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恋物語の片隅で  作者: 那智
6月
32/64

勉強会の準備をしましょう

ようやく更新できたーーーーーー!

最近脳がオカルト脳でコメディ書けなくてマジで焦った。

そんなわけで今回のは半分リハビリのようなものです。

すでに勉強会のメンバーは俺、及川、緑川先輩、小鳥遊先輩とそこそこの人数になっている。

人数的には俺と及川、小鳥遊先輩と緑川先輩って感じに分かれればマンツーマンで出来てちょうどいいのだがここで黄野をハブるとか悲しすぎる。ボッチ生産反対派の俺としてはそれは看破できない。

そういうわけでさっきから探しているのだがどこにもいやがらねえ。どういうことだちくしょうめ。

教室には居なかったし部屋にもいない。部活はすでに休みになっているのであり得ないし食堂でも姿を確認することはできなかった。

そんなわけで一縷の望みをかけ生徒会室に向かっているのだ。まあいなかったらいなかったで生徒会の仕事を手伝えば無駄足にはなるまい。

時期が時期なので先生方も空気読んで仕事をまわしたりしてこないがそれでも僅かながらはあるのだ。その仕事をいくら白波先輩がやってくれるとはいえ任せっぱなしはさすがに心苦しい。でもぶっちゃけるとテストが近づいている今の状況で下手に仕事を引き受けたりすればヤバイ。主にテストの点が。

任せっぱなしは嫌。でも仕事したくない。悩みに悩んだ結果ある名案を思い付いたのだ。それは生徒会室にさも別件で来たことを装うことだ。これならば用事ついでに手伝うというのが不自然ではないし、仕事が多ければそそくさと立ち去ることもできる。そして今の俺には黄野の捜索という名目も加わっているので言い訳もばっちり。

つまり何しに行くかをまとめると黄野を探すついでに大して仕事などあるまいという打算的な内心を隠しつつ先輩を気遣う後輩を装いに行くのだ。うん、なんだこれ。

そんな内心はさておき生徒会室に入る。そこで俺は驚くべきものを目にすることとなった。


「なっ……き、黄野が……」


信じられなかった。いや信じたくなかったのかもしれない。それほどまでに目の前の光景は俺にとって信じがたいものであった。


「仕事してるだと……」


「俺が仕事すんのはそんなに驚くことなのか」


驚くともさ。お前今まで散々俺に仕事押し付けてきただろうが。生徒会室に無理矢理連行したこともあるし。

なのに突然自主的に仕事をするなんて!どうせなら俺の分の仕事しろよ。お前がやるはずだった分だけでいいからさ。


まあ、それはともかくだ。視線を黄野から外し横を見る。そこには思いっきり寛いだ感じで紅茶を飲む白波先輩の姿があった。何でこの人ここが自分の部屋ですがって顔して寛いでんの?

白波先輩から少し離れた所の机には赤海先輩もいた。こっちは普通に仕事をしている。

うん、思い描いていた光景とはだいぶ違うな。こう、白波先輩が頑張っているのを想像していたのだがまさかこの二人が頑張っているとは。

いや赤海先輩は改心したからまあ納得できるとしてなぜ黄野が……。

あ、もしかして対抗意識?赤海先輩がきちんと仕事するようになったからそれに対抗してとか?いやでも赤海先輩真面目になったんなら敵視する必要はないはず。……うーん、一度抱いた感情には折り合いがつけにくいのかね。

それはともかくこうして三年の先輩方に会うのは久しぶりな気がする。特に赤海先輩と会うのは例の一件以来である。つい最近のことだがなんだか久しぶりに感じられた。それだけ内容が濃かったのだろうか。


「なあ黒田」


「なんだ?」


考え込んでいたら黄野が話しかけてきた。その目はチラチラと白波先輩に向けられている。


「副会長っていつもああなのか?」


「いつもかは知らんが前に一回やってるの見たことある」


「すげえな」


ほんとにね。副会長なのに地味に生徒会室私物化してるところとかマジ凄い。真似できないししたくない。


「どのくらいの頻度でやってんだろ?」


「聞くか?」


「本人にか? それはちょっとなー」


まあそりゃそうだな。だが本人に聞く以外にも方法はある。


「いやもう一人いるだろう」


そう言って赤海先輩に視線を向ける。


「……マジ?」


「同じ三年なんだから俺たちよりは詳しいだろ。 ためしに聞いてみるか」


「いやそこまでして知りたくは……」


知ったことか!俺が気になるんだ!

