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恋物語の片隅で  作者: 那智
7月
34/64

テストは大変です

テストの描写とか楽しくない上に気が滅入るので基本カットでDIEジェスト……いやゲフン、ダイジェストでお送りします。



たまにだがなぜ自分は『黒田純』に転生したのだろうかと考えることがある。

なぜ『黒田純』なのか。何か理由があるのか。それともただの偶然なのか。

仮に何か理由があったとしよう。それでもなぜ『黒田純』なのかという疑問からは逃れることはできない。

『黒田純』は隠し攻略キャラだ。メインキャラクターとサブキャラクターの間に位置する中途半端なキャラクターだ。一周目では物語に関わることすらしない。


もしメインキャラクターである『黄野大介』に、『青葉奏』に、『緑川優』に、『赤海太陽』に、『白波泰斗』に転生していたら。

もしサブキャラクターである『及川美羽』に、『仙石杏奈』に、『小鳥遊百合奈』に転生していたら。

もしくは名の知れぬモブキャラクターに転生していたら。

そして―――主人公である『高倉紫苑』に転生していたら。

果たして自分はどう生きていただろうか?『物語』に忠実に生きていただろうか?それとも紫苑との関わりがないのをいいことに『物語』から逃げただろうか?いやそもそも前世を思い出せただろうか?

―――答えは出ない。


こんな風に考えている間にも時間はどんどん過ぎていき終わりが近づいてくるのを自覚する。

もう逃避はやめた方がよさそうだ。なにせまだわからないことは多い。今目の前にある問題にすら答えを出せないのだ。無理に答えを導き出すことはできるが導き出したとしても合っているかどうかはわからない。間違った答えになど意味がない。

だけど諦めるのだけは嫌だ。最後まで足掻き、その結果得た答えが間違っていたとしても何もせずに諦めるよりは得るものがあるはずなのだ。


ふぅ、結局随分と長々と考え事をしてしまった。そろそろ現実に向き合うことにしよう。

最後まで足掻き一つでも多く答えを導き出す。例え正しい答えを出せなくても、だ。

つまり何が言いたいのかというと。


―――このテストの問題難し過ぎんだよちくしょう!



七月。それは梅雨が明ける代わりに気温が上がり嫌でも夏を感じさせる時期である。しかしその暑さは夏休みを意識させるものであり学生の中には今から待ち遠しく思う者も少なくない。

そんな七月になったわけだが生徒達のテンションはお世辞にも高いとは言えなかった。

ちょうど今テストが終わったところだが教室では力尽きた者達が死屍累々となっている。その中には紫苑や黄野も混ざっていた。ついでに言えば俺も力尽きてこそないが疲れぎみである。

それは多くのクラスメート達も同じようでまだテスト一個しか終わってないのに教室全体にもお疲れムードが漂っている。うむ、これぞテスト後の空気よ。

しかしテスト一発目から英語とは幸先が悪い。ちなみに出来はそこそこ。良くはないが悪くもないといったところか。主にテストの途中で現実逃避してタイムロスしてしまったのが原因だ。

でも逆に考えれば一番苦手なのを最初に片付けることができたとも取れるのだが。そう思わなければモチベーションがもたないのだ。というかテスト嬉しそうに受けるのなんて白波先輩ぐらいじゃね?


「うう……つーかーれーたー」


そう言って紫苑が俺の机に突っ伏した。紫苑、疲れているのなら自分の席でグッタリしなさい。何故俺の席でグッタリするんだ。邪魔だ。


「初っぱなから英語はキツイよなー」


黄野も自分の席でグッタリしている。紫苑が近くにいるのにそれを気にしていられないぐらいの消耗具合だ。やばくね?

そういえば黄野は白波先輩との個人授業の成果は出たのだろうか。でもテスト疲れの人にテストの話題振るとかなにそれ鬼畜なので後で聞くことにしよう。具体的にはテスト全部終わった後とか。

しかしこいつらグッタリしすぎだろ。後々に響いたりしないだろうか?


「お前らテスト初日で気力使い果たして大丈夫なのか?」


そう言うと紫苑と黄野は更に沈み込んだ。しまった、これもNGワードだったか。だが事実だ。

この学園のテスト期間は長い。なにせテスト期間が七日間もあるのだ。一日にやるのは大抵は二教科だが一教科の日もあるため長いのだろう。

何故こんなやり方なのかというとなんでも一日一日に全力を出してほしいからとのことらしい。一日にめんどくさい教科全部やるよりはマシだがなんだかなぁ……。

それは置いとくとして幸いにも今日は英語だけだったが明日も勿論テストはある。それも二教科。まあ明日は国語と家庭科なのでさほどキツくはないのだが。


「とりあえずお前ら今日は早めに休めよ。 勉強は教科書流し読みするだけでじゅうぶんだろ」


そう言うとうなり声みたいなのが聞こえた。

なに今の?返事?少なくとも乙女ゲームの登場人物が上げちゃいけない類いの声であることは確かだ。特に紫苑。お前は女の子なんだからしっかりしなさい。

まあいい。今いくら言おうが俺の言葉は二人には届かないだろう。それはともかく今日は俺も疲れた。遠目から見ただけだが及川も疲れてそうだったし今日は軽く復習するだけにしてさっさと寝ることにしよう。



