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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第71話 中央市場の視察です

 領地改革を始めてから約二ヶ月が過ぎようとしていた。

 今日はジャッカルとクリスを連れて植物園のある広場を使ってできた「中央市場」への視察だ。


 この「中央市場」を作るのには各組合長の反発もあったが私やクリスの度重なる説明で組合長たちは納得してくれて約一ヶ月前にこの「中央市場」は誕生した。


 「中央市場」は出店する場合は場所代を払うことになるが今までの市場の場所代よりはかなり安いのでお店を出したいという希望者は多かった。


 そして基本的には野菜を売る場所、果物を売る場所、生活用品を売る場所などに分かれてはいるが民には「中央市場」に来れば欲しいものが一度に手に入ると評判はいいとの報告は受けている。


 「中央市場」は「個人店市場」と「商人市場」に大きく分かれていて個人店市場では個人の客を相手に商売していて商人市場では商人同士が商品の売買を行える。

 どうやら商人たちには商品の売買が一度に行えるため商人たちにも好評らしい。


 そしてその情報はすぐに商人たちの情報ネットワークによって広まり、今までよりワイン伯爵領を訪れる商人は増えてきた。

 それに伴い商人たちが滞在する宿とかにもお金が落ちているようだ。


「それにしてもすごい人が集まってるわね」


「そうですね。今はお昼ご飯のための買い出しに来る時間帯ですし」


 私たちは市場の人たちの邪魔にならないように馬車を広場から少し離れた「馬車待機場所」に置いて歩いて市場に来た。


 この「馬車待機場所」もわざわざ近くの土地を借りて作ったものだ。

 商人たちが売買した商品を荷物用馬車で他の地域に持っていくことを聞いたのでならばそれ専用の「馬車待機場所」を作ったがこれはかなり商人たちからは評判がいい。


「お姉さん方、この野菜はどうだい?今朝取れた新鮮な野菜だよ!」


 市場の売り手のおじさんが私たちに声をかけてくる。

 威勢のいい声は市場のあちらこちらから聞こえてくる。


 うん、活気があってまさに市場って感じよね。


 そこへ「泥棒だあ」と大きな声が聞こえる。


 え? 泥棒?


 私たちのいる方向へ一人の男が走ってくる。

 ジャッカルは素早く反応してその男を捕まえて地面に押さえつけた。


「は、離せ!!」


 ジャッカルに押さえつけられた男は暴れるが軍隊長も務めるジャッカルにかかっては身動き一つできない。

 そこへ男を追って来たもう一人の男が現れる。


「捕まえてくれてありがとうございます! こいつが俺の財布を取って逃げたもので」


「なるほど。こいつはスリか」


 スリ? そうか、人が集まる場所は犯罪も起きやすいわよね。

 やっぱりこういう時のためにも警備員がいるといいんだけどな。

 警備隊は町全体の警備は行っているが市場専用の警備員がいる方がなお良いだろう。


「おい。警備隊を呼んでくれ」


「は、はい」


 その財布を盗られた男性は市場の近くの警備をしていた警備隊を呼びに行きジャッカルはやってきた警備隊にスリの男の身柄を渡す。

 財布を取り戻した男性は私たちにお礼を言いながら警備隊と一緒に事情聴取に向かっていった。


「そうか。この手の犯罪は人が集まる所には付きものよね」


 私が言うとジャッカルが頷く。


「最近は町を訪れる人間も増えてますし、警備隊も人数を増やした方がいいかもですね。ただ、警備隊を増やすとかなりの人件費がかかりますけどね」


 う~ん、この問題も解決策を考えないとだわね。


 私たちは視察を終えて帰宅した。

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