序3-2
キャラ紹介パート。次の序3-3で一区切りです。
「ねえ向井君、今度の土曜に花見行かない?」
僕よりも背の高い光音ちゃんの友達・差江島はるか(さえじまはるか)さんが声をかけてきた。
「さっき光音とも話してたんだけど、あたしら3人で花見行くんだ」
隣にいるとてもスレンダーな女子・待岡なぎさ(まちおかなぎさ)さんも、差江島さんに続いて説明してくれた。
「もちろん、ナツヒが無理ならいいんだけどね……」
光音ちゃんが僕を心配して、ちょっと口ごもってる。
これはもちろん、僕が休日もほとんど家で勉強してすごしていることを光音ちゃんたちは知っているからだ。
「わあ、行きたいなあ!誘ってくれてありがとう!」
差江島さんと待岡さんが、なぜかクスクスと笑いだした。
「返事、明日でいいかな?それと、できれば谷と風川も誘いたいんだけど」
「うぇ……谷と風川ぁ?」
「まあいいっちゃいいけどさあ……」
光音ちゃんの友達の2人が、露骨に嫌そうな顔をした。
「あ、ごめん。あいつら、女子には不評なんだよね……」
「むしろ、なんで向井君があんな奴らと仲が良いのか不思議だわ」
「特に谷ね。あいつ顔はちょっといいけどナルシスト入りすぎなんだよ」
「そこまで言ってあげないでよ……あいつら結構面白いし、いとこだってあるんだよ」
谷と風川に向けられた攻撃から、僕が庇う。
「あ、じゃあ桜田さんと時雨さんを誘ってみていい?谷のおかげでちょっと話はするんだ」
「あの『ちっちゃい女子コンビ』?谷め、とうとうあの子たちにまで手を出し始めたか」
「桜田さんと時雨さんって、露骨にロリコン狙いな2人よねー」
「それにナツヒ、女子ばっかりになっちゃうよ?私はいいんだけど」
「じゃあもちろん俺を誘ってくれるってことだよな?」
「……」
いつの間にか、谷と風川が僕たちの話に割り込んできていた。