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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第80話 危険なことはしません

 その後、ウルフと雇用契約書を結ぶための契約書の内容について話し合いをしてその日もウルフの家に泊めてもらった。


 次の日に私はウルフに馬に乗せられて町まで送ってもらった。


 クリスたちにはなるべく早く戻ると約束していたが結局ウルフの所に二泊もしてしまったから心配しているだろう。

 盗賊たちを無事に説得できたし早く帰ってクリスに報告しないと。


 私は町の入り口でウルフに馬から降ろしてもらった。


「ここでいいのか?」


「ええ、大丈夫よ。屋敷までの道は覚えてるから」


 それに正式にワイン伯爵との契約書を結んでからウルフたちを町に迎え入れた方がいいだろうし。

 私はウルフと別れてワイン伯爵家に向かった。


 ワイン伯爵家が近づいてくるとワイン伯爵家の周囲にたくさんの騎士服を着た人間たちがいる。


 あれ?なんで騎士がこんなにいるのかな。


 私がワイン伯爵家の門の所に来ると警備をしているらしき騎士が私に声をかける。


「誰だ?」


「え? 私はワイン伯爵の娘のアリサだけど……」


「アリサ様!?」


 騎士は大袈裟なくらいに驚いて騎士の一人が屋敷に飛び込んでいく。


「アリサ様とは失礼いたしました。どうぞ中へ」


 他の騎士が私を屋敷に連れていく。

 なぜか私の周囲は騎士に囲まれている。


 私がいない間に何かあったのかしら?


 私は段々嫌な予感がしてきた。

 そして私の嫌な予感は的中することになる。


 屋敷に入ると私は応接室に行くように言われる。

 私が応接室に入るや否や私に抱きついて来た人物がいた。

 それも二人。


「アリサ! 無事で良かった!」


「アリサ! 怪我はないかい?」


「え!? ブラン様にゼラン様!?」


 私に抱きついているのは紛れもなくモンスター……ではなくここにいるはずのないブランとゼランだった。


「なぜ、お二人がここに!? と、とりあえず離れてくれませんか!」


 私が二人にぎゅうぎゅうと抱きしめられて窒息しそうだったので悲鳴に近い声で言った。

 するとようやく二人が私から離れる。


「アリサが盗賊たちに捕まったと聞いて驚いて駆け付けたんだ」


「え? 誰がそんなことを?」


 ブランの言葉に私は驚く。

 盗賊に会いに行く話はブランとゼランには話してない。


「私たちの手紙を届けにスミスがここに来たらアリサの姿がなくてワイン伯爵も行方を知らずアリサの弟のクリスタルからアリサは盗賊団の所にいるって聞いてスミスが伝書鳩で報せてくれたんだ」


 今度はゼランが説明する。


 しまった! スミスが定期的に我が家に来るのを忘れていたわ。


「そ、それでブラン様もゼラン様もここまでいらっしゃったのですか?」


「もちろんだよ。アリサを攫った盗賊たちをやっつけるために王国軍の第一特殊部隊を連れて駆け付けたんだ」


 へ? 王国軍の第一特殊部隊!?

 だから屋敷の周囲に騎士がたくさんいたのね。


「でも今回のことは私が計画して盗賊に会いに行ったので……」


「話の詳細はクリスタルから聞いたよ。アリサも無茶するよね。でも今日中に帰らなかったら盗賊団を探し出して皆殺しにするつもりではいたんだ」


「ハハ……心配かけてすみません」


 盗賊団を皆殺しって!?

 ウルフと町の入り口で別れて正解だったわ。

 ここまでウルフと来てたら間違いなくウルフの首を刎ねたに違いないわ。


 それに第一特殊部隊を連れてくるなんてやり過ぎでしょうよ!

 でもそれだけブランとゼランは私を心配してくれたということだから強くは言えない。


「これからは危ないことはしないでおくれ。アリサ」


「そうだよ。何かする時は私たちに事前に話すこと。分かったかい?」


 ブランとゼランの鋭い視線を受けて私は縮み上がる。


「す、すみません! 以後気をつけます!」


 マジで気をつけないと私だけじゃなくワイン伯爵たちや周囲の人間が「死刑」にされかれない。

 気を付けなきゃ!


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