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第1週 1-1



第1週


―――1―――


中学校の靴箱はやたら高い。一番上の段なんか、わたしの頭一個分ほど上に位置している。新入生の名前シールが貼ってあった。小学校は誕生日順だったけれど、中学校では名前の五十音順になっているみたいだ。


一年、五組。わたしのクラスカラーであるオレンジの名前シールを目で辿った。一クラスにつき、三十五人。六クラスあるから、結構な人数だ。


―――えーと、ミズノ、ミズノ……。

ぶつぶつと呟きながら名前を辿っていると、他の生徒もわたしと同じように首を上から下へ、丁寧に目を凝らしているのが見えた。あの子も、同じクラスなんだろうか。背がわたしよりも低くて、可愛らしい女の子だ。


「……あ、あった」

ミズノ・アズサ―――水野梓。それがわたしの靴箱に貼られた名前シールの文字。運の良いことに、あまり高い場所ではなかった。よかった。小学校のときはクラスの背の順で後ろから三番目だったわたし。でもこのノッポな靴箱には背伸びしたって敵わない。一番上の段だったら、参ってしまう。


外靴を靴箱の中に入れて上靴を履く。真新しい上靴は、まだ少しだけ緩かった。


廊下を歩き出すと、壁のポスターがやたら目についた。風紀守・松本良平、家老筆頭・北篠美紀、勉学首席・川中波………。


何だ、これ。


部活の案内のようだけど、そうでもないようだ。そもそも『風紀守』って何て読むんだろう? フウキシュ? フウキマモル? 意味が分からなかった。




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