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異世界の同人絵師  作者: 九十九 百一
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同人絵師 コロナで死す

我ながら小汚い部屋だった。掃除とかごみ捨てとか、それどころじゃない。


同人絵師として、生活できる程度に稼いできた。何かを目指してあがいてきたが、届かなかった。


何かを目指すのに疲れた。負けるのに疲れた。負けても悔しくなかった。


悔しくないように、めざしてないと腐った息を吐きだした。


オリジナル、自分だけのユニーク。何一つ金にならなかった。


金になるのは、人気のあるトレンドをいち早くエロ同人にして売ることだけだった。


俺のエロ同人は、海外の違法サイトにアップロードされるようになった。


断言してもいい。


何千、何万とエロ同人が載っているそのサイトにあげられているほぼほぼ全ては、同じ話だ。


犯した女がよがりだす。あるいは、男。いちゃらぶ、純愛、モブレ、全部同じだ。


自分のオリジナルで戦えなかった、ひとまねでしか売れなかった、


あえぎ顔とおっぱいとけつと精液でごまかされた絵。ぴんで誰かを押しのける練習もしてない絵。


誰かの心に残るものが作れなかった。


女はあんなに簡単にいかないし、セックスはすごく疲れるし、そんなにうまくできたためしがない。


うまくなるほど経験できなかった。ぜんぶ嘘だ。全部同じ話、かわりばえしないあえぎ声。


海賊サイトで中国語や英語に翻訳されたものを自分のエロ同人を見るにつけ、むなしさが胸に巣食う。


おまえらそれ全部、嘘。嘘。まやかし。俺は結局、自分だけのオリジナルは誰にも認められず、


人まねでしか稼ぐことができなかった。


だめだ、息ができない。くそ、コロナ、まじ死ぬ。医者がうつぶせになって、肺の炎症をたれてくるコラーゲンで治すとか言ってたな。


やべえ、救急車よぶどころじゃない。無理かも。死ぬ。あ……






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