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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第83話 警備員として契約結びました

 手紙を書き終えると私はスミスに手紙を渡して溜息をつく。


 はあ、さて次はワイン伯爵に報告ね。


 私はワイン伯爵が仕事をしている執務室に向かった。


「お父様。お話があるんですが……」


「おお、アリサか。入りなさい」


 執務室にはクリスもいる。

 そして私はウルフの話をした。

 ワイン伯爵は驚いていたけどウルフたちを警備員に採用することに同意してくれた。


 後はウルフたちと契約書を結ぶだけね。


「アリサの領地を豊かにしたい気持ちは分かるが今回のような危険なことはあまりしないようにね」


 ワイン伯爵の言葉に私は頷く。


「はい。お父様。気をつけますわ」


 また、ブランとゼランがここに来ても困るしね。

 危うくワイン伯爵の首が飛ぶところだったわ。



 数日後、私はジャッカルに一緒に馬に乗せてもらって盗賊たちのアジトがある森の入り口に黄色のハンカチと手紙を結びつける。


 ウルフから自分たちと連絡を取りたい時にはそうやって報せろと言われてたからだ。

 手紙には明日の昼に会いたいということと正式にウルフたちと契約を結ぶ準備ができたことが書いてある。


 これでよしっと。


「この森に盗賊たちがいるんですか?」


「そうよ。確か、アジトの近くに滝があったはずだわ」


「滝ですか?」


「ええ」


 そんなことをジャッカルと会話しながら屋敷へと戻る。


 次の日に私は小さな荷馬車に盗賊の人数分の契約書を積んで再びジャッカルと森の入り口に来た。

 しばらく待ってるとウルフが馬に乗って現れる。


「ウルフ! 約束通りに契約書を持って来たわよ」


 私が手を振るとウルフはゆっくりと近づいて来るがジャッカルを警戒しているようだ。


「ウルフ。心配ないわ。彼は私の護衛なの」


「アリサ。まさか本気だとは思わなかったよ」


「あら、失礼ね。冗談であんな危ないことしないわよ」


「それもそうか……。クククッ」


 ウルフは僅かに笑う。


「だがアジトに連れて行くのはアリサだけだ。護衛の者はここで待っていろ」


「それはダメだ。護衛は俺一人だ。一人ぐらい護衛がいてもかまわないだろ? それとも俺が怖いのか?」


 ジャッカルの言葉にウルフはピクリと反応する。


 わわ! 喧嘩しちゃダメよ!


「よかろう。では二人ともついてこい」


 ウルフはそう言って私たちをアジトまで案内した。

 アジトの洞窟内には盗賊たちが待っていた。


「お頭。お疲れさまです。姐さんも元気そうで良かったです」


 盗賊の一人がそう言う。


 姐さん? 人を勝手に姐さん呼ばわりしないでちょうだいよ。

 他の人が聞いたら誤解されかれないからさ。


 そして私は盗賊たちの前でもう一度契約書の内容を説明してみんなは納得して次々に契約書にサインをしていく。

 私は自分の名前を書けない盗賊もいるのではと思っていたがそれは杞憂に終わった。


 そのことをウルフに確認してみると「自分の名前ぐらい書けるように俺が教えてやったんだ」と言った。


 う~ん、やっぱりウルフって部下のことをよく考えているわよね。

 こういう男なら信頼できるわ。


 そして盗賊たちは数日後にワイン伯爵家が用意した宿舎へと引っ越しをしてきて警備員としての仕事が始まった。

 最初は彼らも戸惑っていたがウルフの統率力のおかげで警備員としての仕事にどんどん慣れていった。


 良かったわ。これでひとまず安心ね。



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