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送られてきた物

前の2話にくらべて、多少長くなりました。ギリギリ間に合ってよかった。

 てんくうじまぁぁぁ?!

 何で天空島から?天空島で俺と関わりのある人物というと・・・まさか兄貴か!?

 そうなると市橋祐子って名前は、ひらがなにすると《いちばしゆうこ》。これを少し並び変えて《こばしゆういち》。やっぱり兄貴からだ。でもなんで偽名で…


 小橋優一こばしゆういちは俺と3つ歳がはなれた兄である。

 3才でヴァイオリンを習い、5才でコンクールで1位をとりエリートコースが待ってると思われたが、突然辞めた。

 小学校にあがるとサッカークラブに入り、FWでスタメンとなり、その年のMVPと得点王に輝き、そのまま中学も続けるのかと思い気や、またしても辞めた。

 中学になると、今度は美術部へと転向し、風景画を描き金賞。審査員からは『君の絵は人々に感動を与える絵だ』と言わせるほどだったらしい。―――そしてまたしても辞める。

 そして武道に通い始める。剣道・柔道・空手、それぞれ習い数週間で年上をバッタバッタと倒していった。

 もちろん学業も優秀。兄貴自身は決して認めないが、兄貴は『天才』という人種だ。

 兄貴自身が言うには「俺は多少器用なだけで運動でも芸術にでもその事に特化した才能がある奴には勝てねぇ」とのこと。器用ってレベルじゃないと思うけどな。


 そんな兄貴に2年前、突如天空島にある魔法学院からの入学願書が届き、兄貴は受験し見事合格して天空島へと一人行ってしまった。1年目は何かと連絡をくれたがあるころからピタリと連絡がこなくなった。

 両親は兄貴が子供のころからしっかりしていて、連絡がこないのはただ単に忙しいのだろうと、特別心配はしている様子は見られない。

 だが俺自身は妙な感じがして、兄貴に何かあったのではと思う。

 あれから天空島のことを独自で調べたが…内部情報は極端に少なく兄貴のことは全く分からなかった。


 そんな時に天空島から兄貴が偽名で奇妙な物を送ってきた。

 やっぱり兄貴が何かに巻き込まれて、密かに送ってきた物と考えるのが普通だろう。そう考えて中身を見ると本は魔法の本、草は何かの調合に使う材料で、瓶の液体は魔法薬って奴ではないのか?そしてナイフは護身用、カードは………浮かばないが何かあるのだろう。

 A4の茶封筒に何か書いてあるかもしれないが、今は一旦全部出してダンボールを片付けないと…俺の部屋が狭すぎる。

 なぜコレを送ってきたとか、兄貴はどうしてるとか今考えても思いつかないので、とりあえずダンボールみたいな箱をたたもうとしたら、


「ん?この箱底に板が入ってるのか…」


 極薄の板が底に挟まっているのに気付く。

 この板、ダンボールみたいな底に見えるよう絵が描かれている、見ただけではほぼ見つけることができないほど、精密に立体的に描いてある。俺が中身を全部出してたたもうと思わなければ気づけなかったほどである。


 ここまでカモフラージュしてあるってことは…


 何とか底から板を外すと中から一通の白い小さい封筒がでてきた。

 白い封筒にはDear my brotherと書かれており、透かしてみると何枚か紙が入っているようである。

 ダンボールは俺宛だったから、多分コレも俺に宛た物だろうと思う。何故英語?と思うが…もしかして俺が知らないだけで、他に兄弟とかいたりするのだろうか?

 しかし偽名まで使ってさらに隠してまで送ってくる物…なんか嫌な予感。どっかの極秘書類とかで命狙われるとかだったら、開けたくないよな〜。

 でも開けないことにはどうにもならないし―――だが開ける前にダンボールを片付けないと、俺が動けなくなる。


 ダンボールを片付けて、ある程度整理してからベットに腰掛けながら白い封筒をあけると、中から手紙が二通でてきた。

 兄貴の状況でも書いてあればいいんだが…んー何々?

『悠斗へ、生きてるか?死んでたらスマン。』

 聴きたくない言葉がいきなり出たよ!

『この手紙がお前に届く時、俺はまだ生きてる。と思う、多分。』

 あっち行って何やらかしたんだよ!兄貴!

『まあちょっと失敗してな。悠斗、お前が生きてるなら近いうちに面倒なことが起こると思う。そのため…』

 ―――カタッ


 ………今、何か音しなかったか?それも結構近くから。

 周りを見渡すが俺の部屋に誰かいるはずもなく。動物とかいるわけでもない。

 気のせいか…最近多い気がするな、俺神経質になってんのかな~


『お前が生きてるなら近いうちに面倒なことが起こると思う。そのためにおま…』

 ―――ガタッ、ボスン


 …やっぱり気のせいじゃなかった。机の上に置いておいたはずの、送られてきた本が今は床に落ちている。さっきの音は机から本が落ちた音だ。

 兄貴よ…近いうちにって言うより、もう面倒なことが起こって気がする、目の前で。


 そのまま様子を伺っていると、床に落ちている本が自動的に開き、パラパラとページを勝手にめくっていく。そしてちょうど半分あたりで止まった。

 そして開いたページに書いてある文字が、紙の上を動き出し中央に集まり始める。そして本の中央には黒い円が出現していた。


 だがそこで止まった。俺はしばらく様子を伺っていたが、その後コレといった動きはしなかった。

 あら?魔法が発動するのかと思ってたが、違ったのか。それとも不発か?ふぅ~脅かしやがって。爆発とかするんじゃないかと思ってビクビクしてたのがバカじゃねぇか!


