ありきたりな展開です
スマホに慣れるためにスマホで文章打ってたら予想以上に遅くなってしまった。
断じて艦これやってたから遅くなったわけではない。
これから先、赤海先輩関連のイベントが前倒しされるかもしれない。
それは具体的にいうと本来ならルート確定後に起こるイベントがこの時期に起こるかもしれないということなのだ。
これはまずい。何がまずいって紫苑が関わっていないというのにガンガンイベントが進むのがまずい。
ちなみに肝心の赤海先輩のイベントがどういうものかというとやっかいなことに『物語』で唯一暴力描写があるイベントなのだ。
『物語』ではまず赤海先輩が不良グループとの喧嘩を紫苑に見られるところから始まる。ちなみに『物語』ではこの時点でも未だに赤海先輩の性格は俺様である。
そして紫苑に暴力を咎められ、内心紫苑に惹かれていた赤海先輩はそれに酷くショックを受ける。
俺に言わせりゃ何を今更って感じだけど。
それはそうとショックを受けた赤海先輩は二度と暴力沙汰を起こさないと誓うわけだ。
そこで終わればよいのだがそんな赤海先輩を今まで散々ボコされていた奴等が放っておくはずがない。
当然の如く呼び出され殴られたりするのだが赤海先輩は暴力を振るわないことを誓っているために手を出さない。
一方紫苑は赤海先輩の様子や怪我から誰かから暴行を受けていることに気付くのだが肝心の赤海先輩は紫苑を巻き込まないためにシラを切り続ける。
このあと同じようなシーンが何度か続く。(妹曰く非常にまどろっこしいシーン)。
まあ、この辺はめんどくさいので省略する。青春シーンはありきたりで飽きるのだ。
そしてお約束の如く無抵抗の赤海先輩に対して調子に乗った不良グループは更に暴行を過激化させていってしまう。
普通ならばここらでさすがに学校側が気づきなんやかんや対策を取るものだろうが赤海先輩は学校側から見れば不良グループの一人にしか見えないので厳重注意で済まされてしまうのだ。
さらに過激になる暴力に巻き込まないためにより一層紫苑を突き放す赤海先輩と赤海先輩に何があったのか知りたい紫苑。二人のすれ違いは大きくなっていく。
それでも赤海先輩のことが心配な紫苑は何度も赤海先輩に会いにいくのだがその結果、不良グループに目をつけられてしまう。
せいぜい仲の良さげな女の子の前で目障りだった奴をいたぶってやるぐらいしか思っていなかった不良たちも紫苑の激しい抵抗につい手が出てしまう。
それによって赤海先輩マジギレ。フルボッコタイム。
それでまあ結果的に紫苑と赤海先輩がちゃんと話し合う機会が出来て二人は和解。
赤海先輩が最後に紫苑を本当の意味で守ることを誓ってエンド。
と、いうのが赤海先輩ルートの話である。
さすがに合間に起こるイベントなどは思い出せないが流れは大体こんな感じであってるはずだ。
現在起こった出来事は詳細は違えど大まかな流れは同じ。
つまりこれからの流れも同じ可能性があるということだ。
そしてその可能性は緑川先輩からの情報提供によってさらに強まった。
緑川先輩が女子生徒たちから聞いた話によるとなんでも最近この学園では珍しい素行の悪い生徒を目撃するようになったらしい。
つかこの学園にもいたんだそういう生徒。今まで見たことなかったのはたぶん赤海先輩がいたおかげだろうな。
俺は表面上は品行方正な生徒やってるから学園側……というか生徒会が味方に付いてくれて不正を暴くことができたけど不良生徒が赤海先輩に喧嘩売られたらほぼ詰む。
逆らったら一発アウトだし、普段の行動ゆえに庇う教員もいないからおとなしくせざるえなかったというわけだ。
だが一月前の事件で赤海先輩を贔屓していた教員はいなくなった。溜まっていた鬱憤を晴らすにはいい機会というわけだ。
そう考えると俺とんでもないミスしてたんだなぁ……。こりゃ本気でこの問題に取り組まないとやばいな。
さて、緑川先輩からの情報によってイベントがおおよそ『物語』の流れと変わらないことが確信できた。
しかしそれからというもの一向に成果は挙がらなかった。これではさすがにお手上げである。
そこで俺は探しまわるのを一時中断することにした。果報は寝て待て、というやつである。
後手に廻ってしまうが仕方ない。あちこち動きすぎて肝心なときに行動できないのが一番まずいのだ。
部屋の中は静かだった。
いつもなら本のページをめくる音が聞こえるのだがそれすらも聞こえない。
そんな静寂に包まれた部屋の中で俺は退屈で死にそうになっていた。
退屈しのぎに手の中でペンをくるくると回すが集中できてないせいか(もともとさほど上手くはないのだが)ペンはすぐに手からこぼれ落ちてしまう。
それを忌々しく思いつい苛立たしげに舌打ちをした。
