1.絶世の美女、二次ヲタお嬢様。
「甘楽ちゃん!?」
「いやだ!行きたくないっ!」
なんかわからないけど、家の外に出たくないっ!(前世引きこもり)
知らない人とおしゃべりなんて無理っ!(前世コミュ障)
「ほら、ここが甘楽ちゃんの通う学校よ?」
お母様に、「見るだけ」と言われて連れてこられたのは、見覚えのある学園
そういえば、私まだ8歳なのになんでこんなに。。。あっ(運命の瞬間)
。。。。
私は急いで車のミラーで顔を確認した。間違いない。。。
ここは私が愛読していたラノベ、「君はSPICE」の世界だ。。。転生したのか。。。じゃなくって!
こ、この顔って。。。。
さぁーっと、顔が青くなる。
綺麗に巻かれた長い髪
特徴はないものの、物凄い端正な顔
白い体や綺麗な指
そして青くなっているにも関わらずにじみ出ているこのなんとも言えないオーラ
そしてこのお金持ちぶり。あぁ、気づくの遅いよ自分!
私めっちゃ悪役じゃないかっ
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「甘楽お嬢様!」
・・・・なんでしょう。時計を見ると、今は夜の2時。
・・・・・・・つまり私の起きる時間で、皆様の寝る時間。
「なんですかぁー?」
私は不機嫌MAXで答えた。
「やはりまだ起きていらっしゃいましたか」
「だから何よ。。。」
「お、奥様が心配し・・・らっしゃ・・・て」
ひと睨みすると、使用人はごにょごにょ行って逃げていった。
まだ十二歳の箱入り娘である私の瞳が隈のせいでかなり目つきが悪くなったことに感謝する。
。。。。すまんな、君確か新しく雇われたんだよな。すまん。悪かった。だから頼む、泣くな。すすり泣く声がこっちまで聞こえるぞ?
。。。。。。悪かったな。頼むからいい大人が泣くな。(´;ω;`)
新人を睨みつけた後の罪悪感に浸りながら、私は3ちゃんで炎上祭りに参加していた。
フランス産の高級ぶどうジュース片手に。
ちなみに服は絹のナイトドレス。
。。。。まだあの新人の声が聞こえる。悪かった。給料上げるようにお父様に言っとくから許してくれ。
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「甘楽ちゃん、学校の事なんだけど。。。」
私は、昨日の使用人の給料の話をお父様にするため、朝まで寝ずに起きて久しぶりに家族と朝食をとっていた。
・・・・私はけなげな使用人の給料の話しかしない。
おいお母様め。私は学校になど行かん。今十分人生をエンジョイしてるのじゃ。邪魔しないでくれ。
「ほら、甘楽ちゃん、学校は通ってはいないけど、一応窿鷹学園の生徒じゃない?」
私立窿鷹学園っていうのは、確か高貴な身分の人が通う学校。。。
そういえば甘楽達、胡蝶家は華族の血を引いている。
そして甘楽はその直系子孫だっけ。。。
昔っから、蝴蝶家はかなり特権階級の名家だったらしい。。。
「そうですわね。」
「中等部に上がったら、通ってみたらどうかしら?」
「そうだな、甘楽。お前もこの家を継がなければいけないんだ。同じ上流階級の生徒に触れておいた方がいい。」
お母様、お父様、一度病院へ行ったらどうでしょうか。
「・・・えぇ、分かりました。考えておきますわ。まだ六年生の9月ですし、中等部へ上がるまで、まだまだ時間はありますもの」
私は笑顔でそう言った。
絶対行くものか。その学校とやらには、この蝴蝶寺甘楽、死んでも行かない。
学校、ダメ、ゼッタイ
「お父様、お母様、お姉様、行ってきますわ」
真面目に学校へ行く出来のいい我が妹の背中を見て、もう一度誓った。
学校、ダメ、ゼッタイ