不忠義の正義
診察待ち での 作品
私のペンは何を綴ってこれただろうか?
王の『崩御』
永く続いた 歴史の終焉 そして始まりである
次の王は若干12歳の女性だった 彼女の最初の国民への御言葉は
『みなの者 我を支えよ❗』
であった
その言葉を濁す事無く 書き連ね告知した
王女には摂政が付いた 永く前王を支えた重臣だった
王女の言葉は全てその摂政から伝達された
王女は善政を尽くし国を導いた しかし外圧からの恐怖に常に震えていた 多国では次々と王制を倒し 民主主義なる物が台頭してきていたからだ
そして周囲の国々は殆ど その民主主義になり 王女の国に圧力をかけ始めた 王女は必死にもがき苦しみ その中から最善の政策を進めていった
だがそれは国民には全て摂政の治政とされ国民に伝えられた
私もそれを全て書き記し国民へ伝えた 何も疑うこと無く 摂政の政治手腕として賞賛も付け加え告示した
そして国民は摂政を褒め称え 王女を軽視した
でも王女は全く気にも止めなかった 国さえ安定すればどんな王女の評価など全く意味が無いからだ
しかしその日は訪れる 摂政がクーデターを起こしたのだ
私は何を書き記し国民へ伝えるべきか?悩んだ
「王女には国を導く力は無い」
っとしるし 告知した
王女は捕らえられ 国民の前へ晒された
『我は問う この国の繁栄の為なら礎となり この命を捧げよう 国家繁栄が約束されるなら 喜んで生け贄となろう』
っと その後は摂政の軍に引き摺り下ろされ 城に消えた
数日後 摂政の側近から私に内部告発があった
「摂政は全ての利権を握り 全ての国益を自分の私政だとし王女の仁政を全て詐った」
っと
私は恐かった これをこのまま国民に告知するべきか?そして摂政の軍部からの迫害を受けないか?が 私は書いた
「王女に仁政ひく力は無い 摂政こそが我が国の主」
っと告知した 国民は歓喜に沸き 摂政を讃えた
王女は処刑されることになり 国民の目の前で 斬首刑されると告知した
決行日 王女は毅然とした態度で 国民の前へ 歩みを進めた 斬首台の横へ
『民よ 良く聞くが良い 我が生は 民の為に授かり 我が人生は国と寄り添う為にあり 我が死は国の未来の道標となろう』
刑場に集まった 群衆は各々顔を見合わせ 何かを模索しているようだった ざわめきが広がり 段々とそれが広がり始めたとき 摂政が王女の脇へ表れた
「いやしき王女に 天罰を」
群衆は静まり返った 摂政が王女を斬首台へ導こうとしたまさにその時である 群衆の最後列から
「待たれい 我に正義あり 奸賊にこそ 鉄槌を」
こう叫び 走り出した 群衆はまるで
『モーゼの十戒』
の海のように割れた そこを走る先頭には密告者が居た その者に追従する 軍隊が続く
「我に神命を」
その言葉と共に 摂政は斬り殺された
「王女 後れ馳せながら 馳せ参じた」
深々と頭を下げながら 密告者は王女に礼を尽くした
『同じ命の重み ならば我の命こそ捧げるべきだった 摂政にもまた神命があっただろうに』
王女は終始変わらず 同じ振る舞いであった
群衆はやけが解らず ザワついた 王女は何も言わず 城へ下がった
私は密告者から聴いたことを綴り告知した
その後 我が国は固い結束の元に繁栄した
まだ呼ばれない