。

月城は、西条に声をかけて、私を指さした。

そしてこっちに来た。やめろ。こっちくんなし。

「きゃぁ!西条様と月城様、こちらにいらっしゃいますわ!」

「さすが甘楽様!お二人とお知り合いで?」

「いいえ、まさか!」


とうとうこの二人が私の前まで来た。


「やぁ、君、蝴蝶甘楽さんだよね?」

月城の王子スマイル!

かわいそうに!私の憐鳴ちゃんと蘭架ちゃんが死にそうになってる!


「えぇ、そうですわ。ごきげんよう。貴方は確か、月城様でよろしくって?」

「そうです。蝴蝶財閥のお嬢様にお会いできて光栄です」

そう言ってお辞儀した。おい。お前の家の方がでかいぞ。嫌味か?

「こちらこそ。」

とりあえず私は、そう言ってふんわりとした窿鷹特有のスカートを掴んでお辞儀を返した。


「きゃぁ!蝴蝶様と月城様がお互いに向かってお辞儀をしているわ!なんて絵になる!」


うるさい。社交辞令だ。お辞儀してるだけだ。

頭を上げると、月城だけと話すのも申し訳ないので、西条にも向いてやった


「貴方は、西条様でよろしくって?月城様と西条様は、大層仲が良いと存じ上げておりますわ。お会いできて光栄です」


そう言ってお辞儀をした。西条は、少し頭を下げただけだった。

おい、せっかくこの私が頭をさげているのに、なんだそに態度は。


「では、また後ほど」

月城が再び頭を少し下げて、二人は帰っていった。


♦♫♦・*:..。♦♫♦*゜¨゜゜・*:..。♦


「すごいですわ甘楽様!あのお二人にお声をかけられるなんて!なんて羨ましい!」

「あら、甘楽様ならそれくらい当然な事よ!」

「そうですわよね!私たちとは格が違いますもの!」


あらまぁ、もっと言ってくれてもいいのよ?


「そんな事ありませんわ。それより、この学校の事、色々教えて頂けないかしら?」

「もちろんです!喜んでお教えしますわ!」


1時限目の休み時間、私の周りにはクラスの女子ほぼ全員が集まっていた。他のクラスの生徒も、窓やドアから顔を出して覗いていた。おほほほほ、皆様、そんなに私を見ないで。おほほほ


「こちらに、あの蝴蝶財閥の令嬢がいらっしゃるとお聞きいたしましたが、甘楽様はいらっしゃって?」


美人な上級生、いや、この制服だと高等部の生徒だろうか。

その先輩様が私になんの用だ。。。

「私ですが。。。」

おずおずと立ち上がった私を、満足そうに眺めた先輩は、私に微笑んだ

「はじめまして甘楽さん。さすが、あの胡蝶財閥の娘ですわね、お会いできて光栄ですわ。私、高等部三年であり、グロリア・チェンバレン会長の羽澤 莉緒と申します。」


ラノベの中では確か、グロリア・チェンバレンは、高貴な身分のものが集まる窿鷹学園の中でもさらに格の高い格上の特権階級の名家の生徒の会だ。名前は、この会ができた当時の校長の名からとったらしい。部活、サークルの類だが、これは選ばれた生徒しか入れないらしい。


「はじめまして莉緒様。お会いできて光栄ですわ」


私はまたもやふんわりしたスカートの裾を持ち上げ、優雅にお辞儀をした。

どうだ!私のお辞儀みたか!おほほほほ


「こんなところでお話するのもなんですので、今日の放課後に、グロリア・チェンバレンのラウンジにいらっしゃい?」

「それは光栄ですわ。」

「あら、もうすぐ時間だわ。では」


莉緒様は、優雅に教室を立ち去った。

あぁぁ。。。今日は帰ってすぐニコ動見て、そのあとアニメイトに行く予定だったのに。。。。!


私は気晴らしに、授業中ずっと男子の受けor攻めの仕分けをしていた。どうかひと組でも多くのホモップルが誕生しますように。


後ろから変な視線を感じる。。。。もしや私に恋でもしてるのかしら?

おほほほほほ ついに私にも恋愛フラグが・・・!

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