っと、いかんいかん。大分イライラしているな。落ち着かんと。
なぜ俺がこんな状態になっているかというとそれは所謂禁断症状のせいである。
普段部屋にいる間は本を読んでいるのだが先日、本を読まないと誓ってしまったが故に凄まじく手持ちぶさたなのだ。
このまま部屋の中にいれば発狂しかねない。至急脱出しなければ。
こ、こんなところにいられるか。俺は自分の部屋から出るぞ。
なぜ自室から逃げてんだとかいろいろ思うところはあるがやむを得ないのである。
部屋から脱出したはいいが外に出ても特にやることはない。
そのため自然と足は人が集まる大広間に向けられた。
生徒会の仕事のこともあって俺が普段、主に話すのは生徒会、および天文部のメンバーが多いが別にそのほかの友人がいないわけではないのだ。
運がよければ知り合い・・・というかクラスメートとかがいるかもしれない。
どういうわけか大広間にいた知り合いは黄野だけだった。
なんでうちのクラスメートおらんの?みんな引きこもってるの?部屋から出ろよ。
しかしほかに人がいないとなると必然的に黄野と話すことになるのだった。嫌じゃないけどさ。
「なあ黒田、今暇か?」
「暇といえば暇だな」
「じゃあ購買行かねぇ?」
そういうわけで黄野と購買に行くこととなった。断る理由もないしな。
お菓子を摘みながら雑談か。うん、最近はイベントが重なったこともあってまともにゆっくりする機会がなかったのでちょうどよい機会だな。
廊下をのんびりと歩きながら黄野と雑談をする。
「さて、何を買おうか?」
「あ、そういえば新発売の菓子があるってよ」
「じゃあその辺買うかな」
「へへ、そうすっか」
「ところで、その新商品ってどんなのか知ってるか?」
「えーっとたしか・・・スナックとチョコレートだったはずだぜ」
チョコか。紫苑が好きそうだな。
せっかくだしいくつか買っていってやるかな……。いや待てよ……。
「それだったら多めに買っていくつか紫苑にお裾分けしたらどうだ? 多分……いや絶対喜ぶぞあいつ」
「そ、そーだな!」
未だに黄野は紫苑にまともなアプローチをかけれてない。
一目惚れのくせして行動が遅いな。これでもちょくちょく煽ってるんだが……。
まあ、仕方ないか。黄野ってば致命的に間が悪いし。
こればっかりは誰にもどうすることはできないのだ。
もっとも黄野がアプローチかけてないのはただ単にまだその時期ではないだけかもしれんが。
ま、なんにせよこれで黄野が紫苑と話すきっかけはできたな。あとは黄野が頑張ることだ
。
ふふふ、黄野の恋愛の手助けをすると同時にさりげなく出費を避ける。うむ、完璧だ。
そこ、せこいとか言わない。お金は有限なんだから可能なら節約しないとならんのだ。学生ならなおさらだ。
節約ついでにちょい煽っておくか。
「ところで黄野、お前いつ紫苑に告白するんだ?」
「ぶっっ!!?」
噴くな汚い。しかしこの反応……煽り方間違えたかな?
「くくくくく黒田!? おまっ、いきなりなに言ってんだ!?」
「いや、お前明らかに紫苑に惚れてるのになかなか行動起こさないな、と思ってな」
「待て待て待て! まだ高倉さんと知り合って2ヶ月ちょっとだぞ!? いくらなんでも早すぎるだろ!」
大丈夫。世の中にはナンパだとか合コンだとか出会ったその日にある程度仲を深める文化がある。
だから黄野が現時点から行動を起こしても何ら問題はない。むしろもっと積極的になってもいいぐらいだ。
「なに言ってるんだ。 行動に早すぎるということはない。 むしろ赤海先輩なんか1ヶ月前にはもう行動してるんだぞ」
その結果破滅しましたがね彼。
まあ、ちゃんと節度を持てば問題あるまい。赤海先輩のあれは行動っていうかどっちかっていうと暴走だったしね。
物事が悪い方向に進むのではないかという不安はわからないでもない。だからといって何事も行動しなくては何も始まらない。何も変わらないのだ。
「そりゃあそうだけど……」
ええい、いい加減覚悟を決めやがれこのヘタレ。
そんな風に黄野を煽っている時だった。
「ん?」
視界の隅にこの学園では珍しいガラの悪い連中の集団を捉えた。思わず足を止める。
黄野が「どうした?」と、聞いてくるが応えるのは後回し。そんなことよりも優先すべきことができたのだ。
いやぶっちゃけその集団のことは心底どうでもいい。問題はその集団の中に赤海先輩がいる、ということである。
黄野もそれに気づいたらしく足を止めた。
「なんだあいつら・・・」
「最近噂になってる不良たちだろう」
「それどこ情報だ?」
「緑川先輩。 女の子から情報仕入れてきてくれた」
おい黄野微妙な顔すんな。女性の噂をあなどっちゃ駄目だぜ?
