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序3-3

キャラ紹介パート終了。キャラ紹介を序盤に一気にやってしまうのは素人の手法かもしれませんが、素人なのでおおめに見てください。

「あ、ああ……あんたたち……」

差江島さんが露骨に嫌そうな顔をしていた。

「ナツヒだけだったら男子が足んねえだろ?だから俺たちもついていってやるよ」

「……」

谷が自分に都合良いようなことを捲くし立てる。風川はなぜかさっきから喋らない。

「せっかくだけど、あんたちと一緒はいいわ」

「谷は自分のかわいい妹と一緒に花見したらいいじゃん。風川も一緒に」

谷には妹がいる。確か今年度で入学したばかりだ。

「それでもいいじゃん、谷。(かなで)ちゃん喜ぶよ!」

「ナツヒはアホか!なんで妹と花見しなきゃいけないんだよ!」

「俺はそれでもいい……。谷の妹……フヒヒ……」

風川が笑った。なぜか女子たちが笑っている風川を見て顔をしかめた。


「じゃあ谷、あんた、桜田さんと時雨さん呼んできて」

「ナツヒが、谷君ならその2人と仲良しだって言ってたよ」

「おう、あの『ちっちゃい女子コンビ』だな。俺はあいつらとも仲いいからな。呼んでやるよ」

谷が大声で、桜田さんと時雨さんの名前を叫んだ。

小鳥が囀るように談笑していたかわいらしい2人は、自分たちの名前を呼ぶ大声に話をさえぎられてこっちを向いた。

こっちを向いたと思ったら、また2人で顔を見合わせていた。やがて、僕たちの集まっているところに歩いてきてくれた。

「お前ら、花見しようぜ花見。こいつらと一緒に」

谷は女子3人と僕たち男子2人を一緒くたに紹介した。桜田さんが時雨さんの袖を掴んで一歩後ずさった。

「……ごめんなさい」

桜田さんに断られてしまった。続いて時雨さんも、桜田さんに続いて谷の誘いを断った。


「断られてんじゃん、谷ぃ!」

「あんたはやっぱり妹と花見してなさい」

「どういう理屈だよ!」

「お兄ちゃん、一緒に花見行こうよ!」

いつの間にか、僕たちの会話の輪にかわいらしい女の子が紛れ込んでいた。谷奏ちゃん。谷の妹だ。

奏ちゃんのことは僕も何回か見かけたことあるけれど、はっきり言って超のつくほどのお兄ちゃんっ子だ。


「お前、何で俺の教室に来てんだよ!」

「たまたま通りがかったら、みんなで集まってお花見の話してたから、つい……」

「そもそも何で俺の教室を通りがかったんだよ!」

仲の良い兄妹が騒ぎ立てている。

「じゃ、決まりね。風川、谷に花見は妹と行くように伝えといて」

「……フヒヒ」

どうやら決まっちゃったみたいだ。

今回は谷と風川は誘えない。光音ちゃんと、その友達の差江島さんと待岡さんと、僕。この4人でお花見に行くことになった。

お父さんには、図書館に自習しに行くって伝えることにしよう。1日くらい勉強しなくたって、成績は変わらないはずだ。


「じゃあ、お兄ちゃんまたねー」

「もう来るんじゃねえよ!」

谷の小柄な妹は、両手を挙げて無邪気に振っている。


そのとき、気づいてしまった。

両手を振る奏ちゃんの、制服の裾が浮いていることに。

浮いた征服の裾から、インナーシャツの白色ではなく肌色が見えていることに。

さらによく見ると、奏ちゃんの征服の裾から、おへそが丸見えになっていることに。


谷は奏ちゃんをまだ追っ払おうとしている。おへそが見えていることに特に気を払っていないようだった。

どうしてだろう。女子のおへそは『へそ女』こと天才少女・羽幡さんで見慣れていたはずなのに。

奏ちゃんの制服の裾から、見えたり隠れたりするおへそ。それは元気さの証でもあり、女性としての色っぽさの象徴でもあった。

奏ちゃんの制服の裾辺りに、僕は釘付けになっていた――。

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