翌日、テストが終わった後には昨日と同じ光景が広がっていた。それすなわちグッタリする紫苑と黄野。

確かに国語は文章問題とかめんどくさかったけど家庭科は楽だっただろ。なぜオーバーヒートするんだ。

二人の意識が強制シャットダウン気味だったので及川と話すことにした。


「あ、黒田君。 テストどうだった?」


「国語と家庭科だからな。 特に問題はない。 及川はどうだったんだ?」


「昨日の英語は? 私が教えたからどうなったか気になるの」


「おかげさまで赤点は免れた。 平均以上は厳しいだろうが俺にしてみれば良くできましたってとこだ」


「ふふ、勉強会やった甲斐があったみたいだね」


全くだな。うん、これからはテスト前には勉強会をやることにしよう。


「ところでさ」


「ん?」


「紫苑と黄野君……大丈夫なの?」


「寝れば治るだろ」


まあ治っても明日のテストでまた同じようになるだろうけどな。




テスト三日目。予想通り今日も二人はグッタリしている。そろそろ見慣れてきた。

しかし今日は歴史しかやってないのだがそれでも疲労しているとはどういうことだ。ほぼ暗記で大丈夫なんだからそこまで疲れないと思うんだがな。


「黄野、大丈夫か? この程度で倒れてちゃ明日辛いぞ」


「あ、明日の話はしないでくれ……」


現実を見なさい。気持ちはわかるけど。


「今はもう少し……このままで……」


ちょ、おい!せ、先生、来てください!黄野が召されそうです!



テスト四日目。今日も二人はテスト終了後はグッタリしている。流石に古文と物理学のコンボはキツかったらしい。

そんな二人はそっとしておいて今日は気分転換に及川と二人で購買でなにか買って食べることにした。

購買に向かう途中、緑川先輩と小鳥遊先輩が一緒にいるところを発見し思わず二人して隠れる。


「あ、あの、先日は勉強を教えていただいてありがとうございます!」


「いやお礼とかいいよ。 それよりテストは出来た?」


「は、はい! 優様に教えていただいたおかげで前回よりもできましたわ! 本当にありがとうございます!」


「いやだから……もういいや」


あ、緑川先輩諦めた。でも笑ってるから問題はないか?とりあえず小鳥遊先輩は人の話を聞きましょう。

どうやら勉強会を切欠にそれなりに仲良くなったらしい。その結果に満足してガッツポーズすると及川も真似してガッツポーズしてた。でもそのあと若干恥ずかしがってた。

なにこの人かわいい。



テスト五日目。今日はテストが音楽だけだったので流石に二人も余裕があるようだ。

でもテストの結果、というか順位が貼り出されるらしいという話をすると目から光が消えた。こわい。

貼り出されるのは上位の人だけなんだがそれを言った方がいいかな?でも貼り出されると思えば嫌でもやる気出るんじゃ……うーん、悩む。


「どうしたの?」


悩んでると及川が話しかけてきた。そういえば及川って二人みたいにグッタリしないよな。いやそれが普通なんだろうけど。


「実はな……ちょっと耳を貸せ」


漫画的に表すならゴニョゴニョという感じで及川に悩んでいることを伝える。ちなみに俺としては黙っていた方がいい気がする。及川は少し悩んでから口を開いた。


「うーん、黒田君のいう通り黙ってた方がいいかも。 この程度なら後々笑い話ぐらいにしかならないし」


「ま、こいつらは多少追いたてられた方がいいだろ」


「ちょっと可哀想な気もするけど」


「おいおい、及川も黙ってることに同意したんだから共犯だぞ」


「ふふ、そうだね」


なんかやけに嬉しそうだな。まあ秘密というものはどんなものであれドキドキするものだが。


「でもちょっとフォローした方がいいかも。 今日は紫苑誘っておやつでも食べに行かない?」


なるほど。甘いもので釣る作戦だな。では早速。


「紫苑、甘いものでも食べ行くか?」


「行くっ!」


復活はやっ。

なお、黄野は呼んでも返事がなかったので放置した。甘いもの買ってきてやったし別にいいよな。


テスト六日目。今日は数学と生物学だったのだがどういうわけか紫苑がピンピンしてる。黄野はいつも通りなだけにどこで差が出たのか気になる。と、思ってたら答えは直ぐ出た。


「純! 美羽! おやつ食べに行こっ!」


ああ、甘味の差か。甘党おそろしや。

でも連日甘いものはキツかったので今日は遠慮した。二人で存分に堪能してきてくださいな。

だが気分転換は必要だ。なので何となく青葉先輩に会いに行くことにした。

二年の教室に行くのは慣れたもので違う学年の階にいるときに感じるあのなんとも言えない違和感も感じることがなくなってきた。

最早顔見知りになっている青葉先輩のクラスメートに頼んで青葉先輩を呼んでもらう。


「あ、黒田くん……。 どうしたの……?」


「すいません、それ俺のセリフです」


青葉先輩の顔を見て驚いた。顔色か若干悪いのだ。元々儚げなのにそれが五割増しぐらいになってる。


「ちょっとね、軽い風邪になっちゃったみたい……」


「大丈夫ですか?」


「うん……」


なんかダメっぽい。

しかしだからと言って俺に出来ることはないので無理しないようにだけ言って早々に退散したのだった。

しかし風邪なんてどうしたのやら。もしかして紫苑に勉強教えるの頑張りすぎて力使い果たしたとか?まさかね……。




テスト最終日。化学という名の壁を乗り越え、遂に我らは自由を手にした。ちょっと大袈裟に言ってみただけだ。

ちなみに紫苑と黄野は燃え尽きている。無茶しやがって……。

まあそれは置いといてテストという夏休みの前にある最大の障害を乗り越えた今俺のテンションは否応なしに上がっている。

しかも今日は七月七日。七夕である。天体観測するにあたりこれほど丁度いい日はなかなか無いだろう。

問題は現在空が曇り気味なこと、そして夜までに晴れるかどうかなのだがそこは運任せなのでどうすることもできない。せめて今からでもてるてる坊主でも作っておくべきだろうか。


今回はそんなに時間掛からずに投稿できてほっと一息。

そういえば黒田君ってどういうイメージ持たれてるんだろう?最近そんなことが気になり始めた。

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