しかしまずいな。こうも数が多いと下手に手が出せない。そもそも俺荒事嫌いだけど。
ここは味方が欲しいな……しかしこの場にいるのは黄野だけ。ちゃんとお願いすれば赤海先輩助けるのに協力して……くれるよね?
「なあ、お前が赤海先輩を嫌ってるのは知ってる。 それを承知で頼みがある」
「……なんだよ」
「少しだけ手を貸してくれないか? 俺一人じゃキツイかもしれない」
「……はあ、お前のお人よしにはあきれるな。 だけどお前にはいつも借りを作ってばかりだ。 だからたまには借りを返さないといけないな」
「それじゃあ……」
「手伝うよ。 それに不良生徒の摘発も生徒会の仕事だもんな」
ゴメンそれ初耳だわ。そんなこともすんのかよ生徒会。そこは風紀委員に任せようぜ。
まあ、心強い味方も得たことだし行きますか。
と、いうわけで赤海先輩(とその他大勢)をレッツストーキング。
不良の集団の後をつけながら不良たちの人数と持ち物を調べる。
大体数は十数人ほどでバットとかそういう感じの長物はなし。まあ、チンピラじゃあるまいし学生という身分なら当然か。
つかそんなもん持ってたら怒られるどころじゃ済まないからな。警察がくるレベルだ。
しかし思ったよりもバレないように尾行するというのは難しいな。なるほど、探偵という職業に需要があるわけだ。今そういうの関係ないけど。
小鳥遊先輩にストーキングのコツ聞いとけばよかったかな?いややっぱいいか。そんな技能覚えたってまともな使い道ないし。そもそもあれは天然だろう。
とはいえ彼らは予想してたよりも注意散漫だったので俺と黄野は比較的容易に後をつけることができた。
まあ、自分が常に見られてると思うような奴は極度の被害妄想持ちか凄まじいナルシスト、もしくは重度の厨二病かのどれかだ。
それはそうとこいつらどこ向かってるんだ?えーと、この方向はたしか……。
「なあ、この先って体育館……だよな」
「ああ、王道だ」
いわゆる“体育館裏に来いや”ってやつですね。
発見されないように念には念を入れて少し時間を置いてから体育館裏を覗き込んだ。
赤海先輩が明らかに不良って感じの生徒達に囲まれている。だが赤海先輩は彼らに対して一歩も引く様子がない。
一発殴られたらしく尻餅をついてる先輩だがその顔は遠目から見ても周りの奴らを嘲笑っておりそれによって不良たちから発せられる殺気が高まっていく。
な、なんだか一触即発な感じに……。なんで挑発するんですか赤海先輩。おとなしくしてろよこのやろう。
「どうする? 止めに入るか!?」
「いや待て。 まずは落ち着け」
そう言いながらも実のところ黄野より俺のほうがパニクってたりする。
現実問題ここで彼らの間に割って入ったとて止めることができるのだろうか?普通に考えてまとめて殴られる線が濃厚だ。
その場合、黄野はともかく俺はフルボッコにされるだろう。自慢ではないが俺の喧嘩の経験はゼロである。
し、しかたないだろう。こちらとら痛いのは嫌いなのだ。
っと、そうこうしている間に今にもリンチが始まりそうだ。
ええい、ここは古典的で使い古されたあの方法しかあるまい。
「黄野、耳を貸せ」
「ん? ああ」
黄野にこれからやってもらう事を説明すると黄野はあからさまに渋い顔をした。
「おい、そんなんで大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。 今まで先生にチクられるのをびびっておとなしくしてた連中だぞ」
「それもそうか。 でもなんでお前がやらないんだ?」
「……大声出すのは苦手だ」
「はあ……しかたねえな」
黄野は大きく息を吸い込むと思いっきり叫んだ。
「先生こっちです! 体育館の裏に連れて行かれました!」
黄野がと不良グループがいる方から「先公!? やばいぞ!」だとか「逃げろ!」とかいう声と大勢が走り去る足音が聞こえた。
何も聞こえなくなってから顔だけ出して様子を窺う。そこには赤海先輩がひとり尻餅ついて座っているだけだった。突然のことに思考が追いついていないらしい。
不良たちは反対側から逃げたようだが一人も真偽を確認しに来ない辺りちょろいと言わざる得ない。つか使い古された手ながら驚くほど効果的だな。
さて、ではお話を窺いますかね。
黄野にここで待っててくれ、とお願いしてから尻餅ついたままの赤海先輩に近づいていった。
最近更新がのんびりになっているのでストーリーが破綻しない程度に急がなくては。