 そうしてベットから立ち上がった―――その時、俺に向かって黒い物体が飛び出してきた。

 とっさに避け、近くに置いてあったナイフを即座に取り、投げつける。

 飛び出してきた生物、巨大な口と牙を持った体長50cmの真っ黒なイモムシは、狙い通り頭らしき場所にナイフが刺さっており、霧散して跡形もなく消えた。

 ―――だが喰われた。

 俺の指のほんのわずか先と、手に持っていた兄貴からの手紙が、本から飛び出してきた黒いイモムシに食われた。避けてなきゃ腕ごと持っていかれてたコースだけどな。


「くそっ!狙いは兄貴からの手紙か!」


 三角形になった手紙の端しかもう残っていなかった。


 親父の勧めの道場に兄貴と一緒に通わされていたし、兄貴の武術の相手にされていたので、今回はなんとかなったけど…。

 この怪しげな本同様に、茶封筒や中に入っていたものを部屋の片隅に、慎重に移動させて置いておく。

 くそ、兄貴の手紙には何か重要なことでも書いてあったのか?さっきのは魔物だよな、毎回こんなんだとやってられないぞ、一体兄貴は何に狙われてんだよ… 





「ふぁ〜あ、ねみぃい」

 流石に外が明るくなりかけるまで起きてると眠いな。やはり本は魔道書であったみたいだが、その後は何もなかった。背表紙に異世界の文化の言葉か、分からない単語が混じり、詳しくは解析はできなかったが、あっちの世界のものだろうし魔物が飛び出してくるくらいだし魔道書だろう。

 まあ魔法には魔力というエネルギーが必要ということだけは分かってるし、下手に扱わなければ大丈夫だろ。


 今日の学園に行く準備をして、

「おはよう母さん。朝飯何?」

 テレビを見ている母親は振り向きもせず、テーブルを指す。

 母親は朝のテレビの占いを見るのが趣味?である。1月から12月まで漏らさず見て、さらに占いをやっている他局のまで全てみるのが日課だ。時にはメモする時もある。その時間帯だけはテレビの前から全く動こうとしない母親。


 テーブルにすでに用意されていた朝食を食べ始める。

 目の前には親父が食べたと思われる食器がまだ置かれていた。

 てか親父帰ってきたか?

 朝まで起きていたが、帰ってきた音とか聞いてないんだが…

 朝帰ってきてまた行ったのか?朝帰り、なんとまぁ…

 そんなことを考えながら朝食を終えて、家を出ると毎朝のことではあるが家の前に蓮華が待っていた。


「ユー君、おっはよ〜。なんか眠そうだね?面白い本でも見つかったの?」

 あの本を面白い本って言ってもいいんだろうか?、

「おはよ蓮華。まあ興味深い本を夜中まで見ていたな。しかしよく分かったな」

「そりゃ分かるよ、ユー君のことだもん。予想だけどお義兄さんから荷物が届いて、その中にユー君が読みたくなる分厚い本があったんじゃない?」

「……あぁ、そんなとこだ。」

 あんた犯人じゃないよね?………いや、蓮華の場合だと俺ん家に隠しカメラでも設置されてるほうが可能性が高いか、俺にプライベートスペースは存在しないのか!

 今は証拠がないしな、今度徹底的に部屋の掃除してみるか。





「先生、天空島の学院に行きたいのですが、願書とか入手できませんか?」

 俺は昼食を高速で腹に入れ、職員室にいる担任の先生に質問しにいった。

 昨日のダンボールには兄貴が生きてる可能性あるってだけで、ほぼ分からないままである。あの手紙に書いてあったかもしれないが、喰われてしまったし確認の仕様がない。

 茶封筒ほうには何か書いてあるかも知れないが…保留。

 やっぱり自分自身の眼で兄貴の状況を確かめたい。

 そのためには兄貴と同じ魔法学院に入るのが手っ取り早いと考えての、さっきの質問である。


「とうとう今年も現れやがったか…毎年何人かいるんだよね、魔法学院行きたいって言う生徒が。それが小橋が最初とは思わなかったが、簡単に言う…無理だ。」

「先生、結論が早いですね。でもそこを何とかできないでしょか?お願いします。」

 頭を下げて担任に頼みこむ。

「何とかできるとかの次元じゃない。天空島の情報は何処の『国』も欲しがってるし、魔法学院の願書はどういう基準かわからんが、生徒個人に送られてくる。さらに魔法学院の願書一枚なんてオークションで『33億円』とか値段ついてんだぞ。学園の一担任にどうにかできるわけがない。頼む相手が違うんじゃないのか?小橋なら適任の奴がいるだろ。」

 俺もオークションの話は知っていたが、現代史の先生なら知らないコネでもあるかと、薄い望みを賭けたんだがやっぱり無理か。

 俺も蓮華に頼むほうが可能性は高いのは分かるが…とんでもない条件とか突き付けられそうだしな〜蓮華の場合。

「あぁそうだ言い忘れてた。小橋、お前は魔法学院のことは忘れてエスカレーター式に学園の高等部へ行けよ。下手すると俺のクビが飛ぶのでな。」

 やっぱりこの担任にも圧力がかかっていたか…


戦闘ムズイ。手こずりました。誤字脱字、アドバイスなどありましたらドシドシどうぞ。

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