そういうわけで赤海先輩が関わると知った途端に乗り気じゃなくなった黄野を置いて赤海先輩の元に向かう。


「赤海先輩、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」


「黒田か。少し待ってくれねえか? 」


赤海先輩はそう言って手際よく仕事を片付けていく。つか仕事の速度俺より早くね?うん、自信無くす。赤海先輩ってやればできる子だったんですね。


「仕事早いですね。 俺もそれぐらい早くできるようになれればいいんですが」


「その分お前は丁寧じゃねえか。 それにこれぐらいじゃ俺は納得しねえよ。 まだ遅い」


「今でも十分早いと思いますけど」


「いやまだまだ。 これじゃ泰斗の足元にも及ばねえよ。 今までサボった分を取り返せるようにもっと努力しねえと」


謙虚な俺様……新しいね!新しすぎて違和感がヤバイ。というかイベント前とイベント後で性格が劇的ビフォーアフターすぎる。


「それで何が聞きたいんだ?」


「えーと、凄くしょうもないことなんですけど」


こほん、とひとつ咳払い。そして赤海先輩の目をしっかり見て疑問を口にした。


「白波先輩っていつもティータイムしてるんですか?」


「………………」


わあ、すっごい呆れ顔。赤海先輩にこんな目で見られるなんてファーストコンタクト時の俺は思ってもいなかったよね。


「……一応聞くがなんでそんなこと聞くんだ?」


「なんだか気になりまして。 いつから生徒会室にティーセットを常備し始めたのかとか」


「……まあ確かにな。 だが悪いがそこまで知らねえぞ。 昔っから仕事サボってばかりだったからな」


えー一年生の時ぐらいはちゃんとやりましょうよ……。思わずジト目。


「そんな目すんなよ。 これでも反省してるんだからな。そうだな……たまに来たときに茶を飲んでるのを何度か見たぐらいだな」


その茶って紅茶のことですよね?その言い方だと緑茶っぽいです。というか白波先輩が緑茶飲むってなんか違和感あるね。あの人見た目洋風だし。


「そうですか……ありがとうございます」


ぐぬぬ。ここまで情報を小出しにされると余計に気になってきた。このままでは気になりすぎて夜しか眠れなくなってしまう。


「 どうしても気になるってんなら直接聞いたらどうだ。 なんだかんだでそれが一番手っ取り早いんじゃねえのか?」


「結局そこに落ち着くんですね」


赤海先輩に礼を言って話を終わらせるとため息をひとつ。

結局のところ本人に聞くのが一番ということか。要らん回り道をしてしまったな。いやそもそもこの質問自体が回り道のようなもんだけどな。

ちらりと白波先輩を見ればさっきと変わらずまだティータイムしていた。いやよく見たらお茶菓子が増えている。前にも思ったけどどっから出したのそれ?そもそも生徒会室に完備するのやめろや。

とりあえずまずは挨拶をしよう。挨拶が出来ない奴はゴミです。


「白波先輩、いつも(無駄に)優雅ですね」


「おや黒田、ありがとうございます」


誉めてねえよ皮肉だよ。突然言われたことに疑問を持てよ。

無駄に、の部分を口に出して言うべきだったか。まあそこんとこぐだぐだ言っても何も得るものがないので置いておく。


「しかし前も思いましたがなぜこんなものを常備してるのですか? 」


「やはり休憩は大切ですからね。 少ない時間で最大限リフレッシュするために用意したのですよ」


なるほど、理屈は通っている。だがやりすぎだろ。


「なんかやりすぎな気もしますがまあいいです。 いつ頃からティーセットとか用意してるんですか?」


「二年生の時に用意しましたよ。 あ、ちなみにティーセット持ち込みの件ですが先生に生徒会室はある程度自由に使って構わないと言われましたので問題ありませんよ」


合法だと……!というかなにしたら学校の教室のひとつを自由にしていいって言われるんだ?つかそんなこと許可するなよ先生。誰だか知らないけど。


「この学園は生徒の自主性を高めるためという名目で普通の学校では許可しないようなことでもどんどん許可しますからね。 これもその一貫でしょう。 つまり『頑張れば頑張っただけいいことがあります』ということを実際に示したのですよ」


「限度があると思いますけどね」


おおっと、こんな雑談をするためにここに来たのではなかった。黄野に用があるんだった。


「そういえば黄野、今度勉強会するんだがお前も参加するか?」


「お、助かるぜ。 今回ヤバイ気がしてたからなー」


うーし、これで黄野も参加、と。あ、一応どの辺教えればいいのかも聞いておこう。


「どこを重点的に教えてほしいとかあるか?」


「……できれば全部」


「マジか」


おぅ……まさかここまで出来ないとは思わなかった。部活もいいけど勉強もしっかりやりなさいって言ったでしょ!たしか!


「まったく、これじゃ黄野一人に時間を取られかねないな。 さて、どうするか」


「なら私が教えましょうか?」


「はい?」


思わぬ所から救いの手が差しのべられた。


「あの、白波先輩自身の勉強は? 仕事も多かったしあんまり余裕あるとは思えないんですが」


「大丈夫ですよ。 予習復習をしっかりやっていますからテスト前勉強をしなくてもそれなりの点は取れます。 流石に満点は厳しいでしょうが……」


やだ、この人すごい。もうすごい通り越して気持ち悪いレベルで完璧超人だ。良い子だってそんなん真似できねえよ。まるで無駄に学力凄いアピールする乙女ゲームみたい。って乙女ゲームの世界だここ。

まあ勉強できる人が教えてくれるのならそれに越したことはない。勉強ができるのと教えることがうまいのは必ずしも比例しないが白波先輩だったら大丈夫だろう。


「それならよろしくお願いします」


「ええ、任せてください」


こうして勉強会に異常なまでに頼もしい人が加わったのだった。ちなみに赤海先輩は他にやることがあるらしいので勉強会参加は無理だと言っていた。残念。


えーと、まとめると勉強に参加するのは俺、及川、黄野、小鳥遊先輩、緑川先輩、白波先輩だな。なにこの豪華メンバー。

なんだかずいぶんと豪勢な勉強会になりそうな予感がするな。

次ぐらいで六月はラストかなー?そんで七月もなんやかんやで短くなりそう。

うーん、七月終わったらちょっと番外編みたいなの入れてみようかな?

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