マライヤ
はぁ~、時間が足りない。ってより考えてたことを、書こうとした瞬間、消えていってしまう…なるべく消えない内に書いていますが、この現象により時間がもの、すごぉぉぉぉ~くかかってしまいました。
財布の件をマライヤさんに話すと、リリーめ余計なことしやがってとか、あの忌ま忌ましい学院長が全て悪いんだと呟いていた。
最終的には俺が資金が調達できるまで一人暮らしのマライヤさん家に世話になることにった。
「少し散らかってるが、遠慮せず入って、入って。」
「おっ、おじゃま、します…」
俺が緊張して入ると、目の前には…
きっっったねぇぇぇぇーー!どう見てもゴミ屋敷じゃん。こんなとこで生活してるのかこの人は…
ゴミ袋が置いてあるのはこの部屋ならスタンダードで、なぜに玄関にビールの缶やらフライパンがあんだよ!
つうか入ってっていわれても足の踏み場もないし、床がゴミで見えないし。少しとかの領域じゃないと思うなコレは。
何時までもほうけている訳にもいかず、覚悟して踏み分けて入る。
グチャ
うぇ、何か踏んだ。ちょっとヌメってしたもの。確認しようにも色々落ちてて見えない。
どうせココで取ってもまた踏みそうだし、気になるけど!そのまま進む。
リビング当たりで、埋もれているがかろうじて使えそうな椅子に、マライヤさんが座って待っていた。
「その辺り自由に使っていいから。布団とかないしソファーで寝てもらえる?」
比較的ましのテーブル――もちろんレトルトとかカップ麺が山になって置きっぱなし――で今後についてついて話す。
「はい、ありがとうございます。」
その辺りと言うのはどの辺ですか?ソファーなんて何処にあるんですか…とは言うと面倒なことになりそうなんで、とりあえず了承した。
「んで明日にはリリーから財布を手に入れれると思うから、場所は何とかなるとして。まあその前リリーとっちめるけど…。私が居ない間に何かあるといけないから、道具と小遣いあげとくわね。」
半月の銀貨が3枚と腕輪が俺の前に置かれる。
「腕輪には翻訳魔法が組込んでいるわ。普通の魔法は一日で切れるから、常時かかるようにするため腕輪は常にしてて。
そして小橋君は日本人だったわね。この半月の銅貨一枚がほぼ1円の価値。半月銀貨Kが一枚が千円、んでここにはないけど100万円が半月金貨Mと思ってくれればいいわ。単位はC。
後は、このほぼ円形をしたのが100の位、真ん中に穴があいたのが10位を表すから覚えておくように。質問はある?」
「いえ、特にないです。」
「それじゃあ、私はお風呂入るから、あそこの部屋は入ったら駄目。食料はあの棚にあるから好きなの食べちゃていいから。」
そう言ってマライヤさんは自室らしきところへ入ってしまった。
さてソファーってどこにあんだろ?しかし、よくこんなとこで生活ができるな〜。よし、いっちょやるか!
「あら?なんか部屋がさっぱりしたわね。」
「さっきは質問がないって言いましたが、一つデッカイのがありました。何ですか!あのゴミ山は!」
「うっ、忙しくて暇がなかったのよ。別にそんなに溜まってなかったでしょ。」
駄目だこの人、あの大量が少しにしか思ってない。まあそんな予感はしていたんだが…服はその辺りに散らばってるし、食料はレトルト系しかないし、冷蔵庫はアルコールのみ。
外ではできる人物ように見えたが、私生活は駄目駄目な人物ようだ。何かとお世話になる、いや、することになるだろう。
※※※
財布奪取やら、爆破実験、、蓮華の携帯メール攻撃やらを経て、なんとか無事に入学式当日を迎えた。当初部屋を見つけて一人暮らしをするつもりだったのだが…料理・洗濯・掃除をしていたら、マライヤさんに気に入られてしまい、まだあの部屋で世話になったままである。
「皆の諸君。栄えある我が魔法学院にようこそ!私がこの学院の長、シュタイナーザ・グエンテスである。此処には地球人、アルテリア人も分け隔てなく同じ学生だ。地球人とアルテリア人、多少の習慣や文化の違いから問題はあると思う。だが同じ魔法を学ぶ者どおし、切磋琢磨していって欲しい。
改めて、歓迎する。ようこそ!アルチ・キューリア魔法学院へ!」
舞台の学院長は話を終え舞台袖に消えた。
何千人も入ってそうなホールで、後ろ列の隅の椅子に座り参加していた学院の始業式も、学院長の話を最後に終わった。
今からは俺も正式にアルチ・キューリア魔法学院の生徒となる。
地球に対して異世界はアルテリアという名の世界らしい。習慣や文化のせいかクラスには数名の地球人しかいない。
学力テストや運動能力測定、魔力検査などを行い、あっという間に2週間が過ぎた。
順調に新しい生活が始まっていたが、最後の魔力調査日に学院から急遽呼び出しを受けた。
何かトラブルでもあったのかな?と思いながら呼び出しの場所の職員室入る。
「おう、来たな。」
入るとマライヤさんが迎えてくれた。
「ユート、お前は今から学院から自宅に帰ることを禁止する。」
・・・ついに人という概念からズレたか。
「何いきなり突拍子もないこと言ってんですか!マライヤさん、それは職権乱用ですよ!俺に何の怨みがあるです?飯作りませんよ。」
一瞬変な方向の思考に陥ったじゃないですか…
「いやいや、私が決めたことじゃないんだよ、コレは!それに飯は作ってくれないと私が死んでしまう!」
「じゃあどういう経緯であんな言葉がでてきたんですか?ついでに飯はカップ麺でも食ってればいいじゃないですか…」
「うぅ…学院の方針で毎年下位…違った、先生からの推薦で6人を選抜し、長期強化合宿する習わしなの。そのメンバーにユートが選ばれたってこと。まあ最後の一人が決まらなかったからユートを私が捩込んどいたんだけど…」
「何余計なことしてんですか!」
「だって私が合宿の責任者だし、学院長のせいで私まで合宿するはめになっちゃたし。そうなると何かと知ってる人物がいたほうが楽…コミュニケーションがとりやすいじゃない。」
「今、楽とか言いませんでしたか?…まあマライヤさんのことですし、もう決定事項なんでしょ?さらにマライヤさんが管理なんてしたら合宿所が酷いことになりますしね。んで合宿所というのはどこなんです?」
「場所はこの窓から見えるよ、あこあこ。」
マライヤさんが指差す先へ視線を向けると、そこは校舎の裏であり、そこにプレハブ小屋が一つ建っている。
「………辞退させていただきます。辞退させて貰えないのであるならば、マライヤさんを訴えることにします。私は戦います!」
「訴えちゃ駄目、絶対駄目、そんなのに使えるお金は私にはない!…あっ、あこだって住めば都だって!ユートは一時期私がお金貸してあげたじゃん!その借りを今は行動で返してくれれば良いんだよ。」
「その借りたお金は利子までつけて、もう返したはずです。」
「うっ、そうだった。…お願いします、おねげぇします、どうか受けてくれませんでしょうか…私の…私の給料が…。これ以上減俸は…」
何度も何度も目の前で土下座で懇願され、確かにマライヤさんには少し恩義もあるし、俺が折れることにした。
だがこの選択で、天空島での生活をガラリと変えることとなった。
部屋の床が見えない人っていますよね?いつもどうやって生活してんだろと思うんですが…
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