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アルジージャ

考えるとファンタジーより学園のような気がしてきたので、ジャンルを学園にしました。

やっと天空島行き。

「うわぇぇ、上で何が起こってるんだろ?」


 話についていけていない、もう一人男子生徒が振動に怯える。

 まだ連続的に衝撃音が響き、振動が少しずつ大きくなる。


「何があった!B!紫!……チッ、やられたか、余裕がないか。まさかここまで大規模な襲撃してくるとは、相手の目的は何んなんだ?ここになんの価値がある?」


 男性は何かつぶやきながら考えこんでしまった。

 まさかな…だが可能性としてはあるか。アブレード、私はこの子たちとすぐここから離脱するわ。ここはしばらくは大丈夫だろうし、あたなたは前線の援護に向かってあげて。」


 女性が指示をとばす。そうしてる間にも衝撃音が段々近づいてくる。

 アブレードと呼ばれた黒いスーツを着た男性は


「わかりました。……っとと」


 地面が振動してる中、何とかバランスをとりながら男性は部屋から出ていってしまう。


「小橋君、佐々乃坂君。ここは多少危険になるかもしれません、ですので今から島に急遽転移することになりました。いいですね?」

「はいぃぃ!」

「了解です。」

「では私の腕にしっかり捕まってください。絶対に離さないでくださいね。」


 俺たちは右と左に分かれ、スーツの女性の腕にしがみつく。


「そのまましっかり捕まっててね。飛ぶよ、アルジージャ!」


 女性が叫ぶと同時に地面に幾何学模様が現れ、青く光り輝く。

 魔法陣!と思うと同時に浮遊感に包まれ、背景がノイズが入ったかのように一瞬ブレた。

 ―――次の瞬間、俺は周りが森の白い石でできた廃墟に一人で立っていた。さっきまで腕に捕まえていた女性ともう一人の生徒は目の前からいなくなっていた。




「┘┬?┤┐┌│─。」


 背後から何か音色のような音が聞こえた。振り返ると廃墟の入口に小さな女の子が立っているのが見えた。


「─、┌┤┬┘┌?」


 さっきの音はやはり言葉であるみたいだが、よく分からない。聞いたことのない発音。


「え?何いってるの?」


 俺の言葉を聞いたことにより、何か核心したようで少女はニタァーっと笑みを浮かべたが、すぐさま普通の表情に戻った。


 まずったかな、俺。


 面倒な予感が少女から漂ってくる、少女が俺に何かしようとしているか…少女を注意深く観察しながら、少しずつ動く。

 髪はショートの茶髪、目がクリクリとしていて笑うと可愛いと思うが、今はその目が笑っていない。

 ん?少女の後ろに、たまにヒョコヒョコと動く物体が見え隠れしている。

 体を右に少しずらし、彼女の後ろを伺う。少女の後ろにはふさふさの渦巻いた大きな尻尾が存在していた。


 尻尾!?


 ごふぅ、って聞こえそうなほどの衝撃が腹に走る。意識していなかった中途半端な態勢だったため、猛烈な衝撃に耐えられず、軽く吹っ飛び尻餅をついてしまった。


「ごほっ、いってぇぇぇな!何すんだよ」


 尻尾に気をとられたのもあるが、少女が目の前にくるのを全く感知できなかった。

 俺の腹にダメージを与えた目の前にいる犯人を睨む。


「コレで聞こえるようになったんちゃう?」


 少女の言葉がすんなり頭に入ってくる。


「あっ本当だ。…って何したんだよ、お前。」

「頭突きに決まってるやないか。あんさんが馬鹿にした目で私を見るからや、久々に綺麗に決まったでぇ」


 馬鹿にした目って、ちょっと尻尾に驚いただけじゃないか…


「頭突きでこの威力は初めてだな…、じゃなくて!何で急に言葉が分かるようになったんだよ!」

「そんなん、翻訳魔法叩きこんだに決まってるやろ。言葉つうじんのはかなり面倒やん?ところでであんさん、こんなとこでなんしとん?」

「翻訳、魔法、そうですか。えっと俺が今の何してたかといいますと…」

「―――ちょい待ち!」


 少女はそう素早く言うと、左右を探るように見渡す。


「…ここ、囲まれてるで。」


 その言葉に俺も周囲を伺うと、確かに微かだが何かいるような感じがする。


「何か嫌な感じやな~この感じは魔物か?なんで魔物がこんなに…あっ消えよった。」


 俺にはよくわからなかったが、戦闘は回避されたようだ…

 だが多少落ち着くと。今更だがさっきまでスーツの女性と生徒はどこか行ってしまったし、ここは何処かもさっぱり分からない。

 この状況、不味いのでは?そして客観的にみると俺は迷子なのか?…この歳で迷子、精神にダメージが…


「あの~いきなりですみませんが、助けてくれませんか?…ええっと……」

「ジョン・ケネディ。私の名前はジョン・ケネディや!あんたは?」


 嘘くせぇ。偽名にしか聞こえねぇよ、その名前。そして間にFを入れると、いずれ暗殺されるかもしれんぞ。


「あぁ、俺はゆう、いち…優一・佐々乃坂。あのケネディさん、俺を何処か…」


 流石にとっさに思いついた偽名は少女には通じていないようで、お見通しな態度だったが、


「…ええで、そのかわり、ほれ」


 俺に向けて右手を出してくる。なんか嫌な予感…


「カネや、カネ!誰かに頼むってことはカネが要るのはわかるよな?」


 やっぱりな、でも俺にはここがどこだかさっぱり分からん土地なのが問題。どっちに何があるかもわからんし。俺が不利過ぎる、渋々立ち上がり財布から千円を取り出し渡す。

 立ち上がると少女の身長は俺の胸くらいしかない。意外と小さいんだな。


「あぁん?なんじゃ変な紙やんけ。銀とか金とか、ジャラジャラ宝石もっとらんのかい!お前、さっき来たばっかり地球人の学生やろ!えぇい、ちょっとソレ貸せい!」

「えっ!」


 いつの間にか俺の手から財布が消え、彼女の手に俺の財布が存在していた。

 またしても彼女の動きは俺には見えなかった。


「おぉ、あるやないか!これは銅やな、おぉ!これは銀か?ちょっとくすんでるがいっぱいあるやんけ。」


 彼女手には10円玉や100円玉をウキウキした表情で取り出している。

 だがその時、先ほどから周囲に意識を半分さいていた俺だったが、どうやら遠くからこちらに向かってくるモノがいる。

 少女もそれに気づいたのか、俺たちは同じ方向に構えて待つ。

 そして近くからガサガサっと音がしたかと思うと、近くの茂みから赤髪のスーツの女性が飛び出してきた。


「よかった、無事で。小橋君、どこか怪我とかしてませんか?さきほどヴァンウルフを何体かいましたので…おや?貴女、リリーじゃないですか、こんなとこで何しているんです?」


 俺を転移してくれた女性、どうやら少女とは知り合いらしい。少女は女性をみるなり、さっきのウキウキ感などどっか吹っ飛んだようで、今は逆にビクビクしている…

 少しずつ後ずさりしながら、尻尾の毛を逆立て、身体をぶるぶると振るわせ、髪の中から上に耳が生えていた。

 耳って髪で見えてなかったけどそんなとこにあったんだ。今更だがリスの亜人さんって脳が認識した。


「ど、どどっ、どうしてマライヤが此処に!私は何もしてない!何もしてないからぁぁぁーー………」


 と叫びながら彼女は猛スピードで走りさってしまった。


「…怪しい過ぎる。小橋君、リリーに何かされませんでしたか?」


 リリー、それが彼女の本当の名前なんだろか。


「腹に……いえ、翻訳魔法をかけて貰ったくらいでその他は別に…」

「…翻訳だけならいいんですが。それより、危ない目にあわせてしまって申し訳なかった。」


 女性が深々と頭を下げる。


「離脱のための転移まで、まさか仕掛けられているとは思ってもおらず、安易に転移して危険な状態にしてしまった。本当に申し訳ない。」

「いえ、あの状況ならしょうがないですよ。結果的には俺は無事でしたし。ところでよく俺がここだとわかりましたね。」


 女性が下げた頭をあげ


「あぁそれはだな、見つけれたのは転移の時、念のため君に目印を付けておいたからだ。自己紹介がまだだったなマライヤ・クルーセルだ、ライセンスはⅣ、一応これでも学院の教員だ。何でも聞いてくれ。」

「教員!…オレッ、自分は小橋悠斗といいます。よ、よ、よろしくお願いします。」

「そんな畏まる必要はない、てか好かん。行事以外は普通にしてくれ。さらに私は君を危険にさらしてしまったんだ、教員失格だ。だから君が困っていることがあれば、力を貸すつもりだ。ではまずは換金所へ案内する。日本円はここでは使えないからな。」


 換金所、確かに日本円は使えないよな。てかあのリリーって子に財布持って行かれたぁ!


戦闘があるようでない回でした、頭突きは戦闘に入りません。それに名前って難しいですね。意外とでてきませんね…

誤字脱字ありましたら報告を…

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