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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第96話 母親モンスターの攻撃です

「承知しました。国王陛下」


 国王直々に「国をより豊かにせよ」と言われては私が答えるのはこの言葉しかない。

 それに首席総務事務官の役職だってもう断ることはできないし。

 とりあえずここはなるべく波風を立てず、後でブランとゼランに一言嫌みでも言おうかしら。


「アリサ。貴女と会うのを楽しみにしていたのよ」


 今度は王妃が私に声をかける。

 ブランとゼランの母親だからそれなりの年齢のはずだけどすごく若々しい王妃だ。


 まるで年齢不詳の芸能人みたいね。

 スタイルもいいからモデルさんかしらね。


「私にですか?」


「そうよ。ブラントもゼラントも貴女は美しく聡明でこの世に同じ女性はいないっていつも言うから会うのを楽しみにしていたの」


 王妃はニコニコと笑顔で話す。


 美しくて聡明でこの世に同じ女性はいない……か。

 とりあえず異世界から来たからこの世に同じ女性はいないって部分だけは当たってると思うわ。

 私みたいな異世界転移してきたような人がいたという噂も聞いたことないし。


「私はそんなに美しいとは自分では思いませんが……」


 私は正直に話してみる。


「まあ! 自分を過小評価してはいけませんよ。貴女はとても美しいわ」


 いや、別に過小評価してるつもりはないって。

 それよりも貴女方の方が私を過大評価してるんだってば!


「それにようやくブラントとゼラントが結婚したい気持ちになってくれたのよ。貴女のおかげだわ。どちらでも好きな方をあげるわ」


 いやいや、王妃様。息子たちは物じゃないんだから好きな方をあげるって言われても困るんですけど。


「私にはブラント王太子殿下のお相手もゼラント王子殿下のお相手も務まるかどうか……」


「まあ、大丈夫よ。結婚してみて気に入らないようだったら相手を取り換えてもいいし」


 は? 今、なんかすごく怖い言葉を聞いたような。

 結婚して気に入らなかったら相手を取り換えてもいい!?


 王妃は相変わらずニコニコと笑顔だ。

 だが私は背筋がゾクリとするのを感じる。


 この王妃様。本気で私を逃がすつもりはないって言ってるわよね!

 二人のどちらの王子でもいいから絶対結婚させる気満々よね!


 間違いないわ。

 ブランとゼランの性格はこの王妃から受け継いだに違いないわ!

 獲物は絶対逃がさないって王妃の瞳が語っているもの!


「しばらくは首席総務事務官の仕事も覚えないとですので結婚のことはゆっくり考えさせてもらいます……」


「そうね。時間はたっぷりあるから二人の息子のどちらを選ぶかゆっくり決めてね」


 王妃は相変わらずの笑顔だが今の言葉には「貴女は息子と結婚するのは決まっているのよ」という意味が隠されていることが分からない私ではない。


 ひい! この国で一番怖いのはこのモンスター王子の母親モンスターじゃないの!?


「父上、母上。アリサは本日王宮に着いたばかりで疲れておりますので謁見はこの辺りで終わりにしませんか?」


 ゼランがそう言ってくれたおかげで私はこれ以上の母親モンスターからの攻撃を回避できた。


「そうだな。ではアリサ本日はゆっくり休むがいい」


「ええ。そうね。ゆっくり休んでね」


 国王と王妃の言葉に私は頭を下げて謁見の間を出た。

 もちろん宮殿まではブランとゼランに送ってもらった。


 初日からモンスターたちの攻撃は激しいわ~。

 あ~、疲れたあ。


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