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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第92話 護衛騎士は悪魔です

 部屋に入って来たのは男女一人ずつ。

 女性は銀髪に茶色の瞳で20代半ばくらいで制服らしい服装をしている。


 もう一人は腰に剣を持った全身黒服の男性で銀髪に銀の瞳をしている。

 男性の年齢は30歳前後だろうか。


 二人は私とクリスの前に来て頭を下げる。


「初めてお目にかかります。私はセーラ・ホルンと申します。本日よりアリサ様の筆頭侍女を命じられました。よろしくお願いします」


 女性の方はそう言って再び頭を下げる。


 へえ、この人がここでの私の侍女かあ。


 私はワイン伯爵家でもアンナという侍女がいたから特に驚いたりはしない。

 それよりも私は男性の方が気になった。

 今まで銀髪の男性は何人も見たが瞳まで銀色なんて初めてだ。


 なんて神秘的な瞳なのかしら。

 しかもイケメンだし。

 ぜひお近づきになりたいわ。


「貴方は?」


 私は男性の自己紹介が待てずについ声をかけてしまった。

 ここにブランやゼランがいなくて良かったわ。

 こんな私の態度を見たら二人の地雷を踏むところだもの。


「……私は、本日からアリサ様の護衛をするサタン・シルバーです……」


 男性は呟くように挨拶をした。


 え? 待って! 今、サタンって言った?

 ついにこの王宮ダンジョンは「悪魔」の降臨ですか!?


「え? 貴方があの伝説の騎士『銀の悪魔』さんですか!?」


 クリスが驚いたようにサタンを見つめて声を上げる。

 サタンはクリスの問いにコクリと小さく頷いた。


「クリス。伝説の騎士って何? 銀の悪魔ってサタンのこと?」


 私がクリスに尋ねるとクリスは若干緊張した声になる。


「この大陸では大きな戦争こそ最近は起こっていませんが小さな小競り合いは幾度となく起こっているんです。その戦で負け知らずの騎士が伝説の騎士と言われる『銀の悪魔』です」


「そんなにサタンは有名なの?」


「有名なんてものじゃないですよ、アリサ! 三大国がダイアモンド王国を攻めない理由の一つがダイアモンド王国には『銀の悪魔』がいるってことも含まれてるんですから!」


 クリスは興奮しているようだ。


 でもクリスの話が本当ならなんでそんな伝説の騎士が私なんかの護衛になるの?

 それになんでそんな騎士が大陸の最弱国家にいるのよ。


「ねえ、サタン。今の話は本当なの?」


「……私が銀の悪魔と呼ばれているのは事実です……」


 サタンはまた呟くような声で答える。


 この話し方がこの人のクセなのね。

 まあ、それは許してあげるわ。


「何で伝説の騎士の銀の悪魔である貴方が私の護衛になるの?」


「……ブラント王太子の命令なので……」


 そんなことだろうとは思ったけどさ。


「じゃあ、貴方は何でこの大陸最弱国家と呼ばれる国に仕えているの?」


「……好きな食べ物がここにあるので……」


「はい!? 好きな食べ物?サタンの?」


「……はい……」


 私はポカーンとしてしまった。

 三大国さえ恐れる「銀の悪魔」がこのダイアモンド王国にいる理由が「好きな食べ物」があるからってこと!?

 そんな理由でこの伝説の騎士はここにいるの!?


「ちなみにその食べ物って何?」


「……秘密です……なかなか手に入らないので……」


 うーーー!!

 その食べ物がめっちゃ気になる!!!


「じゃあ、もし手に入ったら私にも食べさせてよ!」


「……分かりました……その時はアリサ様にもお渡しします……」


 サタンとの約束を交わして私はとりあえず満足した。

 でも「銀の悪魔」を魅了する食べ物って何なのかしら。

 気になるわ